いよいよ始まりましたWEリーグ。
コロナ下にもかかわらず、各地で1,000人以上の観客を集める盛況ぶり。
平均2,221人で、良かったと思います。
ただ、リーグが目標とした5,000人には、まだまだ遠い。
9月12日の第1節で、@ノエビアスタジアム神戸
DAZN JAPAN Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=G65BuhZA_mA
関西地区では、朝日放送で地上波放送があり、本並・丸山夫婦が解説。
なかなかの夫婦漫才だった。
I神戸は、どうしてもリーグ初ゴールが欲しかったのだろう。朝10時に試合開始を設定。
メンバー的には、冬に鮫島選手・岩渕選手・仲田選手・増矢選手・スタンボー選手・島袋選手・吉田選手・八坂選手が退団。
17成宮選手、18山下杏選手が入団
夏に、15羽座選手・23浜野選手・30後藤選手が入団。
14京川選手がバセドウ病の療養中で、復帰目処の発表は無い。
この試合は、新入団の4選手を使ってきた。
9田中選手の登録が無かったのは心配なところ。
システムは2020年の皇后杯以降続けている3-5-2だが、真ん中の3人はかなり流動的に入れ替わっている。
7中島選手の1人アンカーと言うよりも、8阪口選手との2ボランチで、3-4-1-2と言った方が適当なのかも知れない。
大宮Vは新規チーム。
プレシーズンマッチと比較して、27高橋選手・29野口選手が入団。
プレシーズンマッチでは試合登録の無かった8上辻選手が先発に入ったが、6有吉選手が登録されていない。
10阪口選手は、引き続き登録無し。
夏に入団の2人を先発起用。
プレシーズンマッチとはバックス陣を組み替えて、2坂井選手をCB、19村社選手を右SBに入れてきた。
試合を通して、I神戸が圧倒。
大宮VはPKエリア内シュート、枠内シュート共に無し、と良いところがなかった。
シュートの状況は下図を参照ください。
I神戸は言うこと無いでしょう。
大目的である記念の初ゴールを得た上に、朝10時試合開始にもかかわらず、4,123人も集まったのだから。
しかも2TOPが2点づつ取っての快勝。
後半には若い5選手を投入し、WEリーグの初本番ピッチを踏ませた。
実績のある駒を沢山放出したI神戸にとって、若手の台頭は今シーズンの大きな課題だろうから、監督さんは一安心だっただろう。
欲を言えば、17成宮選手が決めていたら、満点だった。
だが、朝日放送の解説の元高槻・監督とエース夫婦からのプレッシャーからか、ハズしまくり。
そこだけじゃないかな?この試合の不満点は。
一方の大宮Vは、プレシーズンマッチ同様に、運動量が少ないし、ポジションの流動性もないので、局面的に数的優位を作れない。
I神戸のシステムにバックス4人とボランチをガッツリつかまれ、なかなかビルドアップも出来ない。
後半7山崎選手を投入して、前戦でボールが多少は収まるようになりはしたが、
I神戸陣深くまで侵入することが出来ないまま、タイムアップとなった。
6有吉選手・10阪口選手が復帰すれば精度・強さは上がるだろうが、おそらく今必要なのは運動量・流動性・突破力だろう。
監督さんは頭が痛いと思う。
ところで、なでしこリーグや、プレシーズンマッチで添付されていた公式記録はどこへ行ったのでしょう?
WEリーグのHPには、見やすく、シュート本数などが記載されていますが、公式記録にあった、Gキックの数や、得点(アシスト)状況などが抜け落ちています。
このブログでは、これまで公式記録をEXCELに転記し、年に2回度程度集計して、90-**で紹介していますが、ちょっと支障が出そうです。
では、いつものようにコーナーキックを見ていく。
(1)両チームのディフェンスシステム
I神戸はマンツーマンディフェンスで4人のゾーン固定配置。
大宮Vが5人走り込む体制を取ったので、1人(24源間選手)余る人数関係になった。
また、GK脇の9井上選手にもマークは付いていない。
一方の大宮Vは1-4-3(+2)のゾーンディフェンス。3列目の3人はボール・オンリーの対応。
ちなみに、先発選手を身長順に並べると以下のよう。
I神戸 GK18山下 170
15 16 5 23 11 10 7 8 17 6
羽座 西川 三宅 浜野 髙瀨 杉田 中島 阪口 成宮 伊藤
167 166 165 165 164 162 159 158 154 150
大宮V GK1望月 173
2 19 24 29 5 3 8 9 13 27
坂井 村社 源間 野口 乗松 鮫島 上辻 井上 仲田 高橋
173 165 165 165 164 163 162 162 162 162
大宮Vやや有利なマッチアップ。
(2)統計
例によって、私が採っているSTATSを紹介します。
2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。
上の5項目は、新たに記録を取って行きます。
うまく行けば、ゾーンディフェンス、主にコボレ対応に関して、何か統計的データをお示し出来るかも知れません。
(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー
東京五輪で、強豪国の戦略を見ていると、この試合のレベルは、かなり低いと言わざるを得ない。
チームとして考えて動けていない。
A.I神戸のコーナーキック
a)体制
キッカーは7中島選手(右利き)。
受け手は以下の体制で、始まっている。
その後は15羽座選手と16西川選手が入れ替わる事も有った。
・ニアへ:10杉田選手・16西川選手
・正面からファー:11髙瀨選手・15羽座選手
・GK脇: 23浜野選手
・ショートコーナー: 8阪口選手
・コボレ狙い:17成宮選手・6伊藤選手
・セーフティー: 5三宅選手
b)結果概要
1本目 (17:31 ポインタ32:45) 左CK 7中島選手→11髙瀨選手コボレ→8上辻選手
⇒10杉田選手回収→17成宮選手シュート→8上辻選手シュートブロック
⇒6伊藤選手回収→5三宅選手フィード→2坂井選手ヘディングクリア
⇒7中島選手回収→5三宅選手→17成宮選手→7中島選手クロス→GK望月選手パンチング→8上辻選手
⇒23浜野選手回収クロス→GK望月選手キャッチ
2本目 (27:35 ポインタ42:49) 左CK 7中島選手→29野口選手ヘディングクリア
⇒17成宮選手ヘディング→2坂井選手ヘディング→17成宮選手ヘディング
⇒6伊藤選手回収・フィード→11髙瀨選手・2坂井選手クリア
⇒5三宅選手。再組み立て。
3本目 (54:42 ポインタ1:23:43) 右CK 7中島選手→9井上選手
⇒17成宮選手回収→5三宅選手ドリブル→11髙瀨選手→23浜野選手→10杉田選手→23浜野選手スルーパス→24源間選手カット
→(以下逆速攻)9井上選手持ち上がり→19村社選手→13仲田選手スルーパス。Gキック。
4本目 (92:44 ポインタ2:1:45)右CK 7中島選手→10杉田選手→22菊池選手シュート→GK望月選手キャッチ。
c)全般的な印象と特記すべきプレー
ア) 対ゾーンディフェンス戦略
I神戸の攻撃には、全くと言って良いほど感じられない。
まあ、7中島選手が「何か」持っていたら、なでしこJAPANもイギリス代表戦やスウェーデン代表戦で、「何か」やっていたはずではあるのですが・・・。
プレシーズンマッチで、ゾーンディフェンスだったのはEL埼玉くらい。
星川監督も特に用意していないと言うことなのだろう。
守った大宮Vは、特別高身長という程でも無いが、160cm以上の選手が揃っていて、明らかな弱点は無い。
このまましばらく使うのだろう。
イ)メインターゲットの不在。(ニアでの合わせと、セーフティー)
14京川選手は長期病欠だし、9田中選手はこの試合登録外。
頼りになりそうなのは、5三宅選手のニアでの合わせくらい。
だが、この試合では5三宅選手はセーフティーをやっていた。
I神戸のセーフティーと言えば、昨年までは鮫島選手だったが、流出。
プレシーズンマッチでは主に2守屋選手が、シンガリを務めていたが、この試合はベンチ。
この状況が解消されないと、I神戸のコーナーキックは、どいうしていいのやら・・・。
B.大宮Vのコーナーキック
a)体制
キッカーは、8上辻選手(両足使い)24源間選手(左利き)。
受け手は以下の体制で始まっている。
・ニアへ: 5乗松選手・24源間選手
・正面からファー: 2坂井選手・29野口選手・27高橋選手
・GK脇:9井上選手
・ショートコーナー: 19村社選手
・コボレ狙い: 13仲田選手
・セーフティー: 3鮫島選手
b)結果概要
1本目 (2:8 ポインタ17:22) 右CK 8上辻選手(out)→5乗松選手コボレ→17成宮選手クリア
→3鮫島選手回収・フィード→5乗松選手ヘディング→ゴールラインを割る。Gキック。
2本目 (10:26 ポインタ25:40) 左CK 8上辻選手(in)→10杉田選手ヘディング→
⇒13仲田選手ヘディング→6伊藤選手クリア。スローイン。
3本目 (20:50 ポインタ36:4) 右CK 8上辻選手(in)→GK山下選手キャッチ。
4本目 (71:6 ポインタ1:40:7) 右CK 24源間選手→15羽座選手クリア
⇒3鮫島選手回収・クロス→2坂井選手→GK山下選手キャッチ。
c)全般的な印象と特記すべきプレー
I神戸の4人ゾーン固定配置(ストーン)でのマンツーマンディフェンス。人数的にマンマークから溢れる選手が出てくる。
先発で言うと走り込む選手では24源間選手、GK脇の9井上選手が余っているのは、前述の通り。
だが、大宮Vは2人を活用する意図は感じられなかった。
あくまで、5乗松選手のニアがメインターゲットで、そこを狙っているだけだった。
5乗松選手が強烈なフィニッシャーなら、それでも良いのだが、そんな高さも技術も無い。
ならば、マークが付いていない選手を狙った方が可能性は有ると思う。
プレシーズンマッチを見ていると、ジェフL、N相模原、I神戸、S広島Rがゾーン固定配置に3人以上使っているから、ノーマークの選手が出る試合は多いはず。
今シーズンは、この余っている選手をどう使うかが、コーナーキックのポイントになるかも知れない。
以上です。
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