12月13(水)に行われたWEリーグ第3節@ノエビアスタジアム神戸。

DAZN(有料)
https://www.dazn.com/ja-JP/fixture/ContentId:b7i4ava9245l7qw9v98tfnw9g/b7i4ava9245l7qw9v98tfnw9g
 

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I神戸はここまで、3勝1分け、7得点1失点。
新潟L・マイ仙台・相模原に完封勝ちし、AC長野に終盤追い付いて引き分け。
カップ戦序盤崩れていた守備は堅さを取り戻し、攻撃もシュートも打っている(54本/被32本)。
まずまずの結果と内容だが、覇権奪回には迫力には欠ける状況。

この試合は、いつもの3-5-2のシステムだが、GK21船田選手を入れたメンバー。
GK1山下選手は、なでしこJAPANのブラジル遠征と帰国後に出場が無く、
8増矢選手も今期初の非登録。
元々薄いメンバーなので、ベンチには若いメンバーが多く入っている。



大宮Vは3勝1敗、5得点3失点。
N相模原・C大阪・マイ仙台に勝って、S広島Rに負け。
まだ3強と対戦していないが、シュート(31本/被31本)、CK(18本/被17本)と相手チームと互角の内容で戦っている。
10五嶋選手が前試合で登録。チーム結成後長い間、常に4人前後の離脱者を抱えていたが、初めて(HPに情報を出した手術を伴う)離脱者が無くなっている。
ただ、8上辻選手14源間選手30吉谷選手あたりは、ここまで出場登録が無く、どこか悪いのかも知れない。

この試合のシステムはGK21スタンボー選手18田嶋選手をボランチに入れた4-2-3-1で、右SH13仲田選手・左SH26杉澤選手の配置でスタート。
ここまで3試合先発の19船木選手や、スピード自慢の33大島選手の投入時期が采配の見せ所になるだろう。



 

前半は、最初大宮Vがやや主導権を握っていたが、徐々にI神戸がペースを掴んで攻勢に出る。スコアレスのままHT。
後半、ワンチャンスを活かして大宮Vが先制するが、その後はI神戸が圧倒的に攻め込み、追い付いて、引き分けている。

ボール支配率: I神戸 62%-38% 大宮V (Footystats.org)

シュート状況は下図の通り。



 

I神戸は最後によく追いついた。
20桑原選手は、WEリーグ初ゴール。当たりは悪かったが、それが相手の意表を突いた。
また、第2節以降、相手バックラインとボランチ間が空きだしてから、11髙瀬選手を投入して9田中選手とマトを2箇所にする戦術を採っているのだが、その中での得点だった。

ただ、やはり相手を圧倒する程の攻撃ではない。
アンカーやインサイドセンターの推進力を上げて、相手守備を引きつけてから、両サイドで勝負するような形が増えてこないと、この試合のように苦労する試合が続きそうな内容だったと思う。



一方の大宮Vは、難敵のピッチに乗り込んでの引き分けだから、十分な結果。
先制点は11阪口選手3土光選手にヘディングで競り勝ち、さらに溢れたところを、5三宅選手に抑えられながらも脚を伸ばしての得点。珍しく「力強い萌乃選手」を見た気がする。
また、I神戸の両WBの縦突破をケアし続けたのも、終盤まで失点を防げた大きな要素で、戦術的には、この試合はどちらかと言えば、大宮Vの思惑の中で進行していたとも言える。

ただ、やはりこのチームには、強い剣が無いので、強豪からは、チャンスを多くは作れない。
互角程度の相手なら「後半勝負」パターンでなんとか出来ているが、

強豪相手だと自分たちが先に疲弊してしまう。

その懸念通り、終盤の劣勢になっていた。



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃体制。

I神戸は、マンツーマンディフェンス中心に、2人のゾーン固定配置。
約2年半続けていたMIXディフェンスは、おそらくリーク1・2を争う堅さで、

まだ攻略の気配すら無かったのだが、完全に終わったようである。

大宮Vは、1-4-3(+2)のゾーンディフェンス。



両チームの先発を背の順に並べると以下の様になる。



 

4竹重選手が抜けている分、ややI神戸優位なマッチアップ関係。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー

A.I神戸Lのコーナーキック

a)体制

キッカーは7山本選手(右利き)13北川選手(左利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 9田中選手5三宅選手
・正面からファーへ: 4竹重選手3土光選手
・GK脇: 6松原選手
・ショートコーナー: 13北川選手
・コボレ狙い: 10成宮選手
・セーフティー: 16天野選手2守屋選手

b)結果概要

ポインタはDAZNの時間。

1本目 (8:6 ポインタ21:37) 左CK 7山本選手4長嶋選手ヘディングクリア。5三宅選手ファール。
2本目 (38:6 ポインタ51:37) 右CK 13北川選手GKスタンボー選手パンチング→5三宅選手シュート26杉澤選手カット。再CK。
3本目 (38:45 ポインタ52:16) 左CK 7山本選手4竹重選手ヘディングシュート。バーを越えてGキック。
4本目 (62:14 ポインタ1:30:31) 右CK 13北川選手4長嶋選手ヘディングクリア。再CK。
5本目 (62:34 ポインタ1:30:51) 右CK 13北川選手13仲田選手ヘディングクリア→11阪口選手16天野選手ファール。

 


6本目 (68:14 ポインタ1:36:31) 左CK 13北川選手4長嶋選手ヘディングクリア
20桑原選手回収→13北川選手ドリブル・クロス→11阪口選手クリア
16天野選手回収・クロス→4竹重選手ヘディングシュート・13仲田選手ヘディングブロック。再CK。
7本目 (69:0 ポインタ1:37:17) 左CK 13北川選手→4竹重選手ヘディングシュート。浮いてGキック。
8本目 (87:12 ポインタ1:55:29) 右CK 13北川選手4長嶋選手ヘディングクリア。再CK。
9本目 (87:35 ポインタ1:55:52) 右CK 13北川選手6有吉選手ヘディングクリア。スローイン。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

特に記載すべき様な、企画はなかった。

I神戸のCKの着弾点を見ていると、ニアに走り込む9田中選手がメインターゲットの様だが、
良い形になったのは、2本目 (38:6 ポインタ51:37)・3本目 (38:45 ポインタ52:16)・7本目 (69:0 ポインタ1:37:17)で、いずれも正面~ファーポストに蹴られた物。

大宮Vのゾーンはニアが厚いので、ファーの26杉澤選手の周囲で戦う方が、良いと思う。


3本目がHigh-Lightに入っているので、図にしておく。
4竹重選手がヘディングシュートを打ったプレ-。



動画:キック5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=-Y4MD9qSZvwfeature=youtu.be&t=20

4竹重選手には、図のようにニアへ走ってからファーヘ戻って、かぶり気味のヘディングシュートをするのでは無くて、走り込むのを少し溜めて、ランニングジャンプの最高点で捉える技術を会得して欲しいモノです。

ただ、DAZN本編では、ゴール側に寄りすぎた(被った)ため、叩き付けられなかったと解説されている。そこで、バスケット経験者の私としては、ふと思ったことが有って、
4竹重選手とかには、敢えて被り気味に入って、枠に飛ばせる技術を持って欲しい。」モノだと。

と言うのは、バスケットで、バックステップして打つシュートのことを「フェイドアウェー」と言うのですが、相手が高い選手でも、フェイドアウェーで打てばシュートカットされにくい。
また、相手の領域に押し込んでヘディングシュートするには、強靱なフィジカルが必要だが、自分の背後(ゴールから遠ざかる方向)のスペースを使うのなら、楽に打てる。

フェイドアウェーでヘディングシュートを決める技術を持てば、欧米の高身長の選手を相手にしても得点が期待出来るわけで、
「早目に落下点を通り越して場所を取り、少し下がってシュートを打つ」技術は、なでしこJAPANに有ったら良い技術だと、私は思います。



B.大宮Vのコーナーキック

a)体制

キッカーは13仲田選手(左利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 4長嶋選手5乗松選手
・正面からファーへ: 15林選手6有吉選手
・GK脇: 9井上選手
・ショートコーナー: 18田嶋選手
・コボレ狙い: 11阪口選手26杉澤選手
・セーフティー: 3鮫島選手

b)結果概要

ポインタはDAZNの時間。

1本目 (14:20 ポインタ27:51) 右CK 13仲田選手4竹重選手ヘディングクリア→10成宮選手ヘディング
11阪口選手回収→(13仲田選手)。スローイン。
2本目 (55:26 ポインタ1:23:43) 右CK 13仲田選手4竹重選手ヘディングクリア
18田嶋選手回収→13仲田選手クロス→クロスバー。Gキック。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

特になし。
普通に蹴って4竹重選手にはじき返されていた。



以上です。



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目次 1.概要(アメブロ版)

4-298 WEリーグ I神戸 5-0 大宮V 2021/09/13
4-380 WEリーグ I神戸 2―0 大宮V 2022/10/27



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関連記事など、外部リンク

DAZN(有料)
I神戸 vs 大宮V : 第3節 WEリーグ | 12/13 水曜日
https://www.dazn.com/ja-JP/fixture/ContentId:b7i4ava9245l7qw9v98tfnw9g/b7i4ava9245l7qw9v98tfnw9g

WEリーグ_Youtube
【公式】ハイライト:INAC神戸レオネッサ vs 大宮アルディージャVENTUS【2023-24 WEリーグ 第3節 2023.12.13】
https://www.youtube.com/watch?v=-Y4MD9qSZvw

Footystats.org
サッカーデータと順位表 › 日本 › WEリーグ › INAC神戸レオネッサ vs 大宮・アルディージャ・ベントス
https://footystats.org/jp/japan/international-athletic-club-kobe-leonessa-vs-omiya-ardija-ventus-h2h-stats#7218344

I神戸_HP
2023-24 WEリーグ INAC △1 - 1△ 大宮アルディージャVENTUS 12/13 WED 16:00  ノエスタ
https://inac-kobe.com/match/result/399

大宮V_HP
WEリーグ 第3節 2023.12.13 [WED] 16:00 ノエスタ I神戸 1  1 大宮V
https://www.ardija.co.jp/ventus/match/232203/