うさぎのぼうけん 3 | 自然農とクリスタルボウルとゆう琴と『けいそのちから』で宇宙と仲良し〜せつこのブログ

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ある日、うさぎが1階で掃除機をかけていた時のことだ。
うさぎの頭の中に、命令調の声が響いた。

「2階に上がれ。」
「誰?」

うさぎの頭の中に、しっかりした声で(耳から聞こえる声ではなくて)語りかける存在が感じられた。
うさぎが掃除機のスイッチを消して、2階に上がると、窓をあけて、ベランダに出た。

送電線の鉄塔の左側に、長細く光る物体が浮かんでいた。

「UFOだ!」

大きな母船から、二つの光が左右に分かれて飛び出し、送電線を通じて、こちらに何かのエネルギーを送っているのがわかった。

「テレビのスイッチをつけて。」

またしても、頭の中に、音ではない言葉が響いてくる。
うさぎは、1階に下りると、テレビのスイッチをつけた。
どこのチャンネルにあわせてみても、アナウンサーがパニック状態になっている。
うさぎには、電波ジャックされているように思えた。

この日から、3歳になっていたハッピーが、うさぎに向かって、大人のような口調で、宇宙の叡智や、地球の生命システムについての話をするようになった。

「地球の周りには、意識の進化のためのネットワークが構築され、個々の生命がアカシャの情報センターにつながっている。」

うさぎは、3歳の娘の口から、こんな話を聞こうとは、夢にも思わなかった。

うさぎにも変化があった。

ある日、ハッピーの通っている保育園で、音楽発表会があった。
みんなの演奏や歌の後に、園長先生の娘さんが、ハープを演奏した。

その時、うさぎには、園長先生が、娘さんとのことで、少なからぬ問題をかかえていることがわかった。

それ以来、『問題』と思われる事象を抱えた人たちの考え、問題点がはっきりとわかり、それを本人に伝えたくなっている自分に気が付くようになった。

うさぎは、極端に睡眠時間が少なくなり、あまり寝なくても平気になっていった。
うさぎの変わった様子に、かっちゃんが心配して、うさぎのお父さんに相談をした。
うさぎのお父さんは、うさぎの妹たちと一緒に、うさぎのうちにやってきて、うさぎの変わった様子を確認すると、うさぎを病院へ連れて行こうとした。

うさぎには、ピアノ教室の仕事や、スイミングのコーチの仕事があったので、お父さんと一緒に、病院へ行くのは嫌だったけれど、かっちゃんや、おとうさんや、妹たちが、うさぎのことを心から心配しているのがわかったので、仕方なく、病院へ入院して、検査を受けることになった。

ハッピーは、兄のあっくんのうちに預かってもらうことになった。
うさぎは、大人のような話をするハッピーのことが心配だったけれど、

「ハッピーのことは、大丈夫。」

さわやかさんの言うことを、信じるしかなかった。

病院には、目に見えないものを感じる人や、悲しいことがいっぱいあって、死にたくてたまらなくなってしまった人たちがいた。うさぎは、そんな人たちとお友達になって、少しでも元気になってもらおうと、「バラが咲いた」や「エーデルワイス」や「ふるさと」の歌を歌った。

それからMRIという名前の大きな機械の中に入って、「脳波」と呼ばれる、うさぎの頭の中の地図を見せてもらった。

地図には、よく働いている場所が、赤くなって写っている。

「働きすぎですな。」

病院の先生は、うさぎの真っ赤になっている地図を見て、

「こんな状態が続いたら、死んでしまう。」

と言って、うさぎが静かになる薬を処方した。

うさぎは、先生に、UFOのことや、ハッピーのことを、正直に話したが、これが失敗だった。うさぎは、誰にどういわれようと、本当のことを話すくせがあったのだ。

この癖のお蔭で、うさぎは今までの人生の中で、随分いじめられたり、誤解されたりしてきたが、それでも本当のことを言うのをやめなかった。自分の心にウソをつくのは、何だかとっても卑怯なことに思えたからだ。

うさぎは、本当のことが知りたい、と思っていた。

UFOのことだってそうだ。どう考えても、この広い宇宙の中で、地球だけに生命が活動しているなんてこと、ありえない。

宇宙の広さを知れば知るほど、他にもっと進んだ文明をもつ生命体が、地球という、争いの絶えない惑星を、見学にくることだって、充分考えられることだ。


さわさわさわ、さわさわさわ。

さわやかさんが、「そうだそうだ!」とばかりに、パチンと音を鳴らした。
うさぎは、部屋の隅に、さわやかさん以外の存在を感じた。

「僕も、いつも君を見守っているよ。」

ざわざわざわ、ガサガサガサ。

うさぎのピンと立てた耳に、別の声が入ってきた。

「僕は、いつも君のそばにいるよ。」

うさぎは、何だか嬉しくなって、前よりももっと大きい声で歌った。
すると病院の看護婦さんが飛んできて、うさぎに無理やり強いクスリを飲ませた。

それ以来、うさぎは眠たくて、眠たくて、何だかぼーっとして、訳が分からなくなってしまった。

「随分良くなりましたね。」

訳が分からず、ぼーっとしているのが、本当のうさぎのはずがないのに、
病院の先生は、薬が効いて、おとなしくなったうさぎの状態を、「良くなった。」と勘違いしている。
もともと、うさぎは物心ついた時から、歌っていたのだ。
子供の時は、NHKの児童合唱団に入って、毎日歌っていたのだから、歌っているのが自然な状態なのだ。
だけど、そんなことを認めようとしない先生に、どうお話ししても、わかってもらえそうもなかった。

退院するまでの約3か月の間、一緒に入院生活を送る仲間たちから、ここを退院するには、どうするのがいいのか、教えてもらった。お礼に、うさぎは、仲間たちに請われるまま、歌を歌った。ただし、今度は看護婦さんがいないところで、小さな声でね。

もとより、うさぎは「任意入院」なので、ここを出たいと思えば、自由に出られるはずだった。だけど、無理やり出てしまって、うさぎのお父さんやお母さん、かっちゃんたちが納得するはずがないことは、ぼんやりした頭でもわかる。

ハッピーのことも、気にかかっていた。
離れて暮らしていても、ハッピーが泣きながら、あっくんのおうちで頑張っているのがわかった。
早く今までのような、3匹での自由な暮らしを取り戻したかった。

うさぎは仕方なく、先生にウソをつくことにした。
UFOを見たのも、夢の話で、うさぎの勘違いだったと。
歌うことをやめ、薬をちゃんと飲むことにした。
薬を飲むと、うさぎが、昔から歌っていたことを忘れるような、ぼーっとした瞳のうさぎになっていった。

もう、さわやかさんの風を感じることも、ざわざわ、ガサガサいう音も聞こえなくなっていった。

そしてうさぎは、ぼーっとした瞳のまま、退院した。
うさぎのお父さん、お母さんのうちに戻って、ハッピーと一緒に暮らせるようになった。

うさぎのおかあさんは、毎日うさぎを散歩に連れ出してくれた。
うさぎは、お母さんと並んで、自然の中を歩きながら、自分の心と向き合っていた。
何だか情けなくなって、長いこと泣いたり、薬を飲んでぼーっとしたりを繰り返していた。

ハッピーは、近くの保育園に転園して、うさぎが普通に家事ができるようになるまで、長い時間を保育園で過ごすことになった。

うさぎは、退院したものの、もう元のうさぎではなくなっていた。
歌うことも、ピアノを弾くこともなく、ただ自分に起こった出来事の、本当の意味を見出そうとしていた。自分自身の感覚を疑い、UFOを見たことも、ハッピーの口から出た大人のような言葉についても、もしかしたら夢だったかもしれない、と思うようにもしてみた。
でも、どう努力しようと、あの出来事が、幻だったとは、とうてい思えなかった。

そうこうしているうちに、ハッピーが小学校に入学することになった。
しだれざくらの花びらが舞い散る中、ピンク色のスーツをまとったハッピーは、はにかむように隣の男の子と手をつないで、教室から入学式の会場へと向かって行った。

その姿を、かっちゃんと一緒に微笑んで見送り、うさぎは、少しずつ主婦としての生活を取り戻していった。