2020年は、コーナーキックにおける各マッチアップ(平面戦)の状況を採点してみました。
各チームのコーナーキックまとめていく間に、何度も数字を使っていますので、
まとめてみようと思います。
攻撃は点数が高いほど、守備は点数が低いほど、優秀だと言えるのですが、
ただ、使った数字は、確実に言えそうな部分だけで、細かな比較には使っていません。
と言うのも、後述する諸事情があって、不公平感が伴う数字だからです。
したがって、数字だけをあんまり真剣に見てもらうと困るのですが、
こんなこともやっていたことを報告します。
2021年も継続しますが、再度活用するかは、状況次第です。
1.採点方法
各コーナーキックにおけるマッチアップ関係で、平面戦での攻守の優劣を採点。
集計しています。
A,採点する対象
①コーナーキックをゴール前に蹴った場合のみ採点。
ショートコーナーや時間つぶし、キックミスなどは除外。
②攻撃側がゴール前に走り込もうとした場合のみ採点
・まず、攻撃陣では、キッカー、GK脇で場所を取る選手、コボレ対応でゴールに詰めない選手、セーフティーで下がっている選手は対象ではありません。
そのマーク関係にある守備選手も採点外になります。
・走り込む体勢を取っていても、マークが付いていない攻撃選手は除外。
・マッチアップ関係が有っても、仕掛けなければ採点していない。
例えば、ファーで待っているのに、ニアに低いボールが出て、最初から諦めてたら採点外。
ニアではほとんど見上げるだけの結果でも、一応ダッシュするケースが多いので、ファー側より採点数は多く付いている。
・ニアの方が点数が出やすい。
ニアでは全力でダッシュしている間に点数が付くが、
ファーでは、ボールの落下点を見極めている間に、守備側に間合いを詰められる。
さらに、ファーではしっかり溜めてからダッシュすれば点数が付き易いが、
落下点に先に入って場所を取るようなやり方は、点数が付きにくい。
B.点数の基準
以下のように採点しています。互角ならは5点です。
3点:守備側完勝
ボールの落下点や軌道に対し、守備側が、両肩とも攻撃側の前に入っている状況。
具体的には完全に背負って居る様な状況。
4点:守備側有利
ボールの落下点や軌道に対し、守備側の片肩が攻撃側の前に入っている状況。
競りにはなるだろうが、守備側が有利な状況。
5点:イーブン
肩の側面同士で争っている状況。
実戦では、なかなか無く、多くの場合は4点か6点と判断出来る。
6点:攻撃側有利
ボールの落下点や軌道に対し、攻撃側の片肩が守備側の前に入っているなどの状況。
あるいは、走り込んで先を走っているのだが、距離が離れていない状況。
まとめて言えば、攻撃側が有利なのだけど、競りになるのは必須となる。
7点:攻撃側の勝ち
攻撃側が、守備側を引き離していて、立ち止まったり緩めたりしない限り、フリーでボールに先着できる状況。目安は1m以上引き離していること。
8点:攻撃側完勝。
攻撃側が、立ち止まったり緩めたりしても、フリーでボールに先着できる状況。
目安は3m以上離していること。
よっぽどディフェンスが甘いか、ピックプレーがガッツリ掛かった時。
2.不公平感が伴う理由(統計としての不確実性)
A.母数が少ない。
B.相手関係が平等で無い。
①独自データですので全対戦・全コーナーキックを評価したモノではない。
②相手選手によって大きく変わる。
攻撃のエースには、守備のエースが付くので、実は点数が出にくい。
逆に守備の苦手な選手に付かれた3・4番手の選手の方が、点数が上がり易い。
C.評価が出ないのが最高の守備?
守備が極めて良い選手の周囲にはキックを蹴らないことも考えられる。
個人としての最高の守備評価は、「守備機会が無いこと」なのかも知れない。
D.ニアに先頭で走る選手は、高めの数字が出る。
走りを緩めることは少ないので、めったに背負われる様な事は無い。
そのため、高めの数字が出る。
個人評価では、「補正」として、「各順番の平均値」/「全体の平均値」で修正した値も記載した。
この修正が適当かどうかは、曖昧です。
3.実際の採点例
ちなみに2019年は、「攻撃側が見てるだけ」の状況を「3点:守備側完勝」としていたために、
集計しても何の傾向も得られずで、泣く泣く 没にしています。
4.データー整理・結果
A.チーム成績
B.個人成績
5.言えること
前述の通り不公平感のあるデーターだし、マッチアップは平面戦だけではなく、空中戦との総合戦ですので、参考程度にしかならないのですが、以下のようなことが言えると思います。
①攻撃より守備に特徴が現れやすいようです。
おそらく、守備力の方が各個人の能力差があるのでしょう。
②マイナビ守備が素晴らしい。
特に奥川選手やエースをマークすることが多い國武選手が、引き締めている。
2年ほど前は高さに頼った守備をしていたが、全く別のチームの様になった。
③特筆すべきは伊賀FCの宮迫選手とマイナビの奥川選手。
奥川選手の相手していたのは3・4番手の選手が多かったとは言え、補正後3.76はすごい。
宮迫選手は、相手エース級をマークしての補正後4.01。数字以上の価値がある。
この2人の平面的な守備力は別格のようである。
④伊賀FCとC大阪堺はゾーンディフェンスの考え方が違うのだろう。
システム的に8人でゾーンを組んで、2人をマンマークで付けるのは同じだが、マンマークで付ける駒に差がある。
マークを信頼できる2枚を持つ伊賀FCと、
ゾーンの中央に高さ・強さを持つ宝田選手を置くC大阪堺では、
自ずと監督さんが描くコンセプトが変わってくる。
以上です。
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