一日一生 (朝日新書)/天台宗大阿闍梨 酒井 雄哉

¥735
Amazon.co.jp

一つひとつの言葉が温かくて。そして、二度も千日回峰行という偉業を達成したにもかかわらず謙虚で。

つい、無意識に肩に力を入れた生き方をしてたり、結果を出そうと苦しんだりしがちだが、この本を読むとほっとさせられる。

なぜなら、失敗や間違いと思っていた過去も含めて、すべてを受け入れているから。



「自分なりに腑に落ちると、人はついそこで考えるのをやめにしちゃう。
でも、答えが分らないといつまでも考えるだろう。肝心なのは答えを得ることじゃなく、考え続けることなんだな。」

という言葉が心に残った。森羅万象において謙虚でなければ、きっと考え続けることは出来ないだろう。

つい忘れてしまいがちな謙虚な気持ち、折に触れて何度も読み直したい本だ。
広告マーケティング力/著者不明

¥1,680
Amazon.co.jp

広告代理店のマーケティングという、一言ではなかなか説明できない業務に携わっている方達に対して行われたインタビュー本です。

世の中はまだまだ捨てたもんじゃないな、と嬉しいエネルギーをもらえる、そんな熱意が詰まったインタビューばかりです。

いわゆる成功者とよばれるような企業トップのインタビューと異なり、現在はマネージメント側に移行しつつも、 ”現場”に身を置いている人達の、生の意見や感覚が凝縮されてると思いました。



私自身、外資系ブランドで宣伝/広告を担当しているので、この本の中で言う「クライアント」側の人間ですが、

自分が広告代理店の方とお仕事をさせていただくに際して、私自身もそれに応えられる情熱を持っていたかと反省する思いで読みました。

それにもまして、「私もこういう仕事をしてみたい!」と純粋に思う素敵なインタビューばかりで、学生時代にこういう本があったらと思いました。

ですので、世の中には自分が知らないいろんな仕事の可能性がある事を知るきっかけになればいいなぁと思います。

そして、最近刺激が少ないなぁと思っている人がいれば、間違いなく刺激を受けると思います。

おそらく、世の中が平坦なのではなく、自分のパースペクティブ(物事の見方や捉え方)が平坦な事に気づくでしょう。



非常に優秀な方々のインタビューばかりで、そのスケールの大きさに多少辟易するかもしれません。

そして、業界用語が含まれているので、業界を知らない方が読まれると意味が分からない箇所がいくつかあるかもしれません。

それでも、その人なりの哲学や熱い思いは充分に伝わってくるはずですので、一読をお勧めします。

生きるチカラ (集英社新書)/植島 啓司

¥735
Amazon.co.jp

「生きる」をキーワードに、どんな瞬間に私たちは本当に「生きている」のかを的確に文章にした視点が素晴らしい。
読んでみれば、当たり前の事や普段から思っていた事をこの本の中にたくさん見つけられると思うが、
”当たり前”な事を改めてピックアップするのは本当に難しい。


つい短絡的に、正しい選択さえすれば成功と幸せが約束されていると考えがちだが、
あらゆる選択には「正しい」も「間違い」もなく、言ってしまえば、全ての選択は間違いを含んでいると著者は説く。
元プロサッカー選手のカズの下記の言葉を受けた引用はまさにそれを表している。

「一人の人間にとっての成功が世間的な評価と直接的に結びつくわけではない。
それより、自分に起きる事を全てポジティブに受け入れられたら、それは自分にとって『成功』なのではないか」

このカズの言葉は、帯にも書かれている「表面的な成功に一喜一憂すべきではない。
それがわからない人は永遠に人生がわからないということである」にも当てはまる。


Lesson1から6で構成されている中で私が最も共感したのがLesson5「人間支離滅裂でかわまない」の章だった。
その中の「自分には正反対の『自分』が隠されている」「イヤなことはやらない」、「欲張っていろんな人生を生きる」という箇所は、
普段何気なく生きる中で心に留めておきたいと思った所だ。
これらはおそらく社会では通用しない観念ではあるが、著者が繰り返す「生きる」ことに彩りを与える事には通じている。

なぜか、ユーミンの歌の「やさしさに包まれたなら」を思い出した。直接関係ないとは思うんだけど。