5月11日(土)に行われたWEリーグ第20節@熊谷スポーツ文化公園陸上競技場。

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この対戦は第5節:12月10日に行われていて、東京NB 0-0 EL埼玉、
皇后杯準々決勝:1月14で、東京NB 0EX1 EL埼玉だった。



EL埼玉は7勝2分け10敗で6位、18得点:6位(24失点:7位)。
STATS的には、シュート数140本:9位(被176本:7位)、コーナーキック数64本:10位(被86本:7位)で、順位より若干厳しい値。
攻撃陣の構成に苦労していて、冬期中断明けから6瀬野選手、更に第13節から8園田選手が離脱、代わりの29祐村選手も第17節から怪我離脱。形が定まらない。
それでも2年連続最下位のチームとしてはよく戦っていて、中位に居る。

システムはいつもの3-4-2-1。
2シャドーに14植村選手34桂選手を配置している。
ベンチスタートで、8園田選手が久々に登録されている。



東京NBは11勝6分け2敗で3位、40得点:2位(13失点:2位)。
STATSを見ると、シュート数289本:1位(被141本:3位)、コーナーキック数110本:2位(被41本:1位)と、優勝争いが出来そうな数字だが、やっと3位に上がれたばかり。
冬期に補強した9神谷選手32鈴木選手が機能していて、クロスからのヘディングでも得点出来るようになってはいるが、かつて常勝を誇っていたチームとしては、星が思うようには並ばない。

システムは、3-4-1-2。
2TOPは15土方選手32鈴木選手の組み合わせ。
6宮川選手は第17節に怪我から復帰し、2試合連続先発で、左WB。
7北村選手31野田選手らはベンチスタート。




 

前半、東京NBがボールを保持・先制点を取るが、その後はやや膠着気味に進行し、0-1。
後半、EL埼玉が押し込んで同点に追い付く。だが、東京NBが速攻から決勝点を上げて勝利。

ボール支配率: EL埼玉 30%-70% 東京NB (Footystats.org)

シュート状況は下図の通り。



 

EL埼玉は惜しかったですね。
得点状況を別にすれば、守備・攻撃共に、ほぼ計画していたように進めていたと思います。
堅く守ってはじき返し、速攻で逆襲する形で、チャンスの質と量で上回っていた。
特に後半開始から65分くらいまでは、東京NBを完全に押し込んでいました。

その中で34桂選手は大活躍だったと思います。
シュートを沢山打ったこともですが、
いつもなら10吉田莉選手が孤立しがちだが、34桂選手がサポートすることで、攻撃に厚みを出していた。



東京NBは、辛勝。負けと言っても良いくらいの内容でした。
解説の原さんが再三指摘されていたとおりで、裏を狙う動きもパスも無く、足下で繋いで行くだけの単調な攻撃を繰り返し、EL埼玉の守備にはね返されていた。

この試合に勝てたのは11藤野選手の個人の能力と言うべきで、
先制点のミドルシュートは無回転気味によく落ちていたし、
決勝点をアシストしたクロスも見事でした。



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制。

EL埼玉は、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。

東京NBも、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。



下表に、スタメンを身長順に並べる。

 

 

互角の範囲のマッチアップ関係。


(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.EL埼玉のコーナーキック

a)体制

キッカーは5瀬戸口選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 2木下選手24大沼選手
・正面からファーへ: 10吉田莉選手19金平選手34桂選手
・GK脇: 13佐久間選手
・ショートコーナー: -
・コボレ狙い: 26栃谷選手
・セーフティー: 14植村選手20岸選手

b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (31:14 ポインタ39:47) 左CK 5瀬戸口選手32鈴木選手ヘディング→34桂選手シュート→8菅野選手クリア
14植村選手ヘディング→19金平選手ヘディング。レフリータイム。
2本目 (54:21 ポインタ1:20:17) 左CK 5瀬戸口選手32鈴木選手ヘディングクリア
10吉田莉選手シュート→32鈴木選手ヘディング。オウンゴール!!
3本目 (59:41 ポインタ1:25:37) 左CK 5瀬戸口選手3村松選手ヘディングクリア。再CK。



4本目 (60:6 ポインタ1:26:2) 左CK 5瀬戸口選手25池上選手ヘディングクリア。再CK。
5本目 (60:37 ポインタ1:26:33) 左CK 密集陣形 5瀬戸口選手25池上選手ヘディングクリア
24大沼選手回収・6宮川選手24大沼選手クロス・6宮川選手ブロック。スローイン。
6本目 (64:13 ポインタ1:30:9) 左CK 密集陣形 5瀬戸口選手24大沼選手コボレル。Gキック。
7本目 (81:30 ポインタ1:47:26) 左CK 5瀬戸口選手GK田中選手キャッチ・スロー→11藤野選手逆襲・ドリブル(34桂選手カワシ)・クロス→7北村選手シュート。ゴール!!



c)全般的な印象と特記すべきプレー

4本目 (60:6 ポインタ1:26:2)に、偶発っぽいピックプレ-で、ニアに走った3松久保選手22坂部選手のマークが剥がれて、フリーになっていた。
縦にゴールへと詰める2木下選手22坂部選手が交錯している。
他は、いつものEL埼玉の攻撃で、特に記載すべき企画などはなかった。


問題は、7本目 (81:30 ポインタ1:47:26)、逆速攻を食らって、決勝点を献上したこと。
GK田中選手にあっさりキャッチされた。
キッカー5瀬戸口選手も悪い。ニアに人を掛けていたのに、ゴール正面まで伸びている。
19金平選手が落下点へ行ったが、6宮川選手にスクリーンアウトされている(仕方ない)。

GK田中選手のスローイングを許した。
19金平選手が競れなかったし、入れ違いになって、結果GK田中選手の前を空けてしまった。
スクリーンアウトされた時点で止まっていれば、GK田中選手にスムースなスローイングはされなかったと思う。

11藤野選手のロングドリブルを許しPKエリア内まで侵入された。

ここから、High-Light に動画が有ります。
https://www.youtube.com/watch?v=JhAJR57GBlA&t=115s

スローイングを受けた11藤野選手に、34桂選手が抜かれたのは論外。
またその時点で、既に数的に怪しくなっていたので、ファールをしてでも(カードをもらっても)、止めるべき状況だったと思う。
セーフティーの20岸選手が判断・指示すべきだったのではないか?
24大沼選手にはそのチャンスが有ったし、20岸選手自身も、PKエリア内に侵入されるまでに、勝負を掛けるべきだった。



B.東京NBのコーナーキック

a)体制

キッカーは10木下選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 32鈴木選手3村松選手
・正面からファーへ: 22坂部選手25池上選手
・GK脇: 19山本選手15土方選手
・ショートコーナー: -
・コボレ狙い: 8菅野選手11藤野選手
・セーフティー: 6宮川選手


b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (3:40 ポインタ12:13) 右CK 10木下選手GK浅野選手パンチング→14植村選手クリア→34桂選手8菅野選手6宮川選手。再組み立て。
2本目 (47:9 ポインタ1:13:5) 右CK 10木下選手10吉田莉選手ヘディング→3松久保選手20岸選手クリア
10木下選手クロス→19金平選手ヘディング→5瀬戸口選手クリア。スローイン。
3本目 (67:9 ポインタ1:33:5) 右CK 10木下選手3村松選手ヘディングシュート。浮いてGキック。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

2本目 (47:9 ポインタ1:13:5)が、なかなか面白い。
プレー自体はニアへ上がったボールを、10吉田莉選手がヘディング・20岸選手がクリアしている。



なでしこトレインから、始まっている。
① 先頭の22坂部選手が少しニアへ走って止まる。マークの3松久保選手も一緒に止まる。
② 2両目の32鈴木選手がニアへ走って、22坂部選手を追い越す。マークの20岸選手3松久保選手に走路を塞がれて、32鈴木選手はフリー。
③ ボールは、32鈴木選手を越えて10吉田莉選手がヘディング。溢れたボールが3松久保選手に当たって20岸選手がクリア。

なでしこトレインは、私はあまり評価していない。
縦に並んでから走り出すことで、マークが混乱するのは、日本人が皆一緒に見える海外の選手だけ。
また、密着すると真横にしか走り出せないので、自ら制限を課すことになっているからである。
でも、このプレーのように、止まったり、予め列の斜め前に壁役を配置することによって、ピックプレ-が発生すれば、結構面白い戦術だと私は評価している。

なお、このプレーでは3松久保選手が遅ればせながら、マークしている22坂部選手を捨てて、32鈴木選手を追っている。捨てられた22坂部選手はほとんど止まったままだったが、当然フリー。ピックプレ-の副産物である。
ただ、22坂部選手はファー側へ開いた方が、3松久保選手20岸選手のマークし直しから逃れられるので、よりよかったとは思う。



以上です。



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ブログ内関連記事

 

目次 1.概要(アメブロ版)

 

2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29








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関連記事など、外部リンク

DAZN(有料)
EL埼玉 vs 東京NB : 第20節 WEリーグ | 5/11 土曜日
https://www.dazn.com/ja-JP/fixture/ContentId:5m3jweuqktpf40fhyq8wqp6ac/5m3jweuqktpf40fhyq8wqp6ac/rwcbdws659ls12isi9u1cbyji

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【公式】ハイライト:ちふれASエルフェン埼玉 vs 日テレ・東京ベレーザ【2023-24 WEリーグ 第20節 2024.511】
https://www.youtube.com/watch?v=JhAJR57GBlA

Footystats.org
2024年5月11日 - 14時00分 (Asia/Tokyo)ASエルフェン埼玉対日テレ・ベレーザ
https://footystats.org/jp/japan/ntv-beleza-vs-chifure-as-elfen-saitama-fc-h2h-stats#7342249

EL埼玉_HP
【綾花 サンクスマッチ / 2023-24 WE LEAGUE 第20節】05/11(土)vs 日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦 試合結果
https://www.as-elfen.co.jp/information/2023/

東京NB_HP
2023-24 WEリーグ 第20節 - ちふれASエルフェン埼玉 vs 日テレ・東京ヴェルディベレーザ
https://www.verdy.co.jp/beleza/match/info/12024051111/report