09月23日(土)に行われた国際親善試合@北九州スタジアム。

テレ朝系地上波。

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池田JAPANが再始動。パリオリンピック・アジア2次予選まで約1ヶ月での強化試合。
2次予選は、3組✕4チームで、各組1位は通過、2位の内1チームのみ通過。

計4チームを2つに分けて、H/Aで2月末に3次(最終)予選、と言うフォーマット。
なでしこJAPANの2次予選はC組で、ベトナム・ウズベキスタン・インド。順当に通過出来るだろう。
A組のオーストラリアも、チャイニーズタイペイ・フィリピン・イランで堅い。
また、この2組の2位は勝ち点6になる可能性が高いと思う。
大問題はB組で、中国・韓国・タイ・北朝鮮、まさに「死の組」。
引き分けも多数発生するだろうから、勝ち点6の2位は難しく、得失点差も稼げない。
B組からは1チームしか上がれないだろう。
最終予選は、B組1位vsなでしこJAPAN、オーストラリアvsベトナム、と私は予想している。


本題に戻して、この試合は、W杯メンバーから、怪我の浜野選手、アジア大会参加中の千葉選手の代わりに、20三浦選手22宝田選手を加えた23人。

アジア予選では、なでしこJAPANとしては、W杯と違ってボールを支配して戦うことになりそう。システムを3-4-2-1から、4-3-3に変えて対応すると言うのが、この試合のテーマ。

3バックの真ん中だった4熊谷選手がアンカーに入っているが、
形式上1列上げただけになるのか、
ちゃんと4-3-3の良さを出して攻撃的にやれるのかが、見所だと思う。



一方のアルゼンチン代表は、W杯でGroupGを1分け2敗で敗退。
この試合は、W杯メンバー組13人に5人を加えたメンバー。
システムは4-4-2で、先発全てW杯メンバー。内7人は、W杯でも主力として戦っている。
ただ、ボカ・ジュニオルスの7名の招集が出来なかったとか。
また、20日朝に北九州入りのハズが、アゼルバイジャンとアルメニアの紛争勃発で航空機が引き返すトラブル。北九州到着は21日午後で、22日だけしか練習が出来ていない。
コンディション的にも非常に厳しい状況となってしまっている。



 

試合開始早々になでしこJAPANが先制。その後もほぼ一方的に攻めて合計4点。
後半もなでしこJAPANが押して、4点追加、快勝している。

ボール支配率: なでしこJAPAN 69%-31% アルゼンチン代表 (Footystats.org)

シュート状況は下図の通り。



 

アルゼンチン代表は、やはりコンディションが悪そうに見えたし、バックス陣も息が合っていなくて、気の毒な試合でした。

なでしこJAPANは快勝。
4-3-3にして、2清水選手にとっても手慣れたポジションだし、この試合のようにボールを支配する時間が長いのなら13遠藤選手の左SBは最強だ。

でも、スタメンの戦いぶりには、疑問を感じる部分も多い。
① 10長野選手はボランチかアンカーのようなプレーぶりで、
 14長谷川選手がTOP下の4-2-3-1の様になっていた。
 (解説の岩渕さん曰く「迷子になっている」。)
 

② W杯ゴールデンブーツ:7宮澤選手も、WFWは特性的に疑問。

 2019年の日テレ時代、植木・遠藤・小林3選手の後塵を拝していて、

 インサイドセンターの方が似合うと思う。
 

③ 池田監督は試合後「相手が対応してきた時に“持てる手”を増やしたかった」としている。
 主戦は3-4-2-1で、4-3-3はオプションなのだろう。
・納得したのは、4熊谷選手のアンカー。
 この試合のように、フィジカル勝負の場面が少なければ、

 10長野選手20三浦選手の方が、私は優れていると思うので、疑問に感じていた。
・疑問に思ったのは、13遠藤選手の左SB。
 でも、そんな試合は、均衡状態か押し込まれているということで、

 守備は大丈夫と思っている?



では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃態勢

なでしこJAPANは守備機会無し。

アルゼンチン代表は、マンツーマンディフェンス中心に、2人のゾーン固定配置。



先発を背の順に並べると以下の様になる。



 

互角のマッチアップ関係。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.なでしこJAPANのコーナーキック


a)体制


キッカーは8猶本選手16林選手(右利き)13遠藤選手(左利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 11田中美選手12高橋選手
・正面からファーへ: 4熊谷選手3南選手13遠藤選手
・GK脇: 7宮澤選手
・ショートコーナー: 14長谷川選手
・コボレ狙い: 10長野選手
・セーフティー: 2清水選手

b)結果概要

1本目 (16:04) 右CK 8猶本選手6コメッティ選手
4熊谷選手回収→13遠藤選手クロス→11田中美選手ヘディングシュート。Gキック。
2本目 (24:30) 左CK 13遠藤選手19ラロケッテ選手クリア
14長谷川選手回収→13遠藤選手クロス→12高橋選手ヘディングシュート。ゴール!!
3本目 (31:09) 右CK 8猶本選手ローボール→11田中美選手フリック→7宮澤選手シュート→6コメッティ選手カット→16ベニテス選手クリア
8猶本選手回収・クロス→2サクス選手ヘディング
13遠藤選手回収→10長野選手クロス。ゴール前を越えてGキック。
4本目 (54:49) 左CK 13遠藤選手4熊谷選手ヘディングシュート。浮いてGキック。
5本目 (76:16) 左CK 16林選手GKコレア選手パンチング
14長谷川選手回収→16林選手クロス→12高橋選手落とし→6コメッティ選手17ペレイラ選手20シンガレラ選手6コメッティ選手
3南選手回収・再組み立て。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

なでしこJAPANは、先発メンバーで言うと、ニアに11田中美選手12高橋選手、ファーサイドに3南選手4熊谷選手13遠藤選手を配置し、攻めている。
この形は、W杯のコスタリカ戦でも使っていたモノで、色んなバリエーションを蓄えていたことが判った。
だが、W杯ではゾーンディフェンスやMIXディフェンスを使うチームが多くて、披露できなかったのだろう。この試合で使って来ている。

ア) 1本目 (16:04)
一見キックミスのように見えるが、PKスポット近辺でのシュートを狙っている。
① ファーサイドで、3南選手8ファルファン選手をブロック、4熊谷選手はフリーになったが、13遠藤選手を早々に捨てた16ベニテス選手に捕まってしまっている。
② 12高橋選手6コメッティ選手に出られないように、ブロックをしに行ったが、漏らしてしまっている。結果6コメッティ選手8猶本選手の蹴ったボールをカットしている。


イ) 2本目 (24:30)
2次攻撃で12高橋選手のダイビングヘッドが決まっている。豪快な得点だった。

動画:キック5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=uvim1JBVPmYfeature=youtu.be&t=73

シュートが決まった後、アルゼンチンの選手2人が揉めている。

前日練習だけでは、確認が十分出来ていなかったためかも。



ウ) 3本目 (31:09)
ニアサイドで11田中美選手がフリック。7宮澤選手がシュートを打ったプレー。



良いサインプレーだった。
① 11田中美選手がニアサイドへ出る際、19ラロケッテ選手を壁に使って、13ブラウン選手のマークを剥がしている。ほぼフリーで8猶本選手の出したゴロのボールに到達。フリックで流している。
② ファーサイドでは7宮澤選手がスタート。マークの9グラマリア選手4熊谷選手がブロック。7宮澤選手はフリーでボールに到達。シュートを打ったが、6コメッティ選手がカット。



B.アルゼンチン代表のコーナーキック

攻撃機会無し。



以上です。

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ブログ内関連記事

 

目次 1.概要(アメブロ版)

 

2-2 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックA 2015/11/28

2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29



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関連記事など、外部リンク

JFATV_Youtube
【ハイライト】なでしこジャパンvsアルゼンチン女子代表|2023.09.23 北九州スタジアム 国際親善試合
https://www.youtube.com/watch?v=uvim1JBVPmY
 

Yahoo_HP
女子代表親善試合 9/23(土)12:00 北九州スタジアム
https://soccer.yahoo.co.jp/japan/category/women/game/2023092301/summary?gk=63
 

Footystats.org
サッカーデータと順位表 › 国際試合 › 国際親善試合女子 › 日本女子代表 vs アルゼンチン女子代表
https://footystats.org/jp/international/argentina-womens-national-team-vs-japan-womens-national-team-h2h-stats#7140163

JFA_HP
【Match Report】なでしこジャパン、アルゼンチンに8-0で大勝
http://www.jfa.jp/nadeshikojapan/20230923/news/00032885/