父と死と血と人(4/10) | セトのブログ

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歌と英語と作曲と。

新幹線を降りると

時間の流れが遅くなったような

なんか急にBGMが変わったような感じになる。

天気も良く、

ほのぼのとさえ言えそうな駅前の空気感を

ロータリーに横付けされた黒塗りの車と、

その隣に立つ黒づくめの厳つい男達が

静かに淀ませている。


「達彦さん、政彦さんですね。どうぞ」


無言で目で挨拶をして乗り込んだ兄と自分。

誰も一言も口にしない。

イナカからドイナカへ

黒服の駆る黒塗りは

車中無言のまま進んで行く。

ま、49日なんだから黒ずくめは普通なんだけど、

お前らなんでそんなに無愛想なんだよ!

もしかしてこのまま山奥とかでやられたら

どうしようかな、とかよぎらせてると

ほどなく到着の様子。

着くなり「こちらです」と事務所に通される。

事務所かよ! と内心突っ込みながら気を引き締める。

絵に描いた様な黒い革張りの大きなソファーとテーブルの

高級応接セット。

虎やら滝やら龍やら描かれた間仕切り。

ちょっと笑いそうになりながらも、

レコーダーのスイッチをさりげなく入れ

武器になりそうな物と逃走経路をさりげなく探す。

テーブルの上にはこれまた絵に描いたような、

でも最近はあまり見ない気がするガラス製の大きな灰皿。

これは使えるな、、いや、罠 、、??

などと考えて小一時間経った頃、

パンチパーマで細身の、

絶対入れ墨入ってそうな男が

肩で風を切りながら

ゆっくり事務所に入ってくる。


開口一発


「おー、」「お前らか?」


と来たもんだ。
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