海に生まれし命の墓標 幾重にも地に還りてはつくられた
海より出でる大地の姿 今ここに立つ汝も何時か還る場所
3000万年ものむかし海のそこにたくさんの命が生まれ死んでいった。
数多の生きたものたちの命の結晶とその亡骸の朽ち果てた姿が刻まれ層になり、立派な石灰岩層が作り出された。
そのうちに、大陸のプレートに押されて地上へと盛り上がり、彼等はそこで眩い太陽の光を知り、風を知り、雨を知る。
ひと吹きの風を受け、一粒の雨を受け、その行為が何千万年も積み重ねられた姿のうえに、わたしたち人間は悲しみや喜びを受け止めながら数十年の人生を潰えてまた地に戻っていく。
長崎の地に立つと、苦難を受けながらも懸命に生きて来た人達の歴史を間近に感じ取られる場所があります。静かな祈りと、激しい情熱がともに混在しながら「今」という時を通過していく。
アンゼラスの鐘がなる時、隠れ信仰を守り抜いてきた人々の魂が染みついたこの地の海が空が静かに祝福し、苦難も歓喜となりてすべては生きた者の糧となる。
人々の心はひとつにあらず。自然の姿もひとつにあらず。
一方では穏やかな海を囲み、一方では外海の風と波を受ける場所。
西彼杵半島は、外海側は断層崖で出来ており、内海側は穏やかな大村湾が広がるリアス式海岸が続いています。
大村湾はダブル内海(佐世保湾に入った海水がさらに針尾瀬戸と早岐瀬戸を通して流れ入るため)で波が穏やかなので、岩場が続くリアス式海岸を利用し真珠の養殖や、地を活用してゴルフ場も数か所あります。
さらに西海市(西彼町)には、長崎バイオパークもあります。
長崎オランダ村やハウステンボスを創られた神近さんが「人と自然の調和」をもとに1980年に開業しました。民事再生の苦難もありましたが、動物たちの姿をもっと身近にと、自然の地形をそのまま利用しつつ、動物の習性を使って住み分けをしながら身近に動物を観察することができます。昆虫大好き園長さんがSNSでも有名になっておられますね(^^)。
ほんと、エリア内に入れば、その辺に突然動物がいたりすることがあるのですよ。
そこにおったんかいっ!!と鳴き声で気付かされるという(笑)。カピバラさんの毛が想像以上に芝生っぽい感触を知りましたし、カバのももちゃんのお食事シーンも見れて満足でした。
個人的には、昆虫館にある標本の個体の多さと、地形上アミメキリン宅の横の坂道を降りていくので、上からキリンの顔をアップで見られるところが好きです。葉っぱにかじりつくキリンは結構ワイルド系。そして、アンデス岩場に佇むラマたちは孤高の戦士・・いやマイペース。
半島で一番高い山の長浦岳が561Mなので、比較的穏やかな丘陵地のように見えますが、森が海岸の傍まできているので、平地がそう多くありません。
長浦岳の森の豊かさを利用して「長崎県民の森」があります。バンガローが綺麗なのでよくキャンプ場を利用するのですが、想像以上に起伏に富んだ森林に囲まれていて、周辺をちょっと散策のつもりが遠足になります(笑)。
かつて長崎大水害が発生した際、長浦岳では1時間降水量153㎜を記録する大雨が降りました。これは今でも気象庁の観測史上1位となっています(2026年9月現在)。
長浦岳より流れてくる河通川(ごうつうがわ)の中腹程に「つがねおとしの滝」があります。
滝つぼがなく、川の水とともにつがね(川蟹)がそのまま岩場に流れ落ちてくるのでこの名がついたそう。立派な岩盤から落ちてくる滝の水はなかなかの迫力。写真を撮った頃は渇水にあえいでいた長崎でしたので、水量は少な目でしたが、爽やかな渓流音と森に響くツクツクボウシの鳴き声に心癒されました。もし訪れるならば、雪浦川の下流側から登られることをお勧めします。
しかし、本当に美しい地層・・・。
そういえば、バイオパーク一帯もリュウモン岩という火山岩で出来ており、しましま岩がとてもきれいでした。西彼町大串では、むか~し砂金がとれていたそうです。
地層的には、南から中央にかけては「西彼杵変成岩類」という結晶片岩で構成されています。三重(長崎市)の海岸ではぐにゃぐにゃに曲がった岩が見られるそうです。難しいことはわからないのですが、中生代初期頃海底に堆積した積物が、中生代白亜紀後期頃の造山活動のうちに高温高圧によってうねうね~っと曲がって出来上がったそうです。
その時の産物として、ヒスイ輝石が含まれた緑色岩があるのだとか。自然の力って面白い。
興味を持たれた方は、大日本図書さんのHPにあるデジタルデータバンクより、長崎県にある「結晶片岩の褶曲」というところを見てみてください。キャラメルキャンディーを思い出した不届き者がここにひとり☆
はかりしれない程の太古の昔から、この大地は熱され潰され押し出され、熱された大気とて、大雨を降らし風や波を叩きつけ、削られたり盛り上がったり、時には地殻が押され揺れたり・・・と、大地は常に運動しているわけでして、その上におびただしい程のちいさな命が生まれ死に重なり合って化石となる。それらを呑みこんで盛り上がり、そして冷え固まる。時が満ち、大地には植物がうまれ緑に染める。植物の生えるところ、そうでないところ、切り立つ渓谷には水が流れて川ができる。
地上に命が・・・われわれ人間が生まれてきたのなんて、ほんのほんの今の一瞬。何千万年前の大先輩のうえで、こうしてせわしく動き回っているのですから・・・。
それから、西側の海岸沿いでも北部にある西海町には、新世代古第三紀の地層にて形成されている「七釜鍾乳洞」があります。
とても珍しい鍾乳洞だそうで、大抵の鍾乳洞は2.5億年前に形成されたものが多い中、七釜は新しく、3000万年前に形成されているという、超若手の鍾乳洞なのだとか。
さ・・・さんぜんまんねん・・・・(゚Д゚;)でまだ発達途中の若僧なのですか?
確かに、秋芳洞からすると小ぶりで、かつ入洞し通過できる場所も結構狭いのですが、その分、洞窟の岩場がすぐそばまで迫っています。いやホント、その隙間を通って行くような感じなので、大人はほっそりとなりながら通らなければなりません(笑)。
周辺には35もの洞窟があり、その中には全長2kmを越えるものもあるそう。パンフレットで確認すると、手つかずになっている未公開ゾーンのほうがはるかに長い。観光コースである清水洞の一周の所要時間はだいたい20分ぐらい。人の通る場所とはいえど、一滴ずつ長い年月をかけて作り上げられている鍾乳洞のなかは神秘的。ライトの明かりをたよりに成長するコケ達もかわいい♡
通路は狭いですが、冒険している気持ちになりますよ。歩きやすい靴にて通行できます。
トンネルを出てからすぐ遊歩道を通って降りていくのですが、森のなかの岩場を見つめながら、海の底からこうして地上を眺めているのだなぁ・・・海から陸地にあがったのは、生命だけでなく地球の地殻そのものとて同じなのだと感動するのです。
この岩石たちからすれば、自分達が知る長い歴史とて、ほんの今一瞬の出来事に過ぎないのだと思うと、今の自分が体が痛いだの白髪が増えただの目や耳が乏しくなってきただの・・・とぼやきながら悩みあくせくしている事なんて・・・実に大した事ではないように思えてきます。
鳥たちの鳴き声とともに、ただひとつの「人間」として、自然の中に身を委ねてみるのも実に幸せな時間なのではないかと・・・木漏れびから透けてくるこの大空を目を細めて眺めていました。ああ・・・これもまた長崎の青い空。
内海側をもっと紹介しようと思ったのですが、よく考えると運転中は自分の目にうつすものの写真が撮れないのでした。そう・・・琴海の写真がない(笑)。
大村湾とたくさんの島が浮かぶ琴海のうみも、波も立たぬほどの穏やかさ。真珠の養殖棚がまた味があってよい景色。是非、西彼の二つの海の両方を眺めて欲しいです。
亡き義母が中学時代を過ごしたのも大島でした。転勤族だったので、あちらこちらと過ごすなかでも、やはり青春時代を過ごしたこの地は楽しい場所のようでした。
一度、ドライブに連れて行ったのですが、大八車に荷物を積んで家族皆で大島まで船で渡ったことや華の女学生のよもや話を楽しそうにしていた事を思い出します。
そんな母の一押しが「大島トマト」。果肉がぎっしりと詰まっていて、お尻がキュッとした甘くて大きなトマトです。春の期間限定なのですが、東彼の小串トマトと並んで、季節のトマトとして楽しむことができます。そしてウマイ(*'ω'*)
はははは、やっぱり〆は食べ物の話しになりましたな!でも、母の笑顔を思い出す一品なのです。長崎の青い空と青い海風に育てられた大地の恵みですね☆



