3月10日(日)に行われたWEリーグ第9節@デンカビッグスワンスタジアム

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3位と4位の対決。

新潟Lは5勝1分け2敗で、3位。10得点/5失点。
STATS的にもシュート数71本:6位(被70本:5位)、コーナーキック数35本:4位(被30本:2位)とまずまずの値で来ている。

システムは、4-2-3-1。
皇后杯で9児野選手が復帰、冬期明けの前節から5川村選手が先発、怪我明けの20山谷選手もこの試合で先発に復帰。11道上選手がまだ帰って来ないが、主力の稼働率が上がってきている。
19川澄選手はベンチスタート。

32白沢選手はU-20でウズベキスタン遠征。



東京NBは4勝3分け1敗で、4位。17得点/7失点。
STATS的には、シュート数107本:2位(被69本:4位)、コーナーキック数45本:2位(被21本:1位)と良いのだが、勝ち点の取りこぼしが多く4位に甘んじている。

システムは3-3-2-2。
TOPに9神谷選手32鈴木選手に配置する形で、6宮川選手11藤野選手が先発復帰。
19山本選手24柏村選手はベンチスタート。
15土方選手27樋渡選手29松永選手はU-20でウズベキスタン。

 



 

前半、互角の攻防で始まった後、徐々に東京NBが押しこんだもののスコアレス。
後半は東京NBがほぼ一方的に攻め込んだが、新潟Lが少ないチャンスを決めて勝利している。

ボール支配率: 新潟L 32%-68% 東京NB (Footystats.org)

シュート状況は下図の通り。



 

新潟Lは、首位と勝ち点差2の3位をキープ。
決勝点の8石淵選手のクロスと19川澄選手のダイビングヘッドは見事だった。

前半の半ばまでは互角に戦えて居たが、やはり5川村選手が真ん中に居ると安定する。
32鈴木選手がN相模原のボランチ相手に強い所を見せていたが、この試合は5川村選手がマッチアップで完封。
だが、疲労と共にチームは形勢を損ねたようだった。約2年離脱していたので、まだ万全とは言え無いのだろう。
それをサポートし、さらに最後まで走り続けた18石田選手がこの試合の影のPlayer of the match だと思う。



一方の東京NBは、これで首位までの勝ち点差が6に拡がった。
前半の半ばから押しまくっていたが、惜しかったのは、33分と48分の2本だけかな?攻めている割にチャンスが拡がらない。
新システムの3-3-2-2だが、この試合も右サイドが混乱気味。
おそらく11藤野選手がクロスを上げて、中央に2枚置いたターゲットが決めるのが算段だろうが、全くその形にならない。また、相手バックラインの裏を狙うプレーが非常に少なく、手こずっていた。
後半は、11藤野選手がTOPに入ってバランスは改善されたが、今度は中央からの攻め一辺倒になった印象。
そして、失点シーンでは、守備側が人数的に余っているのに、ヘディングシュートを許していて、相変わらずあっさりやられている。
東京NBサポーターの方はDAZN実況の選手呼び間違いも有って、フラストレーションが溜まる試合だったと思う。



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制。

新潟Lは、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。

東京NBも、マンツーマンディフェンス中心で2人のゾーン固定配置。



 

下表に、スタメンを身長順に並べる。



 

25池上選手が抜けていて、やや東京NBが優位なマッチアップ関係。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー

A.新潟Lのコーナーキック

a)体制


キッカーは13杉田選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようだった。

・ニアへ: 5川村選手
・正面からファーへ: 4三浦選手7園田選手
・ニアポスト前: 20山谷選手
・GK脇: 8石淵選手
・ショートコーナー: 10上尾野辺選手
・コボレ狙い: 17滝川選手
・セーフティー: 31白井選手18石田選手


b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (14:56 ポインタ29:41) 右CK 13杉田選手→(20山谷選手)。直接Gラインを割ってGキック。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

1本だけだったが、狙いが明白。
5川村選手がゴール正面でフリーになったが、ボールは直接ゴールラインを割ってしまったプレー。



新潟Lは11道上選手が居ないので、わかりやすく5川村選手がメインターゲット。
なでしこリーグ時代も、5川村選手をフリーにする企画を見せていた。
今回は、7園田選手が壁役になって、5川村選手マークの25池上選手をブロックしている。
単純ではあるが、5川村選手が強いので、嵌まれば対処は難しいと思う。

企画として、考えどころは以下の様。
 

① 8石淵選手は動くべきか?
20山谷選手の配置を見ると、ゴールに近いエリアを狙っているのだろう。
実戦では8石淵選手がニアヘ動いたが、スペースを空けるためと言う点では有効である。
でも、そうするとGK野田選手の守備範囲を規制出来ない。
ゴールに近い所を狙うので、その効果の差は微妙。
私は8石淵選手がその場に留まって、GKの動きを制限した方が良いと考えますが・・・。

② オプションとしてPKスポット付近をどう使うか?
あくまでも私のような欲深い者が考えることだが、全体的にゴールライン近くに選手を集めているので、PKスポット付近は空いている。使いたいところ。
実戦では4三浦選手がゴールエリアから開いたが、もっとニアまで行って、低いボールを受けることも考えたい。



B.東京NBのコーナーキック

a)体制

キッカーは10木下選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 3村松選手9神谷選手
・正面からファーへ: 25池上選手11藤野選手7北村選手6宮川選手
・GK脇: 19山本選手
・ショートコーナー: 8菅野選手
・コボレ狙い: -
・セーフティー: 22坂部選手

b)結果概要

ポインタはDAZN の時間。

1本目 (51:57 ポインタ1:22:52) 右CK 10木下選手22坂部選手ヘディングシュート→GK平尾選手キャッチ。
2本目 (64:59 ポインタ1:35:54) 左CK 10木下選手9神谷選手ヘディングシュート。右へ外れてGキック。
3本目 (88:6 ポインタ1:59:1) 右CK 10木下選手2浦川選手ヘディングクリア
10木下選手回収・クロス→8石淵選手クリア
8菅野選手回収→6宮川選手クロス→4三浦選手ヘディング→9神谷選手シュート→20山谷選手ブロック
7北村選手シュート。浮いてGキック。
4本目 (91:57 ポインタ2:2:52) 右CK 10木下選手9神谷選手ヘディング
22坂部選手回収→8菅野選手フィード→3ブラフ選手ヘディング→8石淵選手クリア
8菅野選手回収→10木下選手クロス→19山本選手ドリブル(GK平尾選手カワシ)シュート。左へ外れてGキック。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

東京NBは滅多に企画を見せないのだが、この日は見所満載だった。

ア)1本目 (51:57 ポインタ1:22:52)

全員でのサインプレーを発動している。
22坂部選手がセーフティーから上がってヘディングシュートしたプレー。



以下の段取りをし、22坂部選手がニアポスト前に走り込んでいる。
① 走り込む体勢を取っていた選手たちが、ゴール前に詰める。
② ニアサイドに居た8菅野選手がサイドライン側に走る。
③ ファーサイドにいた6宮川選手がセーフティーに戻る。

良いプレーだと思う。

ただ、ヘディングシュートにしては長距離過ぎて、22坂部選手が決めるのは少し無理が有るプレーになっている。この位置から可能性の有るヘディングシュートを打てる選手は、そうは居ない。
低いボールを出すつもりだったのだと思う。



イ)3本目 (88:6 ポインタ1:59:1)

ニアへ走った25池上選手がフリーになっていたプレー。ボールはその上を越えて2浦川選手がヘディングクリアしている。



偶発的かもしれないが19山本選手の動きと重なって、ピックプレ-になっている。
 

① 19山本選手が、2浦川選手の外側に立ちに行く。
この試合2本目 (64:59 ポインタ1:35:54)でも、ニアポスト前立つストーン役(18石田選手)の外側に立って動きを規制している。
それで9神谷選手のヘディングシュートのスペースを確保している。
 

② 25池上選手がその脇を抜けてニアへ出た。
結果、マークの18石田選手の走路が①で出来た壁や13杉田選手により狭められ、25池上選手がフリーになれている。

また、3村松選手もゴール正面で、マークの4三浦選手6宮川選手にブロックしてもらってフリーになっている。こちらは典型的なラッシュ&ピックBのパターン。


ウ)4本目 (91:57+ ポインタ2:2:52)

終了間際で、10木下選手がクイック気味に蹴った。
ピックプレ-のようなことが起こって、25池上選手9神谷選手がフリーになっているのだが、新潟Lの準備が整っていなかったように見える。
新潟Lとしては危険な瞬間だった。

ボールは、3村松選手4三浦選手の競りの上を際どく越えて、9神谷選手がフリーでヘディングしたが、自陣方向へ飛んでしまっている。

9神谷選手の「前で触るかどうかはっきりしないボール」のヘディングを、私が見るのはおそらく初めてだが、ちょっとストライカーとしては物足りないプレーに見える。
越えて自分の所へくると信じて飛ぶべきで、心構えが出来ていなかったから、自陣方向へ飛んだように見えた。



以上です。



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ブログ内関連記事

 

目次 1.概要(アメブロ版)

 

2-2 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックA 2015/11/28

2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29






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関連記事など、外部リンク

DAZN(有料)
新潟L vs 東京NB : 第9節 WEリーグ | 3/10 日曜日
https://www.dazn.com/ja-JP/fixture/ContentId:4v9xrm16rina8m5b45be18rh0/4v9xrm16rina8m5b45be18rh0

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【公式】ハイライト:アルビレックス新潟レディース vs 日テレ・東京ベレーザ【2023-24 WEリーグ 第9節 2024.3.10】
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サッカーデータと順位表 › 日本 › WEリーグ › 日テレ・ペレーザ vs アルビレックス新潟レディース
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03.10 SUN 13:00  KICK OFF WEリーグ  第9節 HOME デンカビッグスワンスタジアム アルビレックス新潟レディース 1 – 0 日テレ・東京ヴェルディベレーザ
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2023-24 WEリーグ 第9節 - アルビレックス新潟レディース vs 日テレ・東京ヴェルディベレーザ
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