ロッキン4日目

前日と比較すると、天候は暑く水分補給を朝からしまくってる

・カネヨリマサル[HILLSIDE STAGE](11:45〜)
この日はサブステージであるHILLSIDE STAGEからスタート
こちらの前説はロッキンオン本誌の編集長を務める山崎洋一郎が行うが、

「出てきた時からくるりやSUPERCAR、チャットモンチーの影響を受けているなと思って。彼らをインタビューしてきたから嬉しく思ったんですが、自分はラブソングをそんなに聞かなくて。「最近のバンドはラブソングが多い」と思っているんですが、最新作の曲(「ラブソングを聞かない君へ」)聞いて、61にして、自分の中でのラブソングへの見方が変わった」

と山崎のラブソングへの見解を変える凄いことを成し遂げたカネヨリマサルがトップバッター
ロッキン初出演にしてトップバッター

SEと共に3人が現れ、ちとせ(Vo. & Gt.)が簡単に自己紹介し、ちとせがギターをかき鳴らす「ひらきとパーキー」で始めるのは、前説の流れに沿っているかのよう
なにせ「ひらきとパーキー」には、

「わたしはくるりを聴きながら」

とくるりの影響わ受けていることを匂わせるフレーズがある
偉大なるレジェンドの影響を受けて、ロッキンの舞台に立っていると宣言するかのように

疾走感抜群な「はしる、夜」でいしはら(Ba.)がバッキバキなベースを突き抜けさせるのもオルタナロックノ影響を受けている証拠のようなものだが、ベースは色々起こっている中でもロッキンに参加し、カネヨリマサルを見てくれることに敬意を示した
ロッキンが開催される数日前、関東では大きな地震が起こっていたし、それ以外でも平穏と言えるような状態ではなかった
だからそうした状況下でも来てくれる方々にはしっかり感謝したい
そんな思いがあったのだろう

もりもと(Dr.)がちとせの歌声を活かすように柔らかなビートを心がける「関係のない人」を演奏したあと、ちとせが客席に合唱を促したのは「ハッピーニューデイ」
A Happy New Yearという言葉はよく聞くけど、Happy New Dayなるワードはそこまで聞いたことがない
でもしがらみも無くライブに参加できることは当たり前じゃない
こうやってライブに参加できる日の多幸感を高める歌が「ハッピーニューデイ」だろう

「私達はロックに救われました。だから私たちのロックで誰かを救えたら。」

と話すちとせ

音楽で世界を変えることは非常に難しいけど、誰かの心を救ったり、マインドを変えていくことは出来る
ちなせ達も音楽に救われた人たち
ならびに客席にいる我々と同じだ
音楽とは継承
きっとカネヨリマサルのロックだって誰かを救うことになるはず

夕焼けをイメージさせるちとせが奏でるメロディーラインに、「もしも」をいつか夕焼けが見れる時間で聞きたいと思いつつ、ラストはバンドのアチチュードを覗かせる「ガールズユースとディサポイントメント」

前日に出演したことConton CandyがHump Backの系譜とするなら、こちらはチャットモンチーの系譜だろうか
まっすぐにロックを鳴らし続けて、掴んだこのステージ
シーンに新風を吹かせるロッキンデビュー戦となった

セトリ
ひらきとパーキー
はしる、夜
関係の無い人
ハッピーニューデイ
もしも
ガールズユースとディサポイントメント

・Mr.ふぉるて[PARK STAGE](12:25〜)
初出演予定だった2022年のロッキンは台風で流されてしまったものの、リベンジも兼ねて初出演となった昨年はやたら演出が派手だったらしいMr.ふぉるて
ロッキンは2度目だし、なんなら自分がライブを見るのも二度目だったりする

カネヨリマサルを終えると、リハからフルスロットルを発揮するかの如く、リハで曲をやりまくるが、いざ「偽愛」で始めると阿坂(Gt)も福岡(Ba.)も最初から台を使いまくり
時刻は12時頃、どう考えても熱い中で台を使いまくる姿勢を見せるならば、「こちらも負けてならない」と勝手ながら闘争本能がつく
客席よりステージは熱いのに、動き回っているのだから

そのスタンスはソリッドなギターロックである「口癖」以降もそうだが、昨年のMr.ふぉるては吉川(Dr.)が休養中でサポートを迎えた編成でロッキンに参加していた
JAPAN JAMで蘇我の地に足を踏み入れたことはあれど、ロッキンに4人で参加するのはこれが初めて
やっと4人でロッキンに参加することが出来た

「涼しく過ごすのもいいけど、ライブ中は気温より熱くなってくれ!!」

と稲生(Vo. & Gt.)が心は熱くなるように促し、「あの頃のラブソング」で阿坂がエモーショナルなギターリフを鳴らすが、吉川は時折コーラスしながらビートを叩きながらも、歌を尊重するようにソフトなドラミングを心掛けている
サポートの力を借りている際、稲生は吉川のドラムがいかにやりやすいかを再認識していたようだが、確かに歌に寄り添ってくれるタイプのドラマーはとてもやりやすいだろう

稲生がハンドマイクとなり、福岡と吉川が難度の高いであろうグルーヴを築く「日常の少し先」はロッキンをはじめ野外フェスや各地のライブ会場を歌っているかのようであり、

「幸せだと思えたら
こんな歌忘れてくれ」

と冒頭に告げられつつも、

「明日の自分を想像して
楽してるやつよりも
今で心を揺らせる君はカッコいい」

と背中をおすフレーズに忘れらるはずのない「さみしいよるのうた」と名曲の連発
サブステージに出演するのが勿体無いレベルだが、福岡のなぞるベースラインがうねりまくり、我々が無敵であることを思い出させる「なあ、マイフレンド」から最後は稲生の声が願うように響き渡る「幸せでいてくれよ」

包み隠さずいえば、Mr.ふぉるてはほとんど予習しないで見ていた
それが逆にMr.ふぉるてを「凄いバンド」と思うようになり、よりMr.ふぉるてのライブを見たいと思うようになった
この日、最も客席とステージの距離を近くに感じたアクト
Mr.ふぉるてはどうか幸せでいてくれよ

セトリ
SC①ジャーニー
SC②夢なずむ
SC③さよならPeace
偽愛
口癖
あの頃のラブソングは捨てて
日常の少し先で
さみしいよるのうた
なぁ、マイフレンド
幸せでいてくれよ

・FOMARE[HILLSIDE STAGE](13:05〜)
ここ数ヶ月ライブを見続けているFOMARE
昨年は出演してないのでロッキンは2年ぶり

いつものSEと共に登場し、

「これ懐かしい気がする…。けど楽しみましょう!!」

とアマダ(Vo.& Ba.)が発したのは、ロッキンがモッシュダイブ出来ないからだろうし、前方エリアがマス目で括られているからだろう
その光景がコロナ禍初期の厳戒態勢だった頃のライブを呼び起こすファクターとなるのは少々意外だが、そのモヤモヤを凍結させるのは「Frozen」の爆音パンク
オグラ(Dr.)がツービートを刻めば、広大なライブハウスへ風景は様変わりする

カマタ(Gt.)が美メロを奏でる「Lani」は初っ端から

「カーテンの隅 灯る光」

の大合唱を起こしていくが、この合唱が起こせることがコロナ禍初期のライブとの違い
前回出演した際は発声すら許されてなかったから
前方のフォーメーションはコロナ禍初期を思い起こすものでも、今と昔で大いに異なる

「日の光が眩しい」

がフェスが始まってまもない昼間に、オグラのスピーディーなヒートと共に駆け抜けた直後、大きいTENGAを持ってきたことをなぜアピールするかは謎だが、

「踊れないけどロックバンドです!!」

と宣言したのはこの日の出演者を考慮しての発言だろう(この日はあまりにダンスアンドボーカルグループの出演が大きく賛否両論となっていた)
ロックバンドであることを誇りに思うかのような宣言

ムロフェスでは時間の関係上出来なかったコールアンドレスポンスでロッキンやFOMAREの愛を確かめあい、カマタの軽快なカッティングと共に

「ほら声に出して 思う事歌えばいい」

と「SONG」でこの時点でただでさえ大きかった合唱を更に行うように働きかけ、ノスタルジックな「夢から覚めても」、ストレートにパンクロックを鳴らす「君と夜明け」と懐かしい曲も次々に連打していくのだが、

「ロックの定義は分からないけど、俺たちがロック」

と再びロックバンドの代表であるかのように発言するのは、ロックを心から愛しているからだろうし、

「俺たちの10年は間違えてないだろうし、ロッキンにも色んなフェスにも呼ばれるバンドでありたい。そしてフェスに参加したお客さんをライブハウスに連れて変えるのが俺たちの使命」

と話したのは、どんなフェスだろうがロックバンドの代表として呼ばれ続けたいこと
ならびにこうしたフェスを入口にライブハウスへ参加者を1人でも連れて帰る使命のようなものを感じた

多分ダンスアンドボーカルグループで参加した方は普段、ホールやアリーナに足を運ぶ方だと思われる
テレビの音楽番組などを見ているだけだと、ライブハウスは名前は知っていても想像しづらい場所だ
でも毎日楽しい事が起こっている
そこに1人でも未経験な方を連れていけば、更に音楽を愛する人は増す

そのライブハウスの風景を再現するように、「愛する人」は参加者同士が肩を組み合い、アマダは最終的に背中越しに歌って、

「永遠を歩いて行くずっと歳をとってもまた
かけがえのないずっと僕たちを繋ぐあの場所も」
「当たり前だった毎日がただ恋しいだけなんだ
当たり前だったその声がただ恋しいだけなんだ」

の合唱を起こす

ライブハウス未経験の方がどれだけ見ていたかは分からない
けどライブハウスの楽しさはこの30分で十分に伝わっただろう
このライブは夢から覚めても忘れそうにない

セトリ
SC①Melody
SC②HANABI
Frozen
Lani
Continue
SONG
夢から覚めても
君と夜明け
愛する人

・リュックと添い寝ごはん[PARK STAGE](13:45〜)
ピンチヒッターで出演した2022年も含めれば3年連続出演のリュックと添い寝ご飯
かつてロッキンオンが主催していたRO69 Jackの出身アーティストでもある

ライブを見るのが1年ぶりなので、ベースの堂免がKing Gnuの勢喜遊のような風貌に変わっていることに戸惑いを隠せないのだが、身体を自然に揺らせながら合唱を促す「Be My Baby」で早速踊らせたあと、3月にリリースされた「Terminal」より「まさかこれをやるとは…」な「Pop Quest」でゲーム世界に入り込んだような音楽を展開
ロッキンオン誌面でゲームミュージックについて熱く語っているポルカドットスティングレイの雫と話が合いそうな気もして来たが、間奏になると沼田(Gt.)が一気に爆音を鳴らし、紅一点の宮澤(Dr.)も性急なビートを刻んだりと「ライブになるとここまで化けるの!?」なアレンジを見せる
さすがは高校生でロッキンに出演したバンドである

リュックソの中心人物である松本(Vo. & Gt.)が、

「今日は特別な日。憧れのミュージシャンと同じ日に出演できています。」

とこの日出演できることをとても喜びつつ、過ぎ去る青春を疾走感あるロックになぞらえた「青春日記」、文字通り宮澤のビートを軸に突き抜けるような速さを出す「疾走」と今度はアップチューンを連発するが、リュックソは毎年見るごとにスケールアップしている
堂免と宮澤が織りなすグルーヴには全くつけいるスキがないくらいに踊らされるし、フラットで伸びやかな歌声を見せる松本
そして、1度聞いたら癖になってしまう「天国街道」では、

「一二三のリズムで踊らにゃ損々!!」

と松本が叫んだ直後に、沼田が再び爆音でギターソロを鳴らす
本当に恐ろしい若手だ
しかもこれで20代前半
まだまだ進化する予感しかしないのがとてつもないポテンシャルと言うべきか

松本がシーンに羽ばたく足がかりとなったRO69 Jackのことを振り返りつつ、憧れの人と同じ日に出演できることを再び口にしたあと、最後は「Thank You for The Music」で全ての音楽に敬礼
ライブを終えると、

「じゃあ星野源さん、僕も観ます〜」

と一音楽ファンに戻ったように笑顔でステージを去ったが、20代と思えないくらいにリュックソの音楽がバラエティに富んでいるのは星野源の影響が大きいのかもしれない

セトリ
SC①グッバイトレイン
SC②恋をして
Be My Baby
Pop Quest
青春日記
疾走
天国街道
Thank You for The Music

・moon drop[HILLSIDE STAGE](14:25〜)
ライブを見るのは昨年のムロフェス以来
JAPAN JAMやCDJには出演したことがあるものの、ロッキンはこれが初出演となるmoon drop
これでロッキンオンのフェスは全て制覇したことに

童話の世界観をモチーフに清水(Gt.)が儚げなメロディーを奏でたり、

「まか不思議な魔法にさ
かけられてるような気分で
午前0時を過ぎる頃に
あっけなく解けませんように」

といかにもメルヘンなフレーズが登場する「シンデレラ」を聞けば分かるように、moon dropは昨日出演したThis is LASTのように喪失をテーマにした失恋ソングが多いバンド
山崎洋一郎が前説で触れていた、まさしく「ラブソングばかりのバンド」の1つであるが、もろに失恋ソングな「ラストラブレター」は坂(Ba. & Cho.)と原(Dr.)によるカントリー由来のリズムで踊らせたりと、失恋ソングやラブソングに興味を持たない方でも踊らせる
人によっては、「またこうしたタイプのバンドか」であってもグルーヴで踊らせてしまえば、誰がなんと言ってもロックバンド
浜口(Vo. & Gt.)は失恋ソングやラブソングに興味が無い方を振り向かせる事が出来る才能を持っているのだ

PPPHのリズムを絡めながら、恋をしてしましったどうしようもなさを丁寧に描いた「どうにもならんわ」で踊らせたあと、

「夏は一瞬だから幻にはしたくない!!」

と過ぎ去っていく夏を幻にはせんという決意証明を行い、いかにも夏らしい「閃光花火」へ繋げて行くが、この「閃光花火」が個人的に素晴らしい
歌謡テイストを大きく出しつつ、愛の手帳を入れることでセンチメンタルな夏模様が更に印象深くなっているから
この1曲で自分はmoon dropが一皮むけたと思っている
moon dropを聞いたことない人にも、「これだけは聞け!!」と太鼓判を押したくなるような名曲だから

そのうえで浜口は、

「これまで出演できなくて悔しかった。」

と思いきり本音をぶちまけたが、

「けど絶対立てると思っていた!!」

とロッキンの舞台に立てる自身を持っていたことを堂々と口にし、元カノのうたこと、「ex.ガールフレンド」で感情爆発
大舞台で歌い上げる

「君の唄を歌ってるんだよ
バカみたいだろ
僕の歌になってるんだよ
夢みたいだろ」

はなんと痛快なのだろう
逃がした魚は大きいとはよく言うが、今回のロッキンにおける1番の事例はまさしくこれだ

そしてラストは夏の情景が次々に浮かび上がる「水色とセーラー服」
1年経過するだけでライブは別のバンドのように良くなったし、曲にも惹かれるようになった
ロッキンオン誌面での取り扱いも大きくなってきたし、一気にシーンの中央も近づいてきた気がする

セトリ
SC①シーブリーズと君の匂い
SC②ボーイズアンドガールズ
シンデレラ
ラストラブレター
どうにもならんわ
閃光花火
ex.ガールフレンド
水色とセーラー服

・Omoinotake[PARK STAGE](15:05〜)
兼ねてから名前は知っていたものの、今年に入り取り巻く環境が急変したOmoinotake
ロッキン初出演である

Official髭男dismのサポートでもお馴染みヌマショーにホーンを加えた5人編成で登場し、アニメ版の「ブルーピリオド(原作は知っていたがアニメの存在を知ったのはつい最近)」の主題歌になっていた「EVERBLUE」から始まるが、ロッキンオンのフェスはAORやシティポップのアーティストと相性がそこまで良くない
Kroiが武道館ワンマンを果たしたあともサブステージだったり、初日に出たBREIMENがガラガラだったりするのもそれが原因だがPARKで収まりきらず、HILLSIDEまで人が溢れるくらいにOmoinotakeを見ている方がいる
ヒットソングがあれば、客層は関係ない
そんな真実を提示しているかのようでもある

強すぎず弱すぎず前に出すぎない冨田(Dr.)のビートがバンドを聞かないそうにもアプローチ出来るようになっている「幸せ」、シンセベースも駆使する福島のベースラインが動きまくる「One day」とダンサブルな曲を連発するが、特筆するべきは藤井の歌声
高い声ではあるものの、トゲにはならずジャズやクラシックで歌唱するシンガーの様な歌声はOmoinotakeの音楽性の土台であるR&Bやプログレに適した歌声
シーンでは中々見かけない個性的な歌声である

藤井は満を持してロッキンに出演できたことの喜びを話すが、Omoinotakeといえば絶対に言及をさせることが出来ないのは髭男
なにせOmoinotakeと髭男は盟友関係にあったから
髭男はブレイクする遥か前の2017からロッキンに招かれていたが、Omoinotakeがロッキンオンのフェスに呼ばれたのは2021のジャパネク
ロッキンがひたちなかのままなら既に呼ばれていたかもしれないが、ヒットソングを出すことでようやく夢の舞台に出演することが出来た
だから喜びは格別なのだ

そのヒットソングこそ「幾億光年」だが、ジャズやR&Bのルーツを崩さずにJ-POPを混ぜることで誰もが親しめるようなポップが出来た
こうしてポップに寄せるのは米津玄師が取った手法だけど、音楽性の芯は全くぶれてない
新たな日常を彩るポップスの誕生である

その「幾億光年」を終えると、案の定人が移動し始めたが、更なる一手として投じた「蕾」はギターレスであってもOmoinotakeが体現したロック
音を歪ませなくとも、細かく曲調を変えることでOmoinotakeなりのロックを表現した
しかもこれ、ヒロアカこと「僕のヒーローアカデミア」主題歌
突破口が開けたことでOmoinotakeはグイグイ上昇する
つまり明るい未来しかない

そして最後はヒップポップやジャズをJ-POPに昇華し、気持ちの良いホーンが鳴り響く「トニカ」だが、自分は2020年の年間ベストアルバム30にOmoinotakeの「モラトリアム」を選出していた
ピアノロックバンドでブラックミュージックを全面的に
しかもギターレスでその形態を実現させていたのが斬新だったからである
それから4年のときを経て、まさかロッキンでOmoinotakeを見れるなんて想像もしなかった
変革の蕾は芽吹いてきている

セトリ
SC①So Far So Good
SC②Ache
EVERBLUE
幸せ
One day
幾億光年

トニカ

・おいしくるメロンパン[LOTUS STAGE](15:45〜)
この時間帯はロッキンオンフェスどころか、シーンにおける生きる伝説宮本浩次が君臨している時間
ほとんどのアーティストが出演を避けたい時間においしくるメロンパンが選ばれたのは今や東京ドームシティホールでワンマン出来るくらい、バンドの規模が大きくなったからだと思われる(なのでそこそこ集客も出来ている)

ある意味バンドで1番目立つ原(Dr.)がリハで軽く挨拶した後、定刻になるとモニターにバンドロゴを映してナカシマ達3人が現れるが、ナカシマ(Vo. & Gt.)が軽く挨拶したの「マテリアル」から早速本領発揮
以前と比較すればポップにはなったものの、同期は入れずに徹頭徹尾スリーピースに拘るのがおいしくるメロンパン
原が手数を一気に増やしたと思えば、ナカシマがギターでノイズを鳴らしたのを合図に一気に轟音へ
昔から捻りあるロックをやっていたが、その音楽性はデビューして以降ずっと不変
これがおいしくるのスタンダードミュージック

すかさず代表曲の「色水」をやるのは「早すぎない?」と思ってしまったが、昔みたいに「色水」をやったからといって参加者がステージを移動することはなくなった
オリコンデイリーで1位を獲得したり、ホールでワンマンを出来るようになったりと、明らかに地盤が強くなった
長い時間をかけて基盤が整ったというべきだろうか

5月にリリースされた最新作「eyes」よりイントロから飛び道具のような音が炸裂し、ナカシマが間奏ではエモーショナルなギターソロを鳴らす「黄昏のレシピ」、原が刻むワルツ調のビートに合わせて、うねりまくる峯岸(Ba.)のベースラインが大きくフューチャーされる「斜陽」で踊らせつつ、トレンドにほとんど沿わないで歩んできたのがおいしくるだなと思っていると、昔はライブでほとんどMCをしなかったナカシマが原にMCを促し、原がよく分からないことを言ったり、大げさに話すのはもうお約束
昔は儀式のようなOP(「我々は宇宙人だ」みたいに始まっていた)から始まっていただけに、完全に内に開けた

爽やかな潮風を感じさせるナカシマが奏でるメロディーが、荒ぶる波のようにベースラインのみならず、音に沿うように身体も動かす峯岸を中心としたものに大きく姿を変えるお馴染みの「look at the sea」で草原を海原に変えたあと、おいしくるの更なる成長を伺わせるのはこれも「eyes」に収録されていた「空腹な動物のための」
これまでのおいしくるからは想像できないオルタナティブでラウドなサウンド
こんなサウンドスケープが出来るくらい、おいしくるのアンサンブルには限界が無い
シーケンスやストリングスを入れるのがベーシックとなっているこの頃
おいしくるは初期の「」を除けば、スリーピース以外の楽器は使用していない
昔見た音楽番組で、スリーピースに拘る姿勢をナカシマ達はクールに話していた
今や10-FEETでさえ、ライブで積極的にシーケンスを入れる時代
ナカシマ達が貫いてきたスタンスは今や絶対的な個性である

そのスリーピースの凄さを身を持って証明するのがラストの「シュガーサーフ」
かつて原によるドラムソロが焦点に置かれた時期もあったが、今回は原のドラムソロに峯岸のバッキバキなベース、そして各々の楽器の音のぶつかり合い…
今まで見てきた「シュガーサーフ」の中で過去1番のセッションだろう
ロッキンオンが運営するレコード会社に所属しているから、レギュラーのようなものだけど、ロッキンオンのフェスを代表するバンドに成長した
これは長い夢を観ていたようで夢ではない

セトリ
SC①シンメトリー
SC②獣
マテリアル
色水
黄昏のレシピ
斜陽
look at the sea
空腹な動物のための
シュガーサーフ

・the shes gone[PARK STAGE](16:25〜)
ライブを見るの久々なthe she's gone
裏はドームワンマンを控えているCreepy Nutsとおいしくるメロンパン以上に厳しいシチュエーション

サポートベースを招いた4人編成で登場し、3月にリリースされた「エイド」からスタートするが驚いたのは音圧が以前見たときと桁違いになっていたこと
以前見たときはマサキ(Gt.)が奏でるキャッチーなメロディーを中心としたindigo la Endのようなバンドだったが、熊谷(Dr.)が加入したのが大きいのだろうか
一気に音が強いバンドとなった
メロディアスなバンドと勝手にカテゴライズした自分を殴りたくなるくらいに

その個人的なイメージに近いのがマサキが美しい音色を奏で、兼丸(Vo. & Gt.)のボーカルがのびる「きらめくきもち」であるが、ダンサブルなビートにマサキが得意であろう美メロが重なる「タイムトラベラーと恋びと」の直後、

「自分に苛立ってます。声がガラガラなので」

と兼丸は本調子ではない事を明かした

自分から見てそうは見えなかったものの、兼丸自身は上手く声が出てないと判断したのだろう
不調な感じはしなかったのでこれはあまりに意外だったが、参加者に自身のタオルを掲げさせると、

「どのアーティストのタオルを上げてもいい。それが君の武器。楽しいことがつたわって来るから!!」

とタオルを参加者の武器と表現

タオルがアーティストから見て、そのように見えるとは思いもしなかった

そのうえで、

「夏が嫌いだけどロッキンがあるからいいと思う」

とロッキンのおかげで夏嫌いが緩和されていることを伝え、メロウなバラード「ラベンダー」は美メロの名手ヒロキが花畑を想像する音色を鳴らしながら、

「好きになってく 君を好きになってく
君の優しさが僕にも息づく
肌の温もりなんかよりもここには暖かい場所が」

の合唱を呼び起こす

恐らくこの日1番優しい合唱
熱さは和らぎつつある時間帯だから尚更気持ちよかった

そして最後もまたトゲはなく、ただただ美しい音色を奏でていく「シーズンワン」
終わり際には、

「まだあっち(メイン)立つの諦めてないよ!!」

とメインステージに立つ野望を捨ててない事をは明かし、11月からのツアーを告知した後、

「万全にして帰ってきます!!」

と告げた

思えばシズゴはRO69 Jackが主催したコンテストの出身
言うならばシズゴはロッキンオンのフェスはホームだ
だからこそメインステージに出演したい思いも特に強いだろう

あまりにシーンの入れ替わりが激しいから簡単ではない
でもCDJでGALAXY、JAPAN JAMでメインステージに行ければきっとロッキンでもメインに立てるはずだ

セトリ
SC①最低だなんて
SC②嫌いになり方
エイド
きらめくきもち
タイムトラベラー
ラベンダー
シーズンワン

・Tani Yuuki[HILLSIDE STAGE](17:05〜)
2年連続出演のJAPAN JAMでは3日目のクロージングアクトに抜擢されたTani Yuuki
令和を代表するシンガーであるが、ロッキンはこれが初
しかも裏はSUPER BEAVERと、とんでもない時間帯に出演
リハでも「W / X / Y」をやる作戦に出たのはビーバーを見る方への配慮だろうか

令和のヒットソングである「もう一度」、「Myra」をスタートダッシュと言わんばかり、最初から連発するのは変わらない
むしろヒット曲が多いからフェスは絶好の機会であるが、JJのクロージングアクトで見たときにも思ったようになんといってもメロディーが素晴らしい
流れた瞬間に一瞬でTani Yukiの世界に塗り替えてしまうほど、広大なものだし、丁寧に曲の世界を紡ぐTani Yukiの声も魅力的だ
語り手のように歌うを歌う、神秘性に満ちた声

すると「ワンダーランド」ではHILLSIDE STAGEにいる方々に、アンケートを取るように歓声を求めるが、大体がグループ参加や恋人同士、ファミリーとソロ参加の人間にはあまりにも苦しい現実
実際ソロ参加は贔屓目に見ても2割くらいだろうか
その光景はもはや「ワンダーランド」ではない
自分のような1人参加には地獄を見せられた気分だった

その一方で、

「一発屋とかパッとでとか言われてまして。「まだ言われるか…」と。観客のいない状態でライブしたり路上ライブしたりしているんですが。」

と今なお一発屋扱いされてしまうことにTani Yukiは納得いかない様子だったが、

「そんなことどうでもいい。今世界中でいろんなことが起こっている中で皆さんと出会えたことが素晴らしいんです。みんな何か抱えているでしょ?あなたの笑顔を見るため、悲しみを拭うために歌いに来た!!」

とこのステージに立っている理由を熱弁し、ビールのCMソングとしてもマッシュアップされている「W / X / Y」で夕方のステージを彩る
自分はTik Tolkを見るようにはなったものの、積極的に使うわけではない
だから曲が使用されている背景は知らない
でも「W / X / Y」のロマンチックなメロディーは宝石級のものというのは一目瞭然だし、合唱も起これば終盤のTani Yukiの声量に会場は大いに沸いていた
目の前のあなたを笑顔にするための優しい歌声
苦しみから解放する魔法は声に宿っている

そして最後はあなたが帰ってこれる場所になれるようにと、Tani Yuukiがアコギを背負う「おかえり(これもロングトーンが綺麗だった)」だが、セットリストはJJとあまり変わってない
持ち時間が30分しかないため、ほとんど変えられなかったといった方がいいかもしれない
Tani Yuukiのアルバムを聞くと、今回のようなヒットソングだけでなくロックな側面やエレクトロな側面もある
JJのレポでも書いたが、30分はかなり無理があるだろう

CDJにもTani Yuukiの名前はラインナップされるだろうが、その際はGALAXY以上で頼む
セットリストが同じようになることを防ぐためにも

Tani Yuukiは自分にとってホームタウンと呼べる居場所を増やすために、活動をしている
Tani Yuukiの魅力をもっと伝えるためにも、千葉をTani Yuukiにとってのホームタウンにするためにも

セトリ
SC.W / X / Y
SC.おかえり(一瞬)
もう一度
Myra
ワンダーランド
W / X / Y
おかえり

・sumika[GRASS STAGE](17:45〜)
4日目のGRASS STAGEのトリはsumika
メインのこの前のアクトはSUPER BEAVERなのでeggmanの先輩後輩がリレーを繋ぐ形に

今年からアップデートされ、派手になった「ピカソからの宅急便」をSEに片岡(Vo. & Gt.)達と共にゲストメンバーもステージに現れるが、この日はフレンズの三浦太郎が不在で女性のギター&コーラスが参加
ベースは自分がいたところでは上手く見えなかったが、今回は須藤優が参加していた模様

片岡が軽く挨拶して始める「Lovers」は全ての角度に向けて挨拶するように始まり、George(Key. from Mop of Head)の手によってEDMにより傾倒したように感じたが、ハンドマイクを用いて花道を積極的に活用する片岡はカメラワークも上手い
モニターを用いて、あなたとの距離を更に近づけているし、至るところで入る合いの手も相当大きい

「ずっとずっと離れぬように」

依然に離れることはない、あまりに強固な人間関係
冒頭で上空に鳥たちが羽ばたくピースフルな光景はsumikaのために用意されたんじゃ?と思うほど

sumikaは現在、昨年実施予定だったライブハウスツアーの振替公演を実施中
自分も7月に振替公演に参加し、合唱させる曲が非常に多いセットリストに驚いていたが、この日のライブのコンセプトもツアーの流れを引き継いでおり、片岡がエレキギターを背負う「Starting Over」もバロン(Dr.)が目一杯ドラミングする姿が映されながら、

「喜びや悲しみや
苦しみも全部持って
憧れや羨みも
隠さずに持っていって」
「諦めのその逆を
血の滲むような強さで
抱きしめて捕まえて
もう二度と離さないで」

という感動的な合唱に繋がる

ワンマンのようにアカペラでコーラスさせることは無かったが、この部分はやはり歌詞を何らかの手段で映した方が良い
1人1人のあなたの合唱がグラデーションを生み出していくから

1日通してロッキンに参加しているたくさんのあなたの体力を回復させる「ふっかつのじゅもん」では、

「2番は我々の新しい武器!!」

と昨年のroof sessionを経て、ボーカリストとしても大きく成長を遂げた小川(Key. & Vo.)もハンドマイクで歌唱するツインボーカル編成で披露
数多の危機を乗り越え、進化するのがsumikaの凄いところだし、だからこそバロンも手数を増やしまくっているが、絶対的ゲストギタリスト、上口浩平(Gt.)がツアーでは担当しているギターソロはというとこの日は片岡が前半を担当し、後半を小川が担当するバージョンで
今年の夏フェスは例年以上に過酷だ
何本ドリンクを持っていても、足りなくなるくらいに水分補給してしまうから
でもこの「ふっかつのじゅもん」が大合唱になっていることで合唱した方は「まだ自分声出るじゃん!!」と驚いたかもしれない

この時点で凄まじい合唱が起こっており、

「史上最高のロッキンになりそうな予感がする」

と片岡も好感触

ここのところのsumikaの方針である最後のライブのつもりでやることを鮮明にし、小川とGeorgeが鍵盤によって編み出す音色がとにかく美しい「フィクション」で改めてロッキンにおけるsumikaのライブの始まりを宣言すると、エッジの効いたギターフレーズが摂関する「1.2.3..4.5.6」も至るところでカウントが
合いの手が起こる曲がこれでもかと続いているので休憩はほとんど出来ないし、蘇我でsumikaがワンマンをしているような感じ
たくさんのあなたとsumikaが起こす一体感はとてつもないことになっている

「MAGIC」では小川がボーカルとなり、片岡が小川の鍵盤に座ってギターを奏でる編成となり、丁寧に丁寧に歌い上げる小川の歌声によってとびきりのマジックを起こすが、一転爆音を鳴らす「ファンファーレ」は厳しい制限の元行われていたCDJ21/22のことを思い出した
メディアによってライブハウスやフェスが悪者扱いされている中でも、sumikaは出演し、ロッキンオンへの思いを叫んでいたのを今も忘れやしない
その時のことを思い出していたのだろうか
エモよりにドラムを叩くバロンが更に強めにドラムを叩いていた
フェス存続の危機の中でも出演してくれたアーティストがいるから、今でもフェスが開催できている
フェスもそうだし、ライブが出来るのも当たり前じゃない
出来なくなってしまう時期がまた来てしまうかもしれないが、そんな時でもまたsumikaが迎えに来てくる
自分はそう信じてる

「イコール」でバロンの軟らかなドラム、随所に入る合唱があなたの理想と現実を埋めた後、ここのところワンマンでやっていなかった「Summer Vacation」はフェスのために取っていたのだろう
勝手ながら、自分は[Alexandros]の川上洋平をカメラワークの達人と思っているが、片岡もかなり上手い
モニターがある時の片岡はいつも以上に注目したくなる

そのうえで、

「明日から日常生活に戻る人もいるだろうけど、今日のライブを作っているのは運営ではなくあなた。あなたが自身を否定したら、俺たちが否定されているのと同じ。自信を持って!俺たちも肯定して自信に繋げるから!!」

と話した際、思い出すのは色んなフェスで「主役はあなた」とアナウンスされていること
キャッチボールが受け取り側がいなければ成立しないように、音楽は聞き手がいなければ成り立たない
フェスだって参加者がいるから成立する
そのフェスの中心であるライブも、あなたの協力のもとで成立する
だから片岡は否定しないように呼びかけるのだ
否定はライブそのものが無かったことになる
自信を持っていいのだ

あなたを強く肯定してからの「「伝言歌」」で、

「辛い時に味方してくれるのは記憶!!」

と力強く叫び、

「伝えたい 全部あなたに
全部伝えて この言葉よ
迷わないように
伝えたい 今の私の半分以上が
あなたで出来ていたと気付いたから」

の部分をあなたに歌ってもらったあと、最後は軽快なリズムと合いの手が楽しい「運命」

ファンタジーじゃないから勇者にも賢者にもなれない
ましてや魔法も唱えられない
でも自分の人生を全うすることは出来る

その人生の全うを力強く後押ししてくれるのが、この日のsumikaのライブだろう
KT Zeppで見たsumikaも凄かったけど、この日また過去最高のsumikaを目撃してしまった
運命ですね

セトリ
Lovers
Starting Over
ふっかつのじゅもん
フィクション
1.2.3..4.5.6
MAGIC
ファンファーレ
イコール
Summer Vacation
「伝言歌」
運命

・星野源[LOTUS STAGE](18:45〜)
LOTUS STAGEのトリはロッキンに8年ぶりの出演となる星野源
前回ライブを見たのは「YELLOW DANCER」のレコ発ツアー、さいたまスーパーアリーナ公演なので8年ぶり
ちょうど「恋」がリリースされる前ころである

ペトロールズの長岡亮介が参加するバックバンドが先に登場し、星野源も続いて登場したが星野の格好は白のポロシャツとシンブル極まりないもの
それは「曲だけで勝負できる」ことを隠喩しているようにも見えるが、初手が「地獄でなぜ悪い」はあまりにもユーモラスすぎる選曲
「どこが地獄やねん」なるツッコミが各方面から聞こきてそうだが、音楽フェスは始まったら終わってほしくないもの
言い換えるなら抜け出せないものであり、「楽しい地獄」である
久々に見ても棘のない、大衆に愛される声は変わってない

JAPAN JAMも含めて星野は蘇我でライブすることが初めてだが、ひたちなか時代は「ひたちなか!!」と叫んでいたからだろうか、蘇我ではなんと叫んでいいか分からない模様

観客「千葉!!って叫んたら?」
星野「ここ蘇我だからできない!川崎町でもあるし!!」

とやり取りをしていたが、千葉県民以外は「川崎町って…?」となっていたに違いない(自分もそうだった)

星野と言えば当然ヒット曲や名曲が多々あるが、持ち時間は50〜55分
そのため中心となるのは星野の音楽性、イエローミュージックの核となる楽曲
早々に「SUN」をやるのも8年の歳月を経たからだろうが、

「Hey J〜」

とマイケル・ジャクソンへのリスペクトをいつになっても変わらない
イエローミュージックのバックグラウンドにマイケルは大きく関わっている(自分が意識的に初めて聞いた洋楽もマイケルだった。)

今の子どもたちにとってのドラえもんソングこと、「ドラえもん」は証明が青くなるという粋なはからいもあったが、

「あたまテカテカ さえてピカピカ〜」

としれっと星野は「ぼくドラえもん」のワンフレーズを歌っていた

平成中盤ら辺から、ゆずをはじめ徐々にアーティストが主題歌を担当するようになっていったが、ドラえもんといえばやはりこれ

「どどどどどどどどど ドラえもん」

なんてインパクトあるフレーズを編み出す星野も凄すぎるが

長岡を含むバンドメンバーを紹介したあと、「Pop Virus」からはゆったりとしたバラードコーナー
星野が間奏、サックス奏者の付近でくつろぐ場面もあったが、自分の中で星野源は「知らない」のインパクトが大きく、「Stranger」が大傑作のもあり、急に明るくなった「YELLOW DANCER」についていけずにいた
それを「Pop Virus」が「Stranger」までの星野と以降の星野を結びつけ、ワンマンに参加したかったものの、東京ドーム公演を全く取れなかったのは今も覚えている
それに参加できていれば、見る感覚が大きく空くことはなかっただろう

「SPY × FAMILY」の主題歌として、久々のアニメタイアップながら作品のテーマそのものとも言える「喜劇」をメロウに聞かせたあと、「光の跡」もやるのかなと思ったが、クールにラップを決める「仲間はずれ」をするのはシフトチェンジでもしたかのよう
この日のセットリストで最も意外だったのはきっとこれ
大多数の人が「ん?」となっていそう

アンコールも想定したライブのため、残り数曲になることを星野が伝え、直後には代表曲の「恋(トイレがきっかけでBPMが上がったのはあまりにも勇名)」で周囲が恋ダンスをほとんどやっていたことには自分は驚いた
逃げ恥ブームから相当な年月が経過したのに、普通に踊れる人だらけだったから
と思ったら、星野も間奏で普通に踊り出すスターっぷり
これにも度肝を抜かれた

本編の最後は、滑らかな鍵盤に合わせて身体を揺らしたくなる「Crazy Crazy」で気持ちよく踊らせて
アンコールがあるのは分かっていたが、ワンマンに行ったことある自分は「ニセ明登場するのか?」と思ったものの、流石に登場せず
時間がないフェスでは厳しいのだろう

多くの方々に感謝を伝えたあとは、週末だからだろうか、「Week End」で未来に向けたダンスを
これは一瞬の快楽ではない
未来を変える時間と言っても遜色ない

そして最後はあなたの再会は、このライブを超えることを願う「Hello Song」
開始早々、星野は「蘇我」か「川崎町」か、どちらをコールするか悩んでいたけど結局両方を選択
ある意味1番良い解決策だったかもしれない

星野はコロナ禍になって以降、FC会員以外に向けてワンマンはやってない
やったとしても日産スタジアムレベルの規模でなければ簡単にはチケットを取れない
だから確実に出る方法はフェス
春ならビバラロック、夏はロッキンとサマソニは確実に出て欲しい

死生観が強かった頃と方向性は全然違う
「Stranger」より前の曲はもうやっているか分からないが、次も笑顔で会いましょう

セトリ
地獄でなぜ悪い
SUN
ドラえもん
Pop Virus
喜劇
仲間はずれ

Crazy Crazy
(Encore)
Week End
Hello Song

・なとり[HILLSIDE STAGE](19:45〜)
前日はWurtSが出演したことでとんでもない動員となっていたクロージングアクト
この日担当するのは出演があまりにも意外だったなとり
顔出しをしていないからこの時間への出演となったのだろうか

LOTUSから駆けつけてくると、ちょうどライブが始まろうとしていたところでアニメの主題歌だった「絶対零度」を早速放つのだが、なとりの顔を見えないようにするためか、ステージは顔を判別させない照明を活用
しかしモニターには思い切り顔が出ており、金髪で学生服のような格好をしているのがなとりの模様
アー写の髪を金に染めればそっくりそのまま、なとり

性急なリズムの下でストレートなロックサウンドを鳴らす「エウレカ」の後のMCではモニターにアーティストロゴを映して顔を分からなくしていた(EveがCDJで出演した時に映っているのであまり効果がないような…)が、現在未音源化でTikTokで断片が聞ける「Catherine」を鳴らしたあと、バッキバキなベースを皮切りとした「食卓」、どこか和のテイストを匂わせる「猿芝居」とゆったり身体を踊らせる曲を続ける
こうしてライブを見ていると思い浮かべるのは米津玄師がロッキンに初めて立った頃
新時代のシンガーとして、どんな曲を繰り出すんだ?とワクワクしていた頃を思い出す

エレクトロかつレトロな感じもする「Sleepwalk」とダンサブルな曲を続ける中、「フライデー・ナイト」になると、

「スペシャルゲストを呼んでいいですか?」

となとりが話し、なんと前日出演だったimaseがステージに

急にimaseが現れたので自分は「なんで?」と思ったがどうやら、なとりとimaseは共に音楽活動を始めた時期が近く盟友のような関係(Rolling Stoneの対談を読むとより分かりやすい)
2人の関係を知っている方ほど、歓喜なサプライズだったが、更に2人が共作した「メロドラマ」も披露
曲の形としてはVaundyの「東京フラッシュ」に近い感じだが、この2人はJ-POPの未来を危惧している人物でもある(Spitzやaikoのように広い世代が聞けるポップスを作らなければと考えている)
後世も聞けるようなJ-POPをどのように手掛けてくれるのだろう

imaseが去った後はさらなる新曲として「糸電話」を披露
シティポップの影響も伺わせるメロウな楽曲で更になとりを支持する方を増やしそうな予感
星野源が好きな方なども受け入れそうだ

そしてラストは夜を彩る新時代のポップスになるであろう「Overdose」
秋のホール公演は既に追加公演が決まっており、こうしたフェスで見れるのも貴重になりそうな予感
思えば米津がフェスに出たのもロッキンでは2回くらいだった
米津玄師が初めてロッキンに君臨した時のようにこれは後に伝説の夜と呼ばれそうなロッキン初出演だった

セトリ
SC.ターミナル
絶対零度
エウレカ
Catherine
食卓
猿芝居
Sleepwalk
フライデー・ナイト w/ imase
メロドラマ w/ imase
糸電話
Overdose

そしてこの日の帰り、すぐに千葉寺駅のルートに向かったものの、星野源目的の参加者が多く、バスが大混雑
途中早退の2日目と5日目を除くと、最も帰宅が遅くなってしまった

蘇我まで徒歩で帰宅すれば良かった…



※ロッキン初日のレポ

※ロッキン3日目のレポ