第7節:10月30日の試合で@熊谷スポーツ文化公園陸上競技場。

DAZN Youtube (無料配信)
https://www.youtube.com/watch?v=LFKShCxM164


首位と最下位の対戦。
なお、このブログとしては、各チーム2試合以上のレポートになった。


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EL埼玉は、6試合戦って、千葉Lに引き分けた勝ち点1だけで、最下位。
とは言うものの、春のプレシーズンマッチと比べるとボールは運べていて、そんなに悪くない戦いをしていると私は思っている。
@東京NB戦以外は結構ボールも持てているし、シュートも打っている。
だが、早い時間にあっさり点を取られることと、シュートの精度が低いことで勝ち点につながっていない。

攻撃では、24吉田選手がサイドで推進力を発揮していて、見所になっている。
守備ではオフに獲得した6瀬野選手20岸選手を中心にディフェンスが固まりつつあり、安定すればもっと戦えるだろう。

この試合もGK21船田選手FW11荒川選手が連続でベンチ外。大事に至っていないことを願う。

課題のTOPに8河野選手が入った。
システムは4-4-2だが、いつもの4-1-4-1から7山本絵選手が下がり気味、14加藤選手が上がり気味の配置と言うべきモノ。



一方のI神戸は5連勝・無失点スタートと、ここまでの結果は満点に近い。
開幕戦以外は圧勝しているわけではないので、チーム内やファンには、攻撃力に不満もあるだろう。
だが、新戦力17成宮選手23浜野選手が馴染んできているし、
9田中選手もコンディションが上がってきていて、充実しようとしている。

一方、15羽座選手が離脱した3バックは、星川監督の悩みどころのよう。
最初は、プレシーズンマッチで浦和の9菅澤選手に負けなかった高卒新人19竹重選手に期待したのだろうが、
東京NBの9植木選手・20木下選手らに翻弄されてしまっている。

この試合は、6伊藤選手を一列下げて対応しているのだが、リーグ内でも屈指?の小柄・軽量。
布陣を見て、多くの人が「この試合の一番の見所」とするだろう。



 

試合展開としては、I神戸が支配し、前半飲水タイム前に先制点を奪う。
後半は、EL埼玉も盛り返したが、両チーム決め手を欠いて1-0のままだった。

ボール保持率 EL埼玉48-52I神戸(FootyStats)
シュートの状況は下図をご覧下さい。



 

EL埼玉は、前半左サイドを崩され続けた。
まず、2木下選手23浜野選手24水野選手にスピードで負けて、左右のSBを入れ替える。
一時治まったが、2守屋選手が入って、裏へと抜け出され、また多くのチャンスを作られる。
後半FW29祐村選手に出所の6伊藤選手をケアさせて、ようやく劣勢ながらも落ち着かせた。

攻撃の方は、精度を欠いていて、なかなかI神戸ゴールに迫れない。
チャンスは、21分の24吉田選手の抜けだしと、53分のコーナーキックからの7山本絵選手のシュートだったが、5三宅選手GK山下選手に防がれて無得点に終わった。

全体的に見れば、チームとしてまとまった動きをしている。
試合を経るごとに守備が安定してきているし、攻撃の際の押し上げも一体感が出てきて、良い方向に有ると思う。
ただ、決め手がないんですよね・・・。



一方のI神戸は、しっかり勝ちきって、無失点も継続、結果は出している。

だが、内容的には不満が残っただろう。
この試合の最大のテーマは、6伊藤選手のバックス起用で、3バックからの攻撃の活性化。
前半は機能したのだけれど、後半相手FWにケアされると、右サイドが減速してしまった。
その分左サイドから崩せれば良いのだろうが、16西川選手が上がりを見せても、あまり効果的にならない。
結果、後半は良いところがほとんど無かった。

この試合、I神戸は何をしているのやら?
決定的なシュートを外したことなど、選手たちのプレーについて言っているのではなく、星川監督の采配について、である。

24水野選手が前半飲水タイムで、23浜野選手をハーフタイム、56分で17成宮選手と、
怪我でなかったら、負けてもいないのに、早い交代。
85分の9田中選手に代えて、20長江選手のFW投入に至っては、意味不明。
 

そもそも、パワー勝負のFW戦を仕掛けて来る次8節の@浦和、9節の新潟L相手に、6伊藤選手のバックライン投入は、考えにくい戦略。
辛抱してでも大型DFの19竹重選手を使う方が、今後の布石として順当だ。
最下位相手だから、色々試すチャンスではあったが、ストーリー性を持たせるべき。


では、いつものようにコーナーキックを見ていく。



(1)両チームのディフェンスシステムと攻撃態勢。


EL埼玉は1-4-3(+2)のゾーンディフェンス。今シーズンの定番形。
3列目の3人は特にマンマーク的な動きはせず、ボール中心の対応をしている。


I神戸マンツーマンディフェンス中心で4人をゴール前にゾーン固定配置し固めている。

6伊藤選手もコボレに対応すべく、マンマークはしていない。
7山本絵選手、走り込んでくる4人の内中3人にはマンマーク付けるが、1人余らしている。



ちなみに、先発選手を身長順に並べると以下のよう。



互角の範囲内の高さ関係。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。



 

2nd回収A:守備ラインが上がり切る前に2次攻撃(シュート・クロスなど)
2nd回収B:守備ラインが上がりきってから2次攻撃(同上)
2ndロスト:守備側がボールを拾って確保
2nd逆襲:守備側がボールを拾って逆襲
トータルシュート数:{プレーの中断、守備側の確保、撃側バックス陣帰陣}までに打ったシュート数。


(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.EL埼玉のコーナーキック


a)体制

キッカーは5瀬戸口選手(右利き)。
受け手の体制は以下のようにして始まっている。

・ニアへ: 24吉田選手14加藤選手
・正面からファーへ:2木下選手6瀬野選手
・GK脇: 7山本絵選手20岸選手
・ショートコーナー: 8河野選手
・コボレ狙い: 23中村選手
・セーフティー:13又吉選手

b)結果概要

1本目 (04:09 ポインタ14:18) 右CK 5瀬戸口選手GK山下選手キャッチ。
2本目 (52:39 ポインタ1:19:9) 左CK 5瀬戸口選手20岸選手ヘディング流し→7山本絵選手シュート→GK山下選手ファインセーブ・24吉田選手シュート。外れてGキック。




c)全般的な印象と特記すべきプレー

2本目は惜しかった。
I神戸は、PKアーク付近に集まったEL埼玉4選手の内、6瀬野選手10杉田選手2木下選手2守屋選手が付いて、7山本絵選手29祐村選手にはマークを付けていなかった。
2守屋選手7山本絵選手がブロック、ニアへ走り出した2木下選手は完全にフリーになっている。
ボールは11髙瀨選手を出し抜いた20岸選手がニアサイドでヘディング。
ゴール正面でフリーになっていた7山本絵選手の足下へ到達、シュート。
GK山下選手のファインセーブに阻まれたが、24吉田選手が詰めてシュート。
惜しくもゴールを外している。



動画:キック5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=LFKShCxM164feature=youtu.be&t=4744

EL埼玉は惜しかったですね。I神戸はよく止めましたね。
以下にこのプレーのポイントを記述します。

①I神戸が余らせた7山本絵選手が良い働きをしている。
7山本絵選手が、自分より強い2木下選手を活かすためにピックプレー(:リンク参照)を行っている。
I神戸のように、5人の選手を固定配置していると、マークを付けない選手が発生する。
この選手が何もしなければ、I神戸の思惑通りなのだが、このように働けばヘディングが強い選手をフリーにすることが出来て、チャンスになる。


2守屋選手の「次の」対応は疑問

キックが蹴られても7山本絵選手にしつこくブロックされていた2守屋選手だったが、7山本絵選手がゴール正面で緩めたため、2木下選手を捕まえにニアへ寄った。
だが、ボールはその横を抜け、7山本絵選手のシュートを許すことになっている。


そのまま7山本絵選手をマークしておくべきだった。

2木下選手は、すでにニアサイドへ出て行った後だったので、今更捕まえに行く必要はなかった。


7山本絵選手・24吉田選手のシュートを許したのは、I神戸の守備システムの課題
7山本絵選手は元々余らせていた選手。
と言うことは、本来16西川選手5三宅選手は、どこに居るのか把握しておかなければならないハズ。
でも、どちらも対応できていない。
さらに、26天野選手7山本絵選手のシュートをブロックに行かざるを得なくなって、24吉田選手を捨てることになっている。
その24吉田選手にゴール前に詰められた訳だから、マークの26天野選手の責任じゃ無くて、2人の責任。
コーチを交えて大いに議論されるべき問題だと思う。



B.I神戸のコーナーキック

a)体制

キッカーは、7中島選手8阪口選手(右利き)。10杉田選手(左利き)
受け手は以下の体制で始まっている。その後もほぼ同じ形。

・ニアへ:9田中選手10杉田選手
・正面からファーへ: 16西川選手11髙瀨選手
・GK脇:23浜野選手
・ショートコーナー: 24水野選手
・コボレ狙い:  17成宮選手
・セーフティー:  6伊藤選手5三宅選手


b)結果概要

1本目 (13:43 ポインタ23:52)  左CK 7中島選手8河野選手20岸選手ヘディング→混戦・24水野選手
6伊藤選手回収ドリブル→7中島選手6伊藤選手クロス→10杉田選手ヘディング→2木下選手クリア→16西川選手ヘディング
7中島選手回収→17成宮選手11髙瀨選手17成宮選手5三宅選手17成宮選手23浜野選手17成宮選手9田中選手6瀬野選手24吉田選手5瀬戸口選手。組立。
2本目 (27:23 ポインタ37:32) 右CK 7中島選手24吉田選手5瀬戸口選手クリア
17成宮選手回収7中島選手クロス6瀬野選手ヘディング→24吉田選手23浜野選手
7中島選手回収→10杉田選手シュート→GK浅野選手キャッチ。
3本目 (45:55 ポインタ1:12:25) 右CK 7中島選手11髙瀨選手ヘディングシュート→9田中選手ヘディングシュート→GK浅野選手キャッチ。
4本目 (74:17 ポインタ1:40:47) 左CK ショートコーナー 8阪口選手6伊藤選手クロス→20岸選手クリア
8阪口選手回収→6瀬野選手ヘディング→24吉田選手18橘選手。以下逆襲。

 



5本目 (87:16 ポインタ1:53:46) 左CK 8阪口選手5瀬戸口選手ヘディング→8河野選手27唐橋選手クリア。スローイン。
6本目 (88:46 ポインタ1:55:16) 左CK 8阪口選手20岸選手ヘディング→10杉田選手ヘディング→16西川選手3松久保選手クリア
⇒5三宅選手回収・フィード→2木下選手ヘディング。再CK。
7本目 (89:16 ポインタ1:55:46) 右CK クイックスタート・ショートコーナー 10杉田選手7中島選手10杉田選手27唐橋選手カット。スローイン。
8本目 (92:27+ ポインタ1:58:58)  右CK ショートコーナー 7中島選手6伊藤選手クロス→6瀬野選手ヘディング→24吉田選手6伊藤選手カット。スローイン。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

やはりI神戸:星川監督はゾーンディフェンスに対する攻略法を持っていない。
前半は普通に蹴ったがうまく行かなかったので、後半8阪口選手を入れて、ショートコーナーで揺さぶるように指示したくらいの内容が見て感じられる。

でも、正面~ファーサイドで構えている16西川選手11髙瀨選手はそれなりに強い。
EL埼玉相手なら、十分戦える。
実際綺麗なシュートは出来なかったが、EL埼玉に良いクリアもされていない。
互角以上に戦えていたと思うので、正面~ファーサイドを根気よく狙えば、
アドリブとEL埼玉の乱れを待つだけのショートコーナーより、チャンスは有ると私は考える。

なお、EL埼玉より高いチームがゾーンを敷いてきたら、その時は、ちゃんと準備をして、ニアを中心に攻めるべきだとは思う。


 以上です。

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2-5 局面的な技術:パターン③ ブロック&ラン 2015/12/10


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10/30(土)2021-22 Yogibo WEリーグ vs INAC神戸レオネッサ 試合結果
https://www.as-elfen.co.jp/information/744/

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2021-22 Yogibo WEリーグ 開催日時 2021年10月30日(土)14:00キックオフ 会場 熊谷スポーツ文化公園陸上競技場 対戦相手 ちふれASエルフェン埼玉
https://inac-kobe.com/match/result/344