『生の短さについて』 | セセデブログ

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「忙しい!」

「時間がない!」


誰もが一度は口にしたであろうこの台詞。

「もっと自分の時間がほしい」と

嘆いている人は少なくないことだろう。


そんな人々にオススメしたいのが、この本。



生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)/岩波書店

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2千年前の古代ローマを生きた

思想家・セネカの名著である。

主題は明快。

一言で、「人生は自分次第」だということ。


彼は言う。


「われわれは短い時間をもっているのではなく、

実はその多くを浪費しているのである。

人生は十分に長く、

その全体が有効に費されるならば、

最も偉大なことをも完成できるほど

豊富に与えられている」。


そう。そうなのだ。

時間を不足させているのは、

他でもない、自分自身の「浪費癖」なのである。


「飽くことを知らない貧欲に捕われている」

「無駄な苦労をしながら骨折り仕事に捕われている」

「他人の意見に左右され、疲れ果てている」

「高位の者におもねって、屈従に甘んじながら身をすり減らしている」

 …

このような「忙しさ」は、

人生を「他人に奪われている」も同然。

これはもはや「人生」ではなく、

ただの「時間」に過ぎない!


そんな彼の忠言を追っていけば、

きっと誰もが自身の「無駄の多さ」、

そして「時間の大切さ」を実感できることであろう。


「どんな人生を生きたい?」

「何のためにここで働いている?」

「自分にとって、本当に大切なこととは?」


その「答え」はここには書かれていない。

だがそれは、

「答えは自分で見つけだしてこそ意味がある」

というメッセージの裏返しにも感じられた。

読めばきっと自分の「行動原理」を掘り返さざるをえなくなる。

そんな力を持った本だ。


さほど文章量も多くなく、

平易な言葉で語られているため、

2時間もあれば読めると思う。

「多忙な」日々を送る現代人にこそ、

一度立ち止まって読んでほしい。

読み終わるころには、

今すぐに何か行動を起こしたくなることうけあいだ。


・・・さて、あなたがこのブログを読んでいる時間は、

「浪費」であっただろうか?