S&Sは、日本向きだと思う。
青い八朔のほろ苦さ。
きれいな酸。
そして、静かな重心。
だからこそ、日本の食卓にすっと入る。
春なら、山菜の天ぷらを塩で。
山菜の苦みと塩、そして油。
そこにワインのほろ苦さと酸味が重なる。
苦みはぶつからない。
むしろ、奥行きになる。
夏は、アジのカルパッチョ。
魚が苦手な方も、臭いが気にならなくなる。
酸が、輪郭を整えてくれる。
秋は、さんまの塩焼き。
これは一押し。
スダチを絞るような感覚でどうぞ。
柑橘を足すのではなく、ワインで補う。
冬は、水炊き。
ポン酢の酸味に柚子胡椒。
合わないわけがない。
あとは大根サラダ。
青さとドレッシングの酸味が、見事に調和する。
職場のレストランでは、寒ブリのカルパッチョ。
柚子のヴィネグレットとヨーグルトのソースに合わせた。
酸味を楽しむ方向へ、一皿をリードする役割。
ある意味、このワインが料理の方向性を決定づけたのかもしれない。
リーダーとしての素質もある。
癖はない。
けれど、存在感はある。
派手ではないが、場を整える。
ベテラン係長のような一本。
