5月18日(土)に行われたWEリーグ第21節@ノエビアスタジアム神戸。

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前節I神戸が負けて、浦和の優勝が決まった。

I神戸が失速しなければ、この試合は大一番・・・・のハズだった。
WEリーグはW杯審判:山下良美さんを主審に据えて、

DAZNは澤さんと海堀さんのダブル解説と、豪華な体制を組んで向かえた一戦。


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この対戦は第8節:3月3日に行われていて、浦和1-1I神戸、
皇后杯は決勝:1月27日で、浦和1(5PK6)1I神戸だった。



I神戸は14勝4分け2敗で2位、37得点:3位(10失点:1位)。
STATS的には、シュート数254本:3位(被120本:2位)、コーナーキック数94本:4位(被67本:3位)で、順位なりの数字が並んでいる。
リーグ戦後半になって無敗が崩れ、前節千葉Lに不覚を取って優勝を逃してしまった。

システムは4-3-3。
純然たる4バックと言うよりも、浦和の強力な右サイドに備えて、いつもの3-5-2を左側に予め寄せたようなイメージだと思う。
24愛川選手が右サイド、7山本選手をインサイドHで使って来た。
11髙瀬選手16天野選手らはベンチスタート。20桑原選手が登録外。

第17節に途中交代した29辻澤選手の長期離脱が発表されている。



浦和は17勝2分け1敗で首位、50得点:1位(14失点:2位)。
STATSを見ても、シュート数266本:2位(被116本:1位)、コーナーキック数124本:1位(被60本:2位)と堂々たるモノ。
5月11日にAFC Women’s Club Championship 2023 – Invitational Tournament決勝で、仁川現代製鉄レッドエンジェルスを撃破し優勝。5月12日WEリーグ優勝と、連日で2冠を決めている。

システムは、4-2-3-1。
14角田選手をTOP下に、右腓骨筋腱脱臼から復活した7高橋は選手は第12節以来の先発復帰でCBに入っている。
13長嶋選手らはベンチスタート。
19塩越選手の登録が無く、9菅澤選手はこれで連続4試合ベンチ外が続いている。




 

前半、膠着気味に始まったが、浦和が先制し、その後も優勢に進める。
後半、I神戸が押していたが、浦和が少ないチャンスを決めてダメ押し、勝利している。

ボール支配率: I神戸 50%-50% 浦和 (Footystats.org)

シュート状況は下図の通り。



 

I神戸は、後半盛り返したが、ゴールが遠く、惜しかったのは73分くらいのもの。
勝てる要素はほとんど無かった。
シーズンを振り返ってみると、昨夏実績のある中盤の選手が抜けて、カップ戦やシーズン当初は中央で不安な戦いぶりだったが、かなり「様になった」と思う。
でも、浦和と比較すれば見劣りするし、チーム内での信頼関係もどうだったか?
この試合、バックラインからのロングボールが多かったり、9田中選手が頻繁に中盤に顔を出していたのは、任せてもらっていないからなのだろう。
来シーズンは、チームオーナーも変わる。この夏、中盤を補強するか、それはどんな選手なのかによって、新オーナーの気合いの入れ方が判るのだと思う。



浦和は、点数的には完勝で、公式戦14連勝。
14角田選手は初めてのTOP下起用に応える先制弾で、WEリーグ初得点の活躍だった。
だが、I神戸に詰め寄られた印象。
皇后杯では、ほぼ90分間押し込んでいたし、第8節では前後半通して優勢だった。でもこの試合、STATS的には互角以下。前プレスの効率が今一つで、後半スペースが出来て、そこを11髙瀬選手に使われ出して形勢を損なっていた。
シーズンを振り返ると、8猶本選手10安藤選手の離脱、7高橋は選手9菅澤選手の低稼働率と戦力的には揃わなかったが、それでも強さを保っての優勝。ちょっと抜けている存在と言えますね。メンバーが大きく変わらなければ、来期3連覇しそうに思います。



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制。

I神戸は、マンツーマンディフェンス中心で3人のゾーン固定配置。

浦和は、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。



下表に、スタメンを身長順に並べる。



 

メインターゲットなどは互角だが、5番目以降でI神戸が有利なマッチアップ関係。


(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.I神戸のコーナーキック

a)体制

キッカーは16天野選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 9田中選手2守屋選手
・正面からファーへ: 4竹重選手・13北川選手11髙瀬選手5三宅選手
・GK脇: 24愛川選手
・ショートコーナー: -
・コボレ狙い: 6松原選手
・セーフティー: 3土光選手


b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (68:55 ポインタ1:40:59) 左CK 16天野選手GK池田選手パンチング→5伊藤選手クリア。スローイン。
2本目 (83:26 ポインタ1:55:30) 左CK 16天野選手7高橋は選手ヘディング・9田中選手。Gキック。
3本目 (92:39+ ポインタ2:4:43) 右CK 16天野選手9田中選手ヘディングシュート→7高橋は選手クリア。再CK。
4本目 (93:3+ ポインタ2:5:7) 右CK 16天野選手7高橋は選手ヘディングクリア。スローイン。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

69分以降のプレーだったので、仕込みがあったとしても、メンバーが変わって、難しかっただろ。


ただ、1本目 (68:55 ポインタ1:40:59)で、5三宅選手がマーク漏れしていたが、ボールを呼ばなかった。以前はしっかり呼んでいたのですけれどね。
 

浦和としては、珍しい基本的なミス。メンバーチェンジもあったし、I神戸が6人走り込みの体制を取ったので、人数が足りなくなったのでしょう。
2本目以降は18柴田選手が入っていますが、厳しいマッチアップでした。



B.浦和のコーナーキック

a)体制

キッカーは16水谷選手14角田選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 15島田選手11清家選手
・正面からファーへ: 7高橋は選手3石川選手
・GK脇: 5伊藤選手
・ショートコーナー: 14角田選手
・コボレ狙い: 18柴田選手6栗島選手
・セーフティー: 17遠藤選手


b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (22:8 ポインタ35:56) 右CK 16水谷選手9田中選手ヘディングクリア→6松原選手ヘディング
17遠藤選手フィード→GK山下選手キャッチ。
2本目 (35:56 ポインタ 49:44) 右CK 16水谷選手7高橋は選手ヘディングシュート。右へ外れてGキック。
3本目 (41:32 ポインタ55:20) 左CK 16水谷選手15島田選手ヘディングシュート・9田中選手ヘディングブロック・4竹重選手ヘディング→2守屋選手クリア
6栗島選手回収→16水谷選手クロス・2守屋選手ブロック→5三宅選手ヘディングクリア→9田中選手4竹重選手GK山下選手。組み立て。
4本目 (65:17 ポインタ1:37:21) 右CK 14角田選手4竹重選手ヘディングクリア
18柴田選手回収→11髙瀬選手カット→16天野選手5伊藤選手9田中選手5伊藤選手14角田選手15島田選手13長嶋選手14角田選手浮き球→GK山下選手キャッチ。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

2本目 (35:56 ポインタ 49:44)で、7高橋は選手がヘディングシュートを打っているのだが、見て思ったことが有る。



① ニアへ走った15島田選手11清家選手が立ち止まり、ボール落下点で場所を取る。
② 遅れて7高橋は選手もニアへ走り込む。
7高橋は選手マークの3土光選手は、11清家選手とマークの13北川選手・ゾーン固定の4竹重選手に進路を塞がれて7高橋は選手はフリー。
④ ボールは11清家選手の少し外側に着弾。7高橋は選手11清家選手が少し被りそうになったが、7高橋は選手がヘディングシュート。ボールは右へ外れる。

バスケの対ゾーンディフェンスでよく見るのだが、スクリーンを使った3ポイントシュートやミドルシュート。シューターの前に壁役を置いて、フリーでシュートを狙うと言うプレー。
それに近いことが偶発的ではあるが起きている。

サッカーでアウトスイングで蹴る場合、意図的にやることも、可能なのでは?
先に走った選手が場所を取って、その外側で溜めて走ってきた選手がシュート。今回は11清家選手がシュート打つ気満々だったので、少し7高橋は選手に競り掛けてしまったが、
予め約束があったり、ヘディングシュートを自分で打つ意識の低目な選手なら、
うまく行っていたかも知れないと思った。



以上です。



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ブログ内関連記事

 

目次 1.概要(アメブロ版)

 

2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29




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関連記事など、外部リンク

DAZN(有料)
I神戸 vs 浦和 : 第21節 (解説:澤穂希、海堀あゆみ) WEリーグ | 5/18 土曜日
https://www.dazn.com/ja-JP/fixture/ContentId:5p2yqpvlcrv44jx43lnpioxlg/5p2yqpvlcrv44jx43lnpioxlg/1fidn061synfl1pixvtucvushc

WEリーグ_Youtube
【公式】ハイライト:INAC神戸レオネッサ vs 三菱重工浦和レッズレディース【2023-24 WEリーグ 第21節 2024.5.18】
https://www.youtube.com/watch?v=_KEsYotxAnc

Footystats.org
2024年5月18日 - 17時00分 (Asia/Tokyo)INAC神戸レオネッサ対浦和レッドダイヤモンズ・レディース
https://footystats.org/jp/japan/urawa-red-diamonds-ladies-vs-international-athletic-club-kobe-leonessa-h2h-stats#7342254

I神戸_HP
2023-24 WEリーグ 第21節 三菱重工浦和レッズレディース戦の試合結果と監督・選手コメント
https://inac-kobe.com/match/result/423

浦和_HP
2023-24 WEリーグ 第21節 vs INAC神戸レオネッサ 試合後監督コメント
https://www.urawa-reds.co.jp/redsladies/ladies_news/2023-24-we%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b0-%e7%ac%ac21%e7%af%80-vs-inac%e7%a5%9e%e6%88%b8%e3%83%ac%e3%82%aa%e3%83%8d%e3%83%83%e3%82%b5-%e8%a9%a6%e5%90%88%e5%be%8c%e7%9b%a3%e7%9d%a3%e3%82%b3%e3%83%a1/

2023-24 WEリーグ 第21節 vs INAC神戸レオネッサ 試合後選手コメント
https://www.urawa-reds.co.jp/redsladies/ladies_news/2023-24-we%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b0-%e7%ac%ac21%e7%af%80-vs-inac%e7%a5%9e%e6%88%b8%e3%83%ac%e3%82%aa%e3%83%8d%e3%83%83%e3%82%b5-%e8%a9%a6%e5%90%88%e5%be%8c%e9%81%b8%e6%89%8b%e3%82%b3%e3%83%a1/