先週はこれから臨床研修に入る学生さんたちが、半日の実習に来ました。



医学教育の進歩の賜物か、あるいは元々の素質なのか、皆積極的に質問をし、その着眼点も良いものでした。



特に、患者さんの視点からの質問が散見され、相手の立場からの視座に動かしてみる習慣が身についていることには感心しました。



有望な若手は育っています(育っていく)ので、ここをご覧の患者さんやご家族も安心されてください。



先週の地域向け多職種緩和ケアカンファレンスのアンケートでこのような文章がありました。



まさに、あす、余命1ヶ月の方の面談をします。どんなサポートをしようか、どんなサービスを利用するよう助言するか・・・。そんなことよりもまず先に本人に「どうしたいですか」と聴くことなんだと思いました。(看護師。職務経験15年以上)



そうなのですよね。



確かに専門家の目からは、ある程度のプランは面談するまでに立っているものです。



しかしこの方が書いてくださったように、まず「どう思われるのか」「どうしたいのか」という問いから相互理解を深め、その方の希望にとって、そして今後を見据えた時にとっての最適な解を生み出してゆくのがまさしく熟達の技なのだと思います。



心身や時間の余裕がない時はえてして質問力が揺らいでしまうものです。そんな時に、落とし穴が待っていることがあります。



どんな状況においても、まず聴くこと。そして質問を通して、事前に準備していたプランを修正してゆくこと。自分一人で鮮やかな絵を描こうとするのではないこと。


先週のカンファレンス、教育の機会を通じて改めて感じました。