こんにちは。世田谷区千歳船橋 せたがや漢方堂 の横山ですニコニコ

春は新しいことが始まる季節。
暖かくなって花粉症もそろそろ終われば、外出も楽しくなりますね。
そんなウキウキ楽しい気分の方もいれば、春になったというのになんだか気分が晴れない、その上疲れやだるさが取れなくて…という方も多いのでは?

ということで、今日は春なのに楽しい気持ちになれない方、「もしかしてこれってうつ?」と心配な方に、うつの漢方薬のお話です。


大切な人を亡くしたり、失恋したり、受験に失敗したり、仕事がうまくいかなかったりと、明らかな理由があって気分が落ち込むのは誰でもあることです。ゆっくり休んだり、気分転換したり、誰かに話を聞いてもらったりすると、時間はかかっても少しずつ辛い気分は改善していきます。

そういった特別な理由もなく、憂鬱な気分がずっと続いたり、なにもやる気がおきなくなったり、だるくて起きるのがしんどくなったり、という状態がある程度続いているようなら、「うつ状態」と言えるかもしれません。

こういった精神状態以外にも、不眠になったり、食欲が無くなったり、首や肩が痛くなったり、頭痛が続いたりするのも、「うつ状態」のために起きている可能性もあります。

女性の場合、産後や更年期といった、ホルモンバランスが大きく変わる時期にうつ状態に落ち入りやすくなると言われています。
男性より女性の方がうつになりやすいと言われるのはこのためです。

心療内科や精神科などでうつ状態であると診断されると、抗うつ薬や精神安定剤、睡眠薬などが処方されます。カウンセリングを勧められることもあります。

こういった向精神薬は、最近は効果も高く、副作用もだいぶ少なくなってきているということですが、いったん始めるとやめることが難しく、また依存性も否めません。
また、そういった向精神薬を飲むこと自体がストレスになる方もいます。

そこで、漢方薬の出番です!


漢方薬にはうつを改善する処方がたくさんあります。

東洋医学的には、うつは「気」の病だと言われています。そして五臓(肝心脾肺腎)のなかでは、主に肝(かん)と深い関わりがあります。

気の病にも種類があり、それぞれ飲むべきお薬は変わってきます。ここでは、うつと関連の深い気の病についてご紹介します。



●肝気鬱結(かんきうっけつ)
肝は自律神経の調整をする場所ですが、ストレスや緊張に弱く、精神的な変動が過度になると、トラブルを起こします。
本来、肝は、気を伸び伸びと外に動かしていく役割をしていますが、肝がトラブルを起こすと、その動きが滞り、気が詰まってしまうのです。
出てくる症状としては、憂鬱感、イライラ、ヒステリー、ため息が多い、胸や脇が張った感じがして苦しい、食欲不振、便秘と下痢を繰り返す、不眠、頭痛、生理前症候群などです。

肝気鬱結の代表処方は四逆散(しぎゃくさん)です。この中の柴胡、芍薬の組み合わせが、解鬱作用が高いと言われ、他にも様々な処方に使われています。

加味逍遥散(かみしょうようさん)、柴胡疏肝散(さいこそかんさん)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)など。
どの薬を使うかは、症状や体質を見て決めていきます。

また、喉に詰まった感じがあり、飲み込んでも吐いてもとれない、という時は、肝気鬱結に痰(たん:体内のドロドロした不要な水分)を伴うものと考え、よく半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を使います。

これらのお薬を飲むと、気の流れが正常化され、気分的にとてもすがすがしくなってきます。憂鬱感やイライラが改善されると、食欲も出てきて、だんだん元気になってきます。


●気虚(ききょ)
文字通り、体内の「気」が不足している状態です。過労や、病後など、体力を消耗したためになる場合と、肝気鬱結などの気滞が長く続いたために気虚になる場合もあります。

気は体内の血や水を動かす役割をしていますが、気が不足するとその動かす力が弱まり、血流が悪くなって冷えを感じたり、水分代謝が悪くなってむくみやすくなったりもします。

現れる症状としては、朝起きるのがつらい、やる気が出ない、疲れやすい、頭がぼーっとする、集中力がなくなる、息切れ、食欲不振、風邪をひきやすく治りにくいなどです。

気虚を改善する代表処方は補中益気湯(ほちゅうえっきとう)です。この中に入っている人参と黄耆(おうぎ)が気を補う作用が強いです。
また、気だけでなく血も不足している場合は、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)もよく使用します。

これらのお薬を飲んでいくと、だんだん気が補われ、うつ特有の無力感が無くなり、だんだんと元気になっていきます。


うつ状態を抜け出すためには、漢方薬の服用だけでなく、夜早く寝て朝きちんと起きる、適度に体を動かす、決まった時間にきちんと食事を取るなど、規則正しい生活を続けることもとても重要となります。
心と体は密接に結びついているため、体がきちんとしていないと、心もなかなか改善しないものです。

うつ状態の人にとって、自力で生活を改善していくのは難しいことだと思います。
まずは漢方薬を飲んで少しだけ元気になってきたら、できることから少しずつ始められるといいと思います。


まだ抗うつ剤を飲んでいない、うつ状態の方は、漢方だけでも改善は可能ですが、病院で「うつ病」と診断され、抗うつ剤を服用している方は、自己判断で薬をやめたりせず、漢方を併用する場合は必ず主治医の先生に相談してください。


うつの漢方は自分で選んで飲むのはとても難しいと思います。必ず漢方の専門家にご相談ください。


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