チェサの仕方 | セセデブログ

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今さらですが、正月の話を一つ。


うちは正月に必ずチェサをするのですが

アボジが次男なので長男であるクナボジとハルモ二がいる、

兵庫でチェサをします。


一般的なチェサといえば、

ナムル、チジミ、ジョン、豚肉、果物などのパンチャンを並べて

クンチョルをする…というものだと思うのですが、

うちではクンチョルをするのは男性だけで、女性は参加しません。

男性陣がクンチョルをしている間、女性陣は何をしているかというと、

特に何もしていません(笑)。

隣の部屋で雑談していたり、テレビを見ていたりします。

男性は小さな子どもでも参加します。

今回も従兄弟のオッパの3歳の長男も一緒にチョルしていました。

(チョルというか、寝そべっていました。笑)

そしてチョルが終わると、

女性陣が猛烈な勢いで食卓の準備をします。

食事の際も、もちろん男性陣が部屋の奥のほう、

女性陣はより台所に近い入り口付近というのが定位置です。

これが我が家のチェサです。



私は高校生になるくらいまで、

女性もクンチョルをするものだと知りませんでした。

(もちろん男性だけがするという家もあると思いますが)

それまで「チェサは男性がするもの、その準備は女性がするもの」と

頭の中に植えつけられていたので、

女性も一緒にチョルをする姿に、いまだに違和感を覚えます。

なので、私は27年間一度もクンチョルをしたことがなく、

仕方もわかりません。

我が家でチェサをする限り、それを知る必要もなかったのです。



これは昔の封建思想の名残だと思うのですが、

こうも当然に、現代を生きる私の中にも根付いていると思うと

風習の力というのはすごいものだなと実感します。

封建社会であったかつての朝鮮では、

女性には名前が与えられず、教育も受けられず文盲であったといいます。

今では考えられない話ですが、

私の中に観念化されている「チェサの仕方」も

その一端であることには間違いありません。


クンチョル以外にも、

民族の大事な風習であるチェサの仕方は千差万別。

故郷や家柄などによって様々な風習が隠れているんでしょうね。




余談ですが我が家のチェサでもう一つ、他であまり聞かないものがあります。

それが「タンクッ」というスープ。

細かく刻まれた大根、こんにゃく、かまぼこ、牛肉などがたくさん入ったスープで

チェサパンチャンには欠かせないんですが、

他ではほとんど見たことも聞いたこともありません。

我が家では「タンクッ」と呼んでいますが、

そもそもこの名称があっているのかも定かではありません。(方言かも)


どなたか分かる方、もしくはうちも作るという方はいますか?