…ライバルではない、ひとつのチームとなって頂上に登りつめた南北選手たちは、
抱きしめあい、涙を流し、競技場は、<コリア>の歓声で時間が止まったかのようだった。
そして21年が過ぎた。
しかし彼らがまた会うことは出来なかった。…(制作ノートより)
1991年 第41回 世界卓球選手権大会で、
史上初めて結成された北南単一チームの実話を基にした映画だ。
お互いの理念の違いを超え、北と南が一つになった奇跡の瞬間。
事実として知っていた話だが、映画通して改めて感じたことが多かった。
北南はもちろんのこと、実際にこの歴史的瞬間に居合わせた多くの在日同胞たちが感じた、はかりきれない感動と統一への希望。
しかし、現実として見えてきた統一への道のりが、
こんなにまで遠のくとは誰が想像できただろうか。
同じ民族でありながら、<分断>という壁に阻まれ、警戒し合うが、
時間の流れとともに、一つの目標のもと、
純粋に同世代の若者同士、心を通わせあう過程は
見ていてとても心温まった。
しかしそれ以上にその後単一チームを組むことができていない現実に
心が痛んだ。
南の大統領選を控えた今、ぜひたくさんの人に見てもらいたい。