人間の器量 (新潮新書)/福田 和也

¥714
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「かつての日本人の生き様の喪失」に関して、その功績と弊害を挙げています。

器量が培われた背景として、戦争と貧困による身近な不幸を大きな原因として捉えていますが、誤解を与えないように丁寧に書かれています。

第一章では教育と時代背景をもとに、国内外に至るまで、平板ではない人物像を評価する事の大切さを説いています。

つまり、「人というのは、複雑で多面的な存在(途中省略)という当たり前の事が、今の世間から、完全に抜け落ちているのです。」と本文中にもある通り、

能力の有無や印象の善し悪しという、一方からの薄っぺらい物差しのみで人を判断する傾向にある事への警戒です。



器量の大きかったと言われている、歴史上の人物を例に第二章は進められています。

しかし、ちょっと例が多すぎて、この第二章がタイトルからかけ離れ、「偉人伝」になってしまった気がしました。

そして第三章では、器量を大きくする5つの道を提案してますが、説得力がないように感じて、あまり印象に残っていません。

なので、全体的に良い本だとは思うのですが、上記の理由で☆は3つです。
赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)/スタンダール

¥800
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スタンダールは「パルムの僧院」を読みかけた事があったものの、文体に慣れなくて読めなかった。

その経験も手伝って、海外古典文学にはなかなか手出しができなかったものの、公開中の映画を見るため、小説を読んでみる事にした。

前回の教訓から、読めなかったら意味がないので、読みやすいと評判の光文社古典新約文庫をあえて選んだ。

実際、とても読みやすかったので、下巻は1日ほどで読み終えてしまった。

物語の冒頭は、人物や土地、人間関係の説明に多くを費やし、読み進まない。

しかし、物語に躍動感が出てきた後は、やめられないおもしろさがある。

古典文学、という意識があったので、もっと退屈なのかと思ったのは大間違いだった。

180年近く前に書かれた、現代とは全く異なる時代、そしてフランスが舞台なので、国や風習、価値観が全く異なるにもかかわらず、

仕事や金銭、恋愛に関する野心や悩みにこんなにも共感できるとは思っても見なかったからだ。

読み継がれ、現代にも残っている作品にはやはり、現代の私たちをも引きつける魅力があるからこそ生き続けている事を改めて実感した。

大変面白かったので、他の訳者による「赤と黒」と読み比べたい。
大事なことはすべて記録しなさい/鹿田 尚樹

¥1,500
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参考になる事もあったし、実際に私自身も実践している事も紹介されていたのですが、

著者のこだわりとルールが満載で、このやり方を実践しようと思うと、始める前から疲れてしまう感じです。

記録のコツではなく、それを活かしていかに自己成長につなげるか、という事についての記述が多いように思いました。

例えば、ICレコーダーで自分の会話を記録すると、後で聞き直した時に自分の話し方を客観的に分析できるというエピソードはとても興味を持ちました。

それにしても、この本で紹介されてるやり方は、私にはハードルが高いなぁというのが正直な所です。



その点では、現在実行している「100円ノート「超」メモ術」の方がずっと参考になりました。