2025年12月14日(日)に行われた皇后杯準決勝@サンガスタジアム by KYOCERA。
両チーム皇后杯の準決勝は2度目の進出で、勝てば初の決勝である。

NHK-BS(中継録画)

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まず、両チームのWEリーグ第13節までのSTATSを表にまとめます。1試合当たりの平均値で示します。



S広島Rは2025/2026リーグ戦で4勝6分け3敗、15得点14失点で6位。
STATS的には順位より良い数字が並ぶ。
開幕2戦は@浦和△I神戸○と良いスタートだったし、東京NBにも△。だが、同等以下のチームに勝ち点をこぼして、上位から離されてしまった。
一方、カップ戦は3連覇に向けて連勝スタートと、相変わらず強い。

システムは4-3-3。たまに4-4-2もやる。
夏の移籍が一段落した時点では、リーグ屈指の選手層だと思っていたが、3呉屋選手に始まって怪我人が続出、11月には折角この秋復帰した29笠原選手の再離脱も発表されている。
稼働率が上がらない選手もいるし、
特別指定した選手たちは、所属の学校で出ているので、この大会では使えないため、
やり繰りが厳しい。

この試合も4-3-3。
右SB:20島袋選手、アンカー:18渡邊選手、右FW:30李選手の配置。
7伊藤め選手25塩田選手らはベンチスタート。
28古賀選手の登録が無い。
この試合の遠征に付いて行ける選手は、全員登録したのだろうが、サブメンバーには空席があって、選手が足りない状況で有る。



C大阪は2025/2026リーグ戦で4勝2分け7敗、13得点21失点で8位。
STATSを見ると、順位なりの数字。
上位には全く勝てていないが、中位・下位チームからは確実に勝ち点を積んでいる。
こちらも、カップ戦は連勝スタート。

システムは開幕後3-4-2-1だったが、このところは4-4-2。
欧州帰りの11宝田選手をTOPで使っていたが、かつてのFWには戻りきれず、徐々にポジションを下げて、今はボランチ。
3回戦で19新井選手が復帰し、怪我人を解消。下部組織の選手たちは使えないものの、選手状況には余裕が有る。



この試合も4-4-2。
19新井選手が先発復帰し、5浅山選手との2TOP。
17中谷選手34四本選手3米田選手22白垣選手の一捻り入ったバックラインの並び。
8田中選手18宮本選手21山下選手26北原選手28田子選手らはベンチスタート。
14高和選手の登録が無い。



 

前半、ほぼ互角の攻防だったが、S広島Rが効率よく3得点し、HT。
後半、S広島Rが攻め込むが、C大阪が凌いで反撃・2点を返したが、タイムアップ。

シュート状況は下図の通り。



 

S広島Rは、追い上げられたが、前半の貯金が大きくて逃げ切り。
やはり左サイド:11中嶋選手の攻撃が強烈で、配置を弄ってまで当ててきた22白垣選手を翻弄。チャンスを多く演出していた。

ただ、11中嶋選手の消耗と共に攻撃が機能しなくなった。
押し込んでいたのは後半出だし15分間くらいだけで、全体を見ると互角の範囲でもやや劣勢。
シュートの精度で大きく上回ったので勝てたが、出来そのものは良くなかったと思う。
采配的には、完全に交代カードの切り遅れ。C大阪の反撃を長時間許してしまった。延長のある大会とは言え、3点有ったのだから躊躇すべきでは無かった。

決勝は相性の良いI神戸だが、双方怪我人だらけで、準決勝の内容も良いとは言えない。
決勝の予想をすれば、メンバーに少しでも余裕が有った方が勝ちそう。

中でもI神戸14水野選手の膝の状況が、一番大きな要素だろう。
使えないとなると、S広島Rに利がある。



C大阪は、追い上げたものの、スコア的には完敗。
だが、勿体無いシュートが多く、焦らずに打てていれば、展開は変わっていたはず(と外野が言うのは簡単)。
ゲームプラン的に言うと、22白垣選手でも11中嶋選手を止められなかったことが大誤算。1対1のガチ勝負から、縦を防いで内側に入って来たところを2人目と共同で止める一般的な方向に、早く切り替えるべきだった。
だが、それ以外は上手く行っていたと思う。前プレスが効いていたし、ボールも保持できていた。

個人で言うと、29和田選手は今期になって良くなりましたね。ドリブル突破は十分脅威になっていた。
怪我から先発復帰の19新井選手は、確実に回復しているものの、まだ万全からはほど遠い出来。もう少し回復が早ければ、この試合は勝てていたかも知れないし、優勝も十分有ったと思う。



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制。

S広島Rは、マンツーマンディフェンス中心で3人のゾーン固定配置。
1本目(14分)は9上野選手が治療中だったので、2本目(37分)を下図にしている。

C大阪は、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。



下表に、スタメンを身長順に並べる。



 

互角の範囲のマッチアップ関係。



(2)統計



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.S広島Rのコーナーキック

a)体制

キッカーは8小川選手18渡邊選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 5市瀬選手9上野選手
・正面からファーへ: 30李選手38嶋田選手15藤生選手
・GK脇: 20島袋選手
・ショートコーナー: 23柳瀬選手
・コボレ狙い: 11中嶋選手
・セーフティー: 18渡邊選手



b)結果概要

1本目 (46:37) 右CK 8小川選手5市瀬選手シュート・17中谷選手ブロック。再CK。
2本目 (46:59) 右CK 8小川選手22白垣選手ヘディングクリア
23柳瀬選手回収→8小川選手クロス→9上野選手ヘディングシュート左へ流れてGキック。。
3本目 (89:27) 左CK 18渡邊選手14松本選手フリック→30李選手シュート・ヒットせず→26北原選手クリア
23柳瀬選手回収→25塩田選手。再組み立て、DF陣は早目の帰陣。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

いつも、なでしこトレインや密集陣形をやったりするS広島Rだが、珍しくコーナーキックでの工夫の無い試合だった。

3本目 (89:27)に14松本選手がピックプレーで19宮本選手を剥がしているみたいだが、カメラ選択が悪く、詳細までは解らない。

特記できるプレーは無かった。




B.C大阪のコーナーキック

a)体制

キッカーは10脇坂選手(右利き)26北原選手(左利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 5浅山選手22白垣選手
・正面からファーへ: 3米田選手11宝田選手17中谷選手
・GK脇: 19新井選手
・ショートコーナー: 29和田選手
・コボレ狙い: 34四本選手
・セーフティー: 13百濃選手



b)結果概要

1本目 (13:57) 左CK 10脇坂選手→(5浅山選手ヘディング空振り)18渡邊選手ヘディングクリア
34四本選手回収→29和田選手10脇坂選手スルーパス→29和田選手クロス・30李選手ブロック→5浅山選手シュート・23柳瀬選手ブロック・30李選手クリア
34四本選手回収→13百濃選手。再組み立て。
2本目 (36:43) 左CK 10脇坂選手11宝田選手ヘディング落とし→19新井選手20島袋選手3米田選手17中谷選手シュート→28田子選手シュート。左へ流れてGキック。
3本目 (66:30) 右CK 10脇坂選手16中西選手トラップ大きくなって
10脇坂選手29和田選手ドリブル・クロス→38嶋田選手ヘディングクリア
34四本選手8小川選手クリア。38嶋田選手が倒れてレフリータイム。
4本目 (86:39) 右CK 10脇坂選手GK石田選手パンチング・11宝田選手38嶋田選手15藤生選手クリア。スローイン。
5本目 (91:55+) 右CK G前密集陣形 26北原選手34四本選手ヘディングシュート→13百濃選手ヘディングシュート。ゴール!!



c)全般的な印象と特記すべきプレー

5本目 (91:55+)に得点が入っているので図にする。
密集陣形からファーサイドへ出た34四本選手がヘディングシュート。13百濃選手が角度を変えて押し込んでいる。
いつものように「駒」を描くと、ごちゃごちゃになるので、GK石田選手以外は数字だけで表現している。



ファーポスト前の5人の様子を描くと以下の様になる。



26北原選手がキックする。

② 最も早く反応したのは25塩田選手
ボールがPKエリアに入ったくらいに、11宝田選手を押して通ろうとするが、動かせない。ファー側には30李選手も居て、出られない。

③ 次に反応したのが11宝田選手34四本選手でほぼ同時。
34四本選手は余り巻いてこないと読み、11宝田選手は巻いてくると読んで、ファー側に動き出す。
25塩田選手11宝田選手を追うが、30李選手と交錯して離される。

34四本選手の読み通りボールは、曲がりは少ない。
11宝田選手が方向を変えたら、そこに30李選手38嶋田選手25塩田選手が遅れて来て、結果11宝田選手1人でディフェンス3人をスクリーンアウトする形に成る。

34四本選手はフリーでヘディングシュート。13百濃選手が角度を変えてゴール。


なお、11中嶋選手23柳瀬選手はファーポスト前へ寄ったが、マークの13百濃選手28田子選手はゴール正面のままで、2人ともフリー。結果13百濃選手が押し込んでいる。
広島へ帰った後ビデオを見て、2人とも反省していると思う。



以上です。



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2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29






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