緩和ケアを受けるための手引きをお伝えします。


最近、光栄なことに、他施設におかかりの患者さんやご家族から直接、症状を緩和してほしいというご連絡を頂くことが増えました。

例えば、余命が月単位と推測される場合の下部消化管閉塞(腸閉塞)には(ステロイドの長期投与の副作用少なく使用できますので)、やり方によって手術なし・イレウス管なしで、最後まで診療することができます。
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http://ameblo.jp/setakan/entry-11520478583.html

それをしてもらいたい、というご依頼などです。

ただ中には遠方の地域の方も少なからずいらっしゃって、私のもとに通うのは困難という場合があります。あるいは遠方とまではいかなくとも、通うのが相当負担になるのではないかと考えられる例も多くあります。またおかかりの病院に入院中の事例は、介入することが難しいです。


私は、基本的に、おかかりの病院で緩和ケアを受けられるのならばそれに越したことはないと考えています。

それでは、今おかかりの病院の診療を継続してもらいながら、どうやったら適切な緩和ケアを受けられるのか、ごく簡単に説明します。

順番に書きます。

①まずおかかりの病院の緩和ケアチームにかかってください。

大きな病院には必ず緩和ケアチームがあります。ぜひ介入してもらってください。まずは主治医の先生や、外来・入院の看護師さんに、あるいは病院の総合案内等で受診方法を聞いてみてください。

万が一、受診を主治医の先生に断られるようならば、

①’病院のがん相談などの相談受け付け部門に相談し、緩和ケアチームに介入してもらうように要請してください。

残念ながら、緩和ケア=終末期に依頼、と考えている医療者が少なからずいますので、これは他の経路を使わないとなかなか変えることができません。何度か記しているように、病院全体として取り組んでもらわねばならないことですし、そのためには皆さんがきちんと声を上げねばなりません。


それではおかかりの病院に緩和ケアチームがない場合はどうしたら良いか。


②ホスピス・緩和ケア協会のホームページにアクセスし、一覧から近隣のホスピス・緩和ケア病棟、在宅医を探し、「緩和ケア外来」が可能かどうか問い合わせてください。

ホームページは下記です。
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http://www.hpcj.org/list/relist.html


見つかれば、今おかかりの病院と「並行して」当該施設の緩和ケア外来「も」通ってください。


それでは近隣の良い施設がない、あるいは外来を受け入れてくれる施設がない、などの場合はどうしたら良いか。はたまた、どうしても緩和ケアチームに依頼してくれないか。

非常手段になってしまいますが、

③拙著『間違いだらけの緩和薬選び』を主治医の先生に渡してください。



そして当該処置をしてもらえるように、お願いしてください。


一生懸命お願いすれば心ある医療者は必ず動いてくれるはずです。実際に私の知る例でもご家族が拙著『死学』を主治医に勇気を出して手渡したところ、主治医の先生が配慮くださって治療内容が変わったという話があります。

腫瘍内科医であるsho先生も、そういう手段がちゃんとあることを書いてくださっています。

http://ameblo.jp/miyazakigkkb/entry-11568385298.html

①→②→③と試みて、これでもダメならば、ホスピス・緩和ケア病棟への転院も考えねばならないかもしれませんが、上記のように3手段くらいできることはあります。


お困りの患者さん、ご家族の皆さん、どうかよろしくお願いいたします。