ザンビア北部を旅した中で、最も心に残った場所の一つが「カピーシャ温泉(Kapishya Hot Springs)」でした。
深い森に囲まれ、小鳥のさえずりと川のせせらぎだけが聞こえる静かな空間。時間がゆっくり流れ、日本の温泉地とはまた違った魅力があります。
この温泉は地下深くで温められた地下水が地表へ湧き出す天然温泉です。湯の中から絶えず細かな泡が立ち上っていました。地下から放出される二酸化炭素などのガスが含まれている可能性があるともいわれていますが、自然が生み出した神秘を目の前にすると、細かな理屈よりも、その美しさに見入ってしまいました。
透明なお湯は心地よい温度で、長時間ゆっくり浸かることができます。
宿泊したロッジは100年以上前にヨーロッパ系の入植者によって築かれ、現在は三代目のオーナーが受け継いでいます。
印象的だったのは、オーナーが宿泊者同士の交流をとても大切にしていること。夕食は全員が同じ時間に集まり、バイキング形式で食事を囲みます。自然と会話が始まり、国籍や年齢を超えた交流が生まれていました。
料理は「チャイニーズ仕込み」と話していたシェフによるもので、お肉料理が豊富。ザンビアの食材を生かした温かみのある料理が並び、とても美味しくいただきました。
ここはザンビアの人々にとっても憧れのリゾート地だそうです。私たちにとっても今回の旅で最も贅沢な宿泊でしたが、その価値を十分に感じられる滞在でした。
さらに45ドルでアロママッサージも体験しました。木々を渡る風、小鳥のさえずり、川の流れる音に包まれながら過ごす時間は、日頃の忙しさを忘れさせてくれます。
自然そのものが最高の癒やしなのだと実感しました。
私は普段、植物をテーマに写真を撮っています。
カピーシャでは、一つひとつの植物が力強く生きる姿に何度もシャッターを切りました。豊かな自然を守りながら人々が暮らし、その恩恵を受ける。この場所には、人と自然が共生する理想の姿があるように感じました。
旅は景色を見るだけではありません。その土地の自然や文化、人との出会いを通して、自分自身の価値観も少しずつ変わっていきます。
カピーシャ温泉は、そんなことを静かに教えてくれた特別な場所でした。








