4月18日(木):Midweek、全試合照明が必定な時間帯に行われたWEリーグ第15節@エディオンピースウイング広島。

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S広島Rは4勝4分け6敗で7位、17得点:4位(19失点:8位)。
STATS的には、シュート数128本:4位(被138本:7位)、コーナーキック数54本:8位(被69本:9位)とほぼ順位なりの内容。
冬期中断前は選手のやり繰りに苦難していたが、8小川選手20島袋選手が戦線復帰、新卒の28古賀選手などが戦力になって、余裕がでてきた。しかし、GK木稲選手33瀧澤選手が離脱、2近賀選手も怪我の発表は無いが、年始から出場が無い。なかなか波に乗れない。

システムは4-3-3。
TOP:28古賀選手、左SB:15藤生選手は6試合連続先発。
ベンチには、新卒の16早間選手29笠原選手30李選手が座っていて、14松本選手は登録外。


I神戸は10勝4分け0敗で2位、24得点:2位(5失点:1位)。
STATSを見ると、シュート数177本:3位(被80本:1位)、コーナーキック数66本:4位(被45本:2位)とこちらも順位なり。

システムは3-5-2。
15井手選手が左CBに入っているが、その他はいつものメンバーの範囲。

4竹重選手はベンチ外。



 

前半、I神戸がボールを保持するもシュートに至らず、S広島Rが早く攻めてコーナーキック2本で2点先制。
後半、I神戸が押し込むも、S広島Rもカウンターで反撃、ほぼ互角に戦って、そのまま寄り切っている。

ボール支配率: S広島R 50%-50% I神戸 (Footystats.org)

シュート状況は下図の通り。



 

S広島Rは、エディオンピースウイング広島で初勝利。2,834人の観客も大喜びでした。
押し込まれながらも、よく守って、最後までバックラインを破られずに、押し切りました。
得点はSETプレーの2点ですが、攻撃でもチャンスの質と量でI神戸を上回って、強い内容だったと思います。

ただ、I神戸とは、リーグ戦3年で2勝2分け2敗と五分。星ダケじゃ無くて、内容も良い。
相性が良いだけなのかも?
他のチームにもこのくらい出来るはずだと、私はいつも思うんですけれど・・・。



一方のI神戸は、見せ場無く惨敗。
これで未消化が1試合多いが、浦和との勝ち点差は7、自力優勝が無くなった。
ボールは保持できるのだが、S広島Rの最終ラインを崩せない。
いつもなら、もっと幅を広く使って攻めるのだが、中盤の選手たちの出来も良くなくて、マークを剥がせないし、展開できない。

その中で、U-20:ウズベキスタン遠征でデビューが遅れていた29辻澤選手は、何度も突破を試みて、見所有りました。I神戸には居なかったタイプだし、この試合くらいやれれば、安定して使ってもらえると思う。

ただ、代表選手たちは、米国遠征帰りで1週間しか経っていないのに、リーグ戦2試合目。
FPの3人は体の切れがもう一つのように見えた。
優勝が日程によって左右されることは、リーグ運営としてどうか?



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制。

S広島Rは、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。

I神戸は、マンツーマンディフェンス中心で3人のゾーン固定配置。



 

下表に、スタメンを身長順に並べる。



 

互角の範囲のマッチアップ関係。


(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.S広島Rのコーナーキック

a)体制

キッカーは8小川選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 5市瀬選手9上野選手
・正面からファーへ: 28古賀選手15藤生選手6左山選手
・GK脇: 23柳瀬選手
・ショートコーナー: 26立花選手
・コボレ狙い: 20島袋選手
・セーフティー: 11中嶋選手

b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (11:29 ポインタ19:35) 右CK 8小川選手9上野選手ヘディングシュート→15藤生選手シュート。ゴール!!
2本目 (33:29 ポインタ41:35) 左CK 密集陣形 8小川選手9田中選手ヘディングクリア
26立花選手クロス→15藤生選手ヘディングシュート。ゴール!!
3本目 (75:22 ポインタ1:40:38) 左CK ショートコーナー 8小川選手26立花選手クロス→5市瀬選手ヘディング。23柳瀬選手オフサイド。
4本目 (89:31 ポインタ1:54:47) 左CK 8小川選手GK山下選手パンチング
16早間選手回収・7山本選手10成宮選手29笠原選手30李選手13高橋選手シュート→左ポスト。外へ跳ねてGキック。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

ア)1本目 (11:29 ポインタ19:35) 

9上野選手のヘディング(シュート?)が流れたところを、15藤生選手が押し込んで得点となっている。



動画:キック5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=_FUWyhJatCw&t=8s

結論から言うと、
I神戸からすれば、3土光選手が目測を誤ったことと、6松原選手の脚が一瞬止まったことによる失点。
S広島Rとしては、100%予定どおりじゃなかったことが幸いした得点。

5市瀬選手が9上野選手の背後からニアへスタート。
13北川選手が予めニア側に居たため、5市瀬選手はフリーになれない。

23柳瀬選手9田中選手の外側に移動し、ニアポスト前のシュートスペースを確保する。

9上野選手もニアへ走る。マークの3土光選手は、28古賀選手が前に詰めてきたので、少し絡んで遅れる。

9上野選手8小川選手のコーナーキックに合わせるためスピードを緩める(予定通りではない)。3土光選手が追い付いて、更に9上野選手のニア側に入ってジャンプするが、ボールは上を越える。

9上野選手がヘディング(シュート?)。ファーポスト前にボールが流れる。

6松原選手が一瞬ボールを見て立ち止まったのに対し、15藤生選手は素早くボールに反応・ゴール右へとシュートが決まる。

3土光選手は、「間に合った。更に前でクリア」と思って(欲張って)飛んだのでしょうが、目測を誤りましたね。これは一瞬の判断ミスなので、仕方の無い面も有る。
だが、6松原選手の対応はいただけない。
ボールウォッチャーになったこともだが、
ゴール間近のファーポスト前だったから、15藤生選手の前(ニア側)にポジションを取るべきなのに、それを怠り縦位置関係だったのは、意識の問題で、監督・コーチは怒っていると思う。



イ)2本目 (33:29 ポインタ41:35)

2次攻撃で15藤生選手のヘディングシュートが決まっている。

 

動画:キック5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=_FUWyhJatCw&t=40s


直接の理由は、6松原選手がマークを外したこと。
ここでも、ボールウォッチャーになっている。また、最もファーサイドに居るのにラインを揃えようともしていない。
この程度の選手だったっけ?この試合では、集中力に欠けていた。

また、ついでに言うと、1次攻撃で3土光選手5市瀬選手にブロックされて、ニアへ出た9上野選手に振り切られている。
ボールが9上野選手を越えたので、特に実害は出なかったが、こちらも、簡単にピックに引っ掛かかり過ぎ。

2人とも、いつも通りの守備では無かった。



ウ)4本目 (89:31 ポインタ1:54:47)

ここでは13北川選手13高橋選手にピックされて、5市瀬選手がフリーになっている。
毎回同じパターンなので、SETするポジションを工夫すべきだった。
この日のI神戸のディフェンスは、いつもと違って非常に良く無い。



B.I神戸のコーナーキック

a)体制

キッカーは7山本選手(右利き)13北川選手(左利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 5三宅選手9田中選手
・正面からファーへ: 13北川選手20桑原選手3土光選手
・GK脇: 11髙瀬選手
・ショートコーナー: 10成宮選手
・コボレ狙い: 29辻澤選手
・セーフティー: 2守屋選手


b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (45:44 ポインタ1:11:0) 左CK 7山本選手3土光選手11髙瀬選手・混戦・28古賀選手15藤生選手クリア。スローイン。
2本目 (51:21 ポインタ1:16:37) 左CK 7山本選手20桑原選手ヘディングシュート。Gキック。
3本目 (54:18 ポインタ1:19:34) 右CK 13北川選手9上野選手クリア
10成宮選手回収→7山本選手10成宮選手11中嶋選手ヘディング→20桑原選手10成宮選手13北川選手ドリブル・9上野選手カット。再CK。
4本目 (55:9 ポインタ1:20:25) 右CK 13北川選手→(20桑原選手越えて)
3土光選手回収ドリブル(28古賀選手カワシ)・15藤生選手クリア
29辻澤選手回収→2守屋選手26立花選手ブロック→10成宮選手29辻澤選手ドリブル・15藤生選手29辻澤選手ドリブル・クロス。Gラインを割ってGキック。

 


5本目 62:59(1:28:15) 左CK 7山本選手GK藤田選手パンチング
29辻澤選手回収→10成宮選手クロス→(5三宅選手)。Gキック。
6本目 (64:8 ポインタ1:29:24) 左CK ショートコーナー 7山本選手10成宮選手7山本選手クロス→28古賀選手ヘディングクリア→26立花選手ヘディング
2守屋選手フィード→GK藤田選手パンチング→5市瀬選手クリア。スローイン。
7本目 (70:42 ポインタ1:35:58) 左CK 7山本選手9上野選手ヘディングクリア
9田中選手回収→29辻澤選手2守屋選手フィード→13北川選手ヘディングシュート。左へ流れてGキック。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

ア)4本目 (55:9 ポインタ1:20:25)

ボールがファーサイドへと流れていったプレーで、偶発的なピックプレ-が生じている。



時々発生するパターンのピックプレ-が9田中選手5三宅選手の2人で起きている。

9田中選手がニアへ走る。
5三宅選手もニアへ走るが、9田中選手と並んで走ったため、5市瀬選手が走りたいところを奪った形になる。
5三宅選手は、このままだと9田中選手と被るので、速度を緩める。5市瀬選手も減速せざるを得なくなって、9田中選手は大フリー。



イ)7本目 (70:42 ポインタ1:35:58)

S広島Rにメンバーチェンジによるマーク漏れが生じている。
18渡邊選手が誰に付くのか分からなかったのか、13北川選手にマークが付かないまま始まってしまっている。
20島袋選手7山本選手13北川選手(左右のキッカー)に付いていたが、交代した18渡邊選手は、引き継ぎが十分出来ていなかったのだろう。
密集した選手の中で誰が余っているのか?探しているようだった。
探すのなら、密集のゴール側で探さないと。



以上です。



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ブログ内関連記事

目次 1.概要(アメブロ版)

 

2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29




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関連記事など、外部リンク

DAZN(有料)
S広島R vs I神戸 : 第15節 WEリーグ | 4/18 木曜日
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WEリーグ_Youtube
【公式】ハイライト:サンフレッチェ広島レジーナ vs INAC神戸レオネッサ【2023-24 WEリーグ 第15節 2024.4.18】
https://www.youtube.com/watch?v=_FUWyhJatCw

Footystats.org
2024年4月18日 - 19時00分 (Asia/Tokyo)サンフレッチェ・広島対INAC神戸レオネッサ
https://footystats.org/jp/japan/international-athletic-club-kobe-leonessa-vs-fc-sanfrecce-hiroshima-regina-h2h-stats#7342223

S広島R_HP
4.18 木 19:00 WEリーグ 第15節 vs. INAC神戸レオネッサ HOME エディオンピースウイング広島 サンフレッチェ広島レジーナ 2 対 0 INAC神戸レオネッサ
https://www.sanfrecce.co.jp/regina/matches/20240418/report

I神戸_HP
2023-24 WEリーグ 第15節 S広島R戦の試合結果とコメント
https://inac-kobe.com/match/result/417

産経新聞 2024/4/19 北川 信行
明暗分かれたWEリーグの平日開催 過密日程回避は喫緊の課題
https://www.sankei.com/article/20240419-3DWUP2GHAJL5FJJBDI272NFEGU/