リーグカップ決勝戦 10月1日(土)に行われた試合。@味の素フィールド西が丘。

BS-テレ東、パラビ。

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浦和はカップ戦グループAを3勝2分。
相手関係が厳しくないので、色々実験をやっていた。

CB:南選手の移籍、GK:1池田選手・CB:2長船選手が怪我で今季ほぼ絶望となって、その代役を探していて、色々なパターンを試していた。
この決勝に12福田選手30石川選手を使ったと言う事は、今季この体制でやっていく事になるのだろう。

また、ボランチ:6栗島選手が第3節にベンチに入ったとは言え出場なし。フルに使えるようになるのはまだまだ先なのだろう。
4-3-3で中盤を減らす形もこのカップ戦では試したりしていたが、
決勝は従来通りの4-2-3-1で、19塩越選手がボランチ、10安藤選手が左SHに入っている。
 

右サイドは11清家選手が前で、16水谷選手が後ろ。試合中によく現れる形である。
ベンチに17遠藤選手が居ないのが気になるが、他は順当なところ。



一方の東京NBは、カップ戦グループBを2勝2分。
当初U-20コスタリカで、選手が揃わずメニーナの選手たちも起用していたが、今はフルメンバー。

この夏に、中里さんが引退。土光選手と4西川選手を実質トレード、2清水選手が海外移籍した。
このカップ戦最大の課題は、2清水選手が抜けた右SBの穴埋めと、4西川選手の使い道。
本来4西川選手はロングキックを活かしたアンカーなのだろうが、①ボール支配を互角以上にできるし②強力な前戦のマトが居ない東京NBでは、8三浦選手で繋いでいく方がよさそう。
それで、右SBサイドバックを22坂部選手と争っている。だが、2人ともスピード面に難があり、チームとしての課題としては、残っているように思う。

この試合はいつもの4-3-3。
GK:1田中選手がお休みで21黒沢選手4西川選手の右SB、18岩崎選手のインサイドセンターでスタート。
ベンチメンバーは順当なところが並んでいる。

 

 

前半は、浦和がやや押し込んでいたが、東京NBが効率よく2点を取って折り返す。
後半は浦和が猛攻。飲水タイムの前後約10分間は東京NBが優勢で、3点目を上げた。

だが、浦和が終盤に3点を取って同点で終了。

PK戦の末、浦和が優勝している。

シュートの状況は下図をご覧下さい。



 

いやぁ、すごい試合でしたね。

それにしても、浦和はよく追い付きました。
とはいっても、点を取ってもおかしくないプレーが何度もあって、シュートを外したり、シュートコースが甘かったり、GK黒沢選手に止められたりしている間に3点も失って、それを取り返しただけと言う見方も出来る試合。
特に2失点目の7高橋は選手のボールロストは軽すぎるプレー。

選手個人では30石川選手は大きなミス無く完走。高くて強いし、スピードもある。
先制点を失った場面のように、マークマンを捕まえる意識付けが少し足りないと思われるところもあったが、浦和からは、スケールが大きく優秀なCBがコンスタントに出るモノですね。



一方の東京NBは3点先制したものの、浦和の中盤までに守備に引っ掛かってしまうシーンが多かった。前戦に強力なマトがないので、持ち前の細かいパス回しで突破を図ったのだが、頼り過ぎて、単調になっていたように思う。
中盤の若い選手たちはスピード・テクニック共に有って優秀なのだが、リズムを変えて戦うようリードできる選手が居ないのでしょうね。それを思うと籾木選手って希有な存在なんですよね。

上手く行かない試合の中で、9植木選手は2得点。アジア杯でもそうだったが、大事な試合で点を取れるようになった。来年の女子W杯に向けて期待させてくれる内容だった。



では、いつも通り、コーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃態勢。


浦和は、マンツーマンディフェンス中心で、2人のゾーン固定配置。

東京NBも、マンツーマンディフェンス中心で、2人のゾーン固定配置。




両チームのスタメンを背の順で並べると以下の通り。



 

高さ的には、浦和有利なマッチアップ。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、攻撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.浦和のコーナーキック

a)体制

キッカーは8猶本選手(右利き)。

 受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ:  9菅澤選手11清家選手
・正面からファーへ: 30石川選手7高橋は選手
・GK脇: 10安藤選手
・ショートコーナー:  18柴田選手
・コボレ狙い: 19塩越選手
・セーフティー: 16水谷選手4佐々木選手


b)結果概要

1本目 (17:22) 右CK 8猶本選手9植木選手ヘディング→16水谷選手11藤野選手・逆襲→7菅野選手8三浦選手18岩崎選手14北村選手18岩崎選手。組み立て。
2本目 (30:12) 右CK 8猶本選手33岩清水選手ヘディング→7高橋は選手ヘディング→18柴田選手シュート。左へ逸れてGキック。
3本目 (52:37) 右CK 19塩越選手GK黒沢選手パンチング。スローイン。
4本目 (54:53) 左CK 8猶本選手9植木選手クリア
18柴田選手ヘディング→8三浦選手11藤野選手7菅野選手18柴田選手。スローイン。
5本目 (58:44) 左CK 8猶本選手GK黒沢選手パンチング→33岩清水選手クリア→7菅野選手逆襲→11藤野選手→(7菅野選手)7高橋は選手GK福田選手。再組み立て。
6本目 (62:36) 右CK 8猶本選手9植木選手ヘディングクリア→14北村選手逆襲→11藤野選手ドリブル。18柴田選手ファール。

 


7本目 (75:49) 左CK 8猶本選手30石川選手ヘディングシュート→バー→19塩越選手シュート→4西川選手ブロック・10安藤選手シュート。ゴール!!
8本目 (77:21) 右CK 8猶本選手9植木選手ヘディングクリア
19塩越選手ヘディング・7菅野選手ブロック→19塩越選手8猶本選手クロス→GK黒沢選手11清家選手シュート・GK黒沢選手ブロック・11清家選手18岩崎選手11清家選手ブロック→33岩清水選手ヘディング→GK黒沢選手キャッチ。
9本目 (82:50) 右CK 8猶本選手33岩清水選手ヘディング→18岩崎選手ハンド。PK。
10本目 (89:08) 右CK 8猶本選手→(7高橋は選手)。Gラインを割ってGキック。
11本目 (93:40+) 右CK 8猶本選手9植木選手ヘディングクリア
28西村選手8猶本選手4佐々木選手フィード・11藤野選手ブロック。スローイン



c)全般的な印象と特記すべきプレー

11本蹴って、得点1・PK1で大漁なのだが、内容的には良い企画のようなものは無かった。

7本目 (75:49)の得点シーンは、敬意を払って図にしておく。

8猶本選手のキックを、30石川選手がヘディングシュート。
バーの跳ね返りを19塩越選手がボレーシュート。
4西川選手に当たったこぼれ球を10安藤選手が決めている。



動画:5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=7VU1HUrxBkgfeature=youtu.be&t=126

この得点は、浦和の各選手、特に10安藤選手のプレーが光っていた。

逆に東京NBの集中力不足が各所に見られている。

① 4西川選手が簡単に30石川選手にヘディングを許している。
ファーサイドからスタートした30石川選手について行けてない。遅れて追ったその先に33岩清水選手が下がって来て、さらにフリーは拡大、競りにも行けていない。

② 30石川選手のヘディングシュートは高かった。
惜しくもバーに阻まれたが、非常に高いヘディングシュートだった。当たりも良い。
まさしくその縁の下で、10安藤選手がブロックし続けていて、GK黒沢選手を落下地点に入らせていないし、30石川選手との間に入り込んで、パンチイングを阻止している。

③ 19塩越選手のボレーが抑えの効いたシュートだった。
シュートは浮かせなかったし、当たりも良かった。

対する7菅野選手が競りにも行けていないのは、集中力の欠如。

④ 10安藤選手の反応が素晴らしい。
19塩越選手のシュートが後ろから横を通り過ぎ、4西川選手に当たって目の前に跳ね返ったところに、反応出来るってスゴイ集中力と反応速度だと思う。沢山居る選手の中で一人だけ動いている。
しかも合わせるだけでは無く、真芯を「蹴っている」のがスゴイ。



B.東京NBのコーナーキック


a)体制

キッカーは、7菅野選手(右利き)。

受け手の体制は、以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 33岩清水選手3村松選手
・正面からファーへ: 9植木選手4西川選手11藤野選手
・GK脇: 14北村選手
・ショートコーナー: 
・コボレ狙い:  8三浦選手
・セーフティー:  18岩崎選手6宮川選手



b)結果概要

1本目 (01:13) 右CK 7菅野選手19塩越選手ヘディングクリア
11藤野選手回収・クロス→9菅澤選手ヘディング→8猶本選手7菅野選手8三浦選手14北村選手30石川選手7高橋は選手。スローイン。
2本目 (50:11) 右CK 7菅野選手GK福田選手キャッチ。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

2本だけだったし、特には無い。


 以上です。


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