ドメーヌ・ヴィクトール・ソルナン。
当主フレデリック・ソルナンが手がける、ビオワイン。
ヴィクトールは、息子の名前だという。
親の名ではなく、子の名を掲げる。
そこにまず、やわらかい意思を感じる。
私がフレデリックの好きなところは、
ビオでありながら、酸化防止剤を使うところだ。
といっても、しっかり入れるわけではない。
必要最小限。
この「必要最小限」という考え方が、とても好きだ。
ビオワインといえば、
完全無農薬、酸化防止剤無添加。
もちろん、それは素晴らしい思想だ。
SDGsの観点からも、大切な選択だと思う。
けれど、徹底的に排除する姿勢だけが
正解なのだろうか、とも感じる。
すべてをゼロにするのではなく、
必要なものを、必要なだけ。
そのほうが、ずっと人間的だ。
だからこそ、この
「酸化防止剤は必要最小限だけ」というスタンスが
いちばん柔らかで、心地よく感じる。
排除ではなく、調和。
その思想は、
ワインの味わいにも現れる。
角が立たない。
尖らない。
ふわりと、やわらかく、
甘酸っぱい。
赤ワインに身構えてしまう人にこそ、
味わってほしい一本だ。
ちなみに、私はビオワインを批判するつもりはない。
徹底した思想のもとで造られたビオワインも、大好きだ。
つまり、意味のあるビオワインが好きなのだ。
でも、最後はこれに尽きる。
おいしければ、それでいい。
