うさぎのぼうけん 4 | 自然農とクリスタルボウルとゆう琴と『けいそのちから』で宇宙と仲良し〜せつこのブログ

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さわさわさわ、さわさわさわ。

病院から、薬が出なくなって、通院も完全になくなったころ、久しぶりにさわやかさんの風を感じた。

「赤ちゃんが来るよ。」

今度は男の子だった。
ハッピーがうさぎのお腹に耳をつけて、赤ちゃんの声を聴いていた。
だんだん大きくなるお腹に語りかけながら、うさぎはショパンやブラームスを弾いた。
ピアノの音色に反応して、赤ちゃんがお腹を蹴ってくる。
どうやらベートーベンは、苦手のようだ。

このころ、歌も帰ってきた。
ハッピーは、今から子守唄の練習をしている。
いいお姉ちゃんになりそうだ。

もとより、鳥は飛ぶのと歌うのが商売みたいなものだ。
うさぎも長い耳を翼のように広げて、空を飛ぼうとジャンプするものの、
地球の重力に引っ張られて、ハッピーみたいに空を飛ぶことはできない。

とりのハッピーと一緒に、「翼をください。」を歌った。

♪いま わたしの ねがいごとが かなうならば 翼がほしい
 この せなかに とりのように 白い翼 つけてください
 この おおぞらに 翼をひろげ とんでいきたいよ
悲しみのない 自由なそらへ 翼はためかせ 行きたい

 いま 富とか 名誉ならば いらないけど 翼がほしい
 子供の時 夢見たこと 今も同じ 夢に見ている
 この おおぞらに 翼をひろげ とんでいきたいよ
 悲しみのない 自由な空へ 翼はためかせ 行きたい♪

赤ちゃんが生まれる前の晩、産院の外は、どしゃぶりだった。
あくる日、9月1日防災の日のお昼に、赤ちゃんがうまれた。
前の晩からずっとうさぎに付き添ってくれていたかっちゃんは、
産院の食堂で、おうどんを食べ損ねた。
「もうすぐ生まれるよ。」と看護婦さんに呼び戻されたのだ。
かっちゃんのお腹は、グーグーいっていた。

今度は龍の子だった。
命が生み出される瞬間、とても神聖な、光に包まれるような感覚があった。

産院のステンドグラスの窓から、七色の光が差し込み、
スピーカーから流れる音楽にのせて、うさぎは歌っていた。
何か重要な任務を果たした後のような、充実した達成感の中で、
歓喜の歌を歌っていた。

産室の外は、雨上りの樹々に、陽の光がキラキラと反射して、それはそれは美しい光景だった。

うさぎは、龍のライトと鳥のハッピーの子育てで一生懸命に家事をこなし、いつしか自分のことなど忘れていた。UFOに出会ったことも、さわやかさんのことも。

そんなある日、うさぎは、ハッピーの通う小学校から、一本の電話をもらった。
「ハッピーの具合が悪くなったので、保健室まで迎えに来てください。」
「はい。すぐ行きます。」
うさぎは、あわてて保健室まで走った。

養護の先生は、
「ここのところ、何度も保健室で休んでいます。たぶん、クラスの子供たちに、いじめられているようです。」
「ハッピーが、イジメにあっている?!」
うさぎの心は痛んだ。

その晩、うさぎは、ハッピーに、学校で何が起こっているのか尋ねた。
最初のうち、ハッピーは、ただ泣くばかりで、なかなか口を開かなかったが、
一度話し出すと、堰を切ったように、次々と学校で起こった出来事を話し出した。

「転校してきた、きつねのY子が、あなぐまのロンちゃんの筆箱を、近くのどぼん池に捨てた。」
「Y子は、おとなしいロンちゃんたちを仲間にして、家来みたいに使っている。」
「毎日一人の『ターゲット』を決めて、その子の悪口を言ったり、水をかけたりして、みんなで一人をいじめてる。」
「授業中、大きな声で歌ったり、口笛を吹いたりして、先生の声が聞こえないようにしている。」
「先生が注意しても、全然聞かないし、先生を足で蹴ったりしている。」
「私は学校で、勉強したいのに、先生の声も小さくて聞こえないし、勉強しようとすると、Y子が邪魔をしてくる。」
「Y子は、カッターをクラスの友達に向けておどし、言うことを聞かない子には、グループで悪口を言ったり、仲間外れにしたりする。」

うさぎはびっくりして、あくる日、校長先生のところに行った。
同じようにいじめられている、りすのミーちゃんのおかあさんと一緒に。

校長先生は、うさぎの話を聞いて、担任の先生を呼び出すと、今、クラスで何が起こっているのか尋ねた。
担任の先生は、うつむいて、両手の親指の先を、異様に動かしながら、うさぎの話に間違いがないと認めた。
担任の先生は、何かに怯えるように、明らかに弱っている感じだった。
うさぎが、かつて精神科に入院していた時に出会った、真面目で繊細な心の人たちと同じ香りがした。

校長先生は、担任の先生をクラスに戻すと、うさぎとミーちゃんのおかあさんに言った。
「担任やクラスのことにまったく気付かず、監督不行き届きで申し訳ありません。実は現在、一つ上の学年で、同様のことが起きていて、そちらに気を取られていました。これから学校側で対応しますので、お子様のためにも、このことは、内密に願います。」

後で聞いた話だが、うさぎの担任は、かつて別の学校でトラブルがあり、一時先生をやめて、精神科に通院していたそうだ。今回のことで、担任は定年を待たずに、先生をやめた。
他にも、この学校で3人の先生が、先生という職業をやめたそうだ。

校長先生は、クラスの子供たちに、「反省文」を書かせた。Y子が書いた、表面上だけの「謝罪文」を受け取ったハッピーは、ますます学校に行きたがらなくなり、クラスの雰囲気は、悪化していく一方だった。
父兄会を開いても、Y子のおかあさんは、出てこないばかりか、教育委員会に「うちの子ばかりが責められて、学校側から不当な扱いを受けた。」と訴えた。

うさぎは、校長先生が
「公立の場合、明らかにその子に非があるとしても、私立と違って退学にすることはできないんです。でも、いじめられる子どもの側にも、問題があるんですよ。」
というのを聞いて、転校させることに決めた。

隣の学校の校長先生のところに、あいさつに行ったうさぎは、その校舎の汚さに驚いた。
学校への補助金が減って、月に1回しか、外部に清掃を頼めなくなったそうだ。
「うちの学校でも、いつ同じようなことが起こるかわかりません。
学校側は、家庭内のことには、口出しできませんから。」
というのを聞いて、そのまたお隣の学校へ行った。

その学校は、色とりどりの花に囲まれた、新しい校舎のきれいな学校だった。
校長先生の趣味で、校舎の周りは、常に緑や花で飾られ、百姓のような恰好をした校長先生に、生徒が親しげに声をかけていた。

この学校なら大丈夫だ。
うさぎは、ハッピーを、ここに通わせることにした。
ハッピーは、りすのミーちゃんと一緒に、お隣の丘を越えて、そのまたお隣の学校へ、毎日通った。

ハッピーの表情は、明るくなった。すぐにお友達もできて、勉強も頑張ってやっていた。
中学校で、またY子と一緒になるのは嫌なので、私立の中学校に行きたいと言い出して、塾にも通うようになった。毎日夜のお弁当を持って行って、塾で遅くまで勉強した。塾の宿題をしてから寝床に着くと、夜中の12時を過ぎることも多かった。

(成長期の小学生が、こんなに夜遅くまで勉強しないと、私立の中学には、入れないのかしら?)

私立の中学校の入学試験は、難しい問題がいっぱいで、小学校で習うことを、全部覚えていても、受からないそうなので、仕方がなかった。

塾に通うには、高い授業料を払わなければならなかった。
うさぎは、近くのドラッグストアに、働きに出た。
ライトが幼稚園から帰るまでの時間、一生懸命働いた。
でも、うさぎには、その荷が重すぎたようだ。
薬のいっぱい詰まったコンテナボックスを持ち上げようとしたとき、
うさぎの腰骨がギクっと音をたてた。

うさぎはもう、一人では1ミリも動けなかった。
うさぎのおとうさんに連れて行ってもらって、今度は接骨院へ通った。

その頃、かっちゃんのおかあさんが病気になった。
かっちゃんのおかあさんは、病気で亡くなったお父さんと暮らしていた静岡の広い家に、
たった一人で暮らしていた。

いわゆる「長男の嫁」であるうさぎは、悩んだ。
おかあさんのことも心配だけど、ハッピーの授業料もかせがなくちゃならない。
だけど、うさぎの体は、思い通りに動かない。
それに追い打ちを掛けるように、うさぎのおとうさんも、癌という病気であることがわかった。

うさぎは、もう自分では、どうしようもできなかった。
「誰か助けて~!」
SOSを発信した。