35年ぶりにザンビアを訪れ、ムバラへ向かう道で何より印象に残ったのは、終わりが見えないほど続く大型トラックの列でした。
ここはザンビアの大動脈「ノースロード」。
タンザニアのダルエスサラーム港から、ザンビア、そしてコンゴ民主共和国など内陸国へと物資を運ぶ、国際物流の重要なルートです。
(写真② 黄色いTナンバーのトラック)
最初はただ「トラックが多いな」と思って見ていました。
するとドライバーさんが、
「ナンバープレートを見ると、どこの国の車か分かるよ。」
と教えてくれました。
それから景色が一変しました。
(写真③ 黄色いナンバープレート)
黄色いナンバープレート。
しかも先頭には
T
の文字。
これはタンザニアの車です。
実際に何百kmも走りましたが、私の印象では大型トラックの7~8割がタンザニア籍でした。
ダルエスサラーム港から何千kmも走り続ける物流の主役です。
(写真④ 巨大な荷物)
運ばれているものも実にさまざま。
巨大な建設機械。
コンテナ。
燃料。
大型クレーン。
生活物資。
日本では高速道路で見る程度ですが、ここでは国の経済を支える主役そのものです。
(写真⑤ 中国メーカーの機械)
巨大車両の背後には中国メーカーの名前が書かれていました。
港から陸路でザンビアまで運ばれ、さらに内陸へ。
こうした物流によって、道路や鉱山、工場などが支えられていることを実感しました。
(写真⑥ HOW AM I DRIVING?)
面白かったのが、この表示。
HOW AM I DRIVING?
「私の運転はどうですか?」
という意味で、電話番号まで書かれています。
危険運転を見かけたら会社へ連絡してください、という仕組みです。
長距離輸送ならではの安全対策なのでしょう。
(写真⑦ LHDステッカー)
もう一つ教えてもらったのが
LHD
という表示。
これは
Left Hand Drive
つまり左ハンドル。
ザンビアは日本と同じ左側通行です。
しかし海外から来た左ハンドル車も走っています。
ドライバーさんは
「左ハンドル車は追い越しの時に前が見えにくいから注意する。」
と言っていました。
同じように、RHDという表示もありました。
Right Hand Drive 右ハンドルという意味。
こういう話は、実際に長距離を走る人だからこそ知っている知恵なのだと思いました。
(写真⑧ カトゥバ料金所)
途中には料金所もあります。
昼夜を問わず物流は止まりません。
夜でも大型トラックが列を作っていました。
(写真⑨ タイヤ交換中)
長距離を走るため、故障やタイヤ交換も日常です。
路肩で修理している車も何度か見かけました。
(写真⑩ 事故車)
一方で、道中では脱輪したトラックや事故車も何台か目にしました。
ドライバーさんは
「この道は大型車が非常に多いから、いつも慎重に運転する。」
と話していました。
私自身も、事故車の多さに物流の過酷さを感じました。
おわりに
ノースロードは、ただ目的地へ向かうための道路ではありませんでした。
そこには、人、物、お金、そして国と国を結ぶ物流が絶え間なく流れていました。
ドライバーさんからナンバープレートの見方を教えてもらわなければ、私はただ「トラックが多い道」としか思わなかったでしょう。
しかし、黄色いプレートの「T」を見るたびに、
「この車はタンザニアから来たんだ。」
そう考えるようになると、一台一台のトラックが、アフリカの経済を支える存在に見えてきました。
旅では観光地だけでなく、「道路」を見ることでも、その国の暮らしや社会が見えてくる。
ノースロードは、そんなことを教えてくれた道でした。











