「忙しい!」
「時間がない!」
誰もが一度は口にしたであろうこの台詞。
「もっと自分の時間がほしい」と
嘆いている人は少なくないことだろう。
そんな人々にオススメしたいのが、この本。
生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)/岩波書店
¥882
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2千年前の古代ローマを生きた
思想家・セネカの名著である。
主題は明快。
一言で、「人生は自分次第」だということ。
彼は言う。
「われわれは短い時間をもっているのではなく、
実はその多くを浪費しているのである。
人生は十分に長く、
その全体が有効に費されるならば、
最も偉大なことをも完成できるほど
豊富に与えられている」。
そう。そうなのだ。
時間を不足させているのは、
他でもない、自分自身の「浪費癖」なのである。
「飽くことを知らない貧欲に捕われている」
「無駄な苦労をしながら骨折り仕事に捕われている」
「他人の意見に左右され、疲れ果てている」
「高位の者におもねって、屈従に甘んじながら身をすり減らしている」
…
このような「忙しさ」は、
人生を「他人に奪われている」も同然。
これはもはや「人生」ではなく、
ただの「時間」に過ぎない!
そんな彼の忠言を追っていけば、
きっと誰もが自身の「無駄の多さ」、
そして「時間の大切さ」を実感できることであろう。
「どんな人生を生きたい?」
「何のためにここで働いている?」
「自分にとって、本当に大切なこととは?」
その「答え」はここには書かれていない。
だがそれは、
「答えは自分で見つけだしてこそ意味がある」
というメッセージの裏返しにも感じられた。
読めばきっと自分の「行動原理」を掘り返さざるをえなくなる。
そんな力を持った本だ。
さほど文章量も多くなく、
平易な言葉で語られているため、
2時間もあれば読めると思う。
「多忙な」日々を送る現代人にこそ、
一度立ち止まって読んでほしい。
読み終わるころには、
今すぐに何か行動を起こしたくなることうけあいだ。
・・・さて、あなたがこのブログを読んでいる時間は、
「浪費」であっただろうか?