去年は自分自身が参加前日にくしゃみをぶつけられたことでコロナに感染
3日目と4日目は自宅待機を余儀なくされていたロッキン
その経験を踏まえて、参加前日にハードワークをこなすことはやめて、まずは無事に初日に参加することになった
開催数日前には、これまで使用が大いに制限されていた日傘の使用が大幅に緩和
緩和せざるを得ないほど酷暑になっているということでもあり、8月に蘇我でロッキンが行われるのは今年最後の予感もしてならない
今年もステージはGRASSとLOTUS、PARKとHILLSIDEと良くも悪くもコンパクトな4ステージ制
開演前になるとGRASSとHILLSIDEで前説が始まるが、GRASS側の前説はスリムな方が出てきて「ここのところやたらインタビューが多い古河晋か？」と思いきや、総合プロデューサーの海津亮だった
3ヶ月の間に何があった
・SHISHAMO［GRASS STAGE］(11:45〜)
今年のロッキンは、かつての開催地である国営ひたち海浜公園も含めると10日間という壮大なスケール
そんな10日間の先陣を切るSHISHAMOは、海津によると結成当初に「TEENS ROCK IN Hitachina」というロッキンへの出場をかけたオーディションに参加し、優秀賞やボーカル賞を取っていたことが判明
いつかはロッキンのステージに立つことを口にし、昨年遂にロッキン出演を果たしたが、今年はトップバッター
ひたちなかへの出演も決まっている
いつものSEが流れる中、吉川(Dr.)がロッキンのタオルを掲げて登場し、ついで松岡(Ba,)、宮崎(Vo. & Gt.)も登場するが、宮崎の衣装はリゼロのナツキ・スバルを連想させるもの
リゼロが好きなのか？
「ロッキン！ロッキン!!」
と開口一番口にし、早速「君と夏フェス」を始めるが去年見たときもそうだったけど、まさかこの曲がロッキンで鳴り響く日が来るとは思わなかった
どういうわけか、SHISHAMOはCDJ13/14に出演して以降、長らくの間ロッキンオンのフェスに出てなかった
原因は今も分かってないけど、去年のラインナップでSHISHAMOが発表された時の衝撃は大きく、「あのSHISHAMOが!?」となったが、「君と夏フェス」で始まる今年のロッキンも忘れられない夏になる
そんな予感
SHISHAMOについて海津は、
「女性からの支持が凄い!!」
と語っており、昨年の出演時は新曲だった「夏恋注意報」も恐らく女性からの支持が強いのだろうが、SHISHAMOは松岡と吉川が築くリズムがとても強いバンドでもある
女性からの支持が高いからと言って、簡単に生き残れる世の中ではない
アンサンブルがスリーピース離れしているからサバイブしてこれた
「TEENS ROCK IN Hitachinaka、優秀賞、ボーカリスト賞!!」
と宮崎は前説での海津の呼び込みをそっくりそのまま口にするのだが、吉川も当時のコンテストのことはよく覚えている模様
もしかしたらSHISHAMOがこれまでロッキンに出なかったのは思い入れが強く、簡単に出たくない思いがあったのかもしれない
すると新曲「いっそこの心臓の音が君に聞こえたら」を投入
イントロとアウトロはエレクトロの要素が強いものの、実際は吉川のビートがとても強く正攻法のロックサウンド
それにしてもSHISHAMOのリリースペースは早い
ついこの間アルバムが出ていたが、来年にはまたアルバムリリースされるのでは？と思ってしまうような速さ
ただ「ハッピーエンド」では夏の思い出のような美しい映像を流しながら、巧みに情景描写された歌詞が宮崎の伸びのある歌声と共に再現されていく
宮崎の声は青空の下で聞きたいと思わせる声だ
SHISHAMOは昔から地元川崎にある等々力競技場でワンマンしようとするも、天候に泣かされ度々中止になっている
でもそこに宮崎が立った際、響く声は格別なものだろうなと思っている
既に2回中止となっているが、三度目の正直で是非実現させてもらいたい
宮崎は再び、
「ロッキン！ロッキン!!」
と口に出していくが、
「好きになったから今年も出演しました!!」
と連続出演した理由も口に
てっきり自分は去年だけの特別出演と思っていただが、CDJやJAPAN JAMも出演しロッキンオンのフェスをあっという間に制覇した
1年で示したロッキンオンのフェスへの愛
いずれはロッキンオンのフェスでトリを担う可能性もある
ボートレースのCMソングとして大量OAされ、松岡のバッキバキなベースを含めてSHISHAMOのオルタナティブな一面が強く出た「最高速度」、宮崎がブルージーなメロを奏でる「恋じゃなかったら」と続け、ラストはやはり「明日も」
時間の都合上、「明日もない」に繋がることはなかったが、
「月火水木金 働いた
ダメでも 毎日頑張るしかなくて
だけど金曜日が終われば大丈夫
週末は僕のヒーローに会いに行く」
「痛いけど走った 苦しいけど走った
報われるかなんて 分からないけど
とりあえずまだ 僕は折れない
ヒーローに自分重ねて
明日も」
と「明日も」は実は音楽フェスと相性がとても良い
最高の夏になることを約束してくれるロケットスタートになった
セトリ
君と夏フェス
夏恋注意報
いっそこの心臓の音が君に聞こえたら
ハッピーエンド
最高速度
恋じゃなかったら
明日も
・シャイトープ［PARK STAGE］(12:25〜)
メインステージからサブステージはひたちなか時代のGRASS→LAKEほどではないが時間を要する
そのためPARK STAGEに移動してくるとシャイトープがまさに「マーガリン」を始めようとしているところ
JAPAN JAMにも出演していたが、ロッキンに出演するのは初めて
バターもマーガリンも今すぐ溶け出しそうな暑さながら、雨が降りそうな気配があまり感じられない
「Good morning 始まりの朝」
に佐々木(Vo. & Gt.)の声は今日もよく伸びており、シンプルなギターロック故、他のバントよりも特に重要となるグルーヴはふくなが(Ba.)が上手に出てきてうねるように弾き、タカトマン(Dr.)は要所要所で緩急を
この2人が築き上げるグルーヴは鉄壁
シャイトープのロックンロールを信じられる根拠はこれ
一見ヒヤッとするタイトルではあるが、もちろん犯罪的危険な世界観ではなくスピーディなに駆け抜ける「誘拐」を経て、「curry & rice」は春のJJ同様コールアンドレスポンスを何度も促すが時刻は12時ごろ
お昼時である
いくら開演前に軽く腹ごしらえをしたとはいえ、「curry & rice」の合唱を聞かされたら、お腹が空いてくる
もしや運営はフードコートへ誘導させるべく、シャイトープをこの時間に当てたのだろうか
佐々木が軽く挨拶したあとは、夏をテーマにした「Summer Conte」で夏の情景を浮かび上がらせるが、シャイトープの1番の肝はこうしたバラードだろう
今日次々に現れるニューカマーとの違いはバラードでも勝負できること
佐々木のハイトーンボイスも彼が生み出すメロディーも全て美麗なアート作品のよう
若手でバラードで勝負できるバンドはほんの一握り
それは「ランデヴー」が爆発的ヒットを遂げたのが大きい
佐々木たちは「ランデヴー」がヒットした際、簡単に状況を飲み込むことが出来てなかったが、派手な装飾もせずただ達筆に仕上げたのがこの「ランデヴー」
佐々木の歌声やバンドが織りなすアンサンブルが映すのは彩り
芸術作品を鑑賞しているかのようで、じっとステージを凝視してしまう
「今最悪な時かもしもれないけどいつかは光と巡り会えるから!」
という佐々木の言葉が導くように、最後はメジャーデビューシングルとして世に放たれたばかりの「ヒカリアウ」へ
思えばシャイトープは佐々木が「そこれで駄目だったら音楽を諦める」といった経緯で結成されたバンド
諦めたくても諦めきれず、バンドを結成したらこのように光が舞い込んだ
いつか光と巡り会えるのはシャイトープが証人となっている
秋のツアーは参加したかったものの、年に数回あるライブ参加NGな日だったので参加は不可能
ただいつかはシャイトープが作るtengokuに長時間滞在したいと思っている
セトリ
マーガリン
誘拐
curry & rice
Summer Conte
ランデヴー
ヒカリアウ
・Novel Core［HILLSIDE STAGE］(13:05〜)
基本的に自分はフェスに参加する際、初見重視でタイムテーブルを組む傾向がある
しかし「予習しようにも何聞いてくればいいの？」状態になっていたのがNovel Core
つまりはほぼ何にも聞いてないような状態
ちょうどこの時、GRASSには優里が降臨している状況
なので満員とは客観的に見ても言いづらい状況だったのだが先にバックバンドとして
Dr.：佐藤
Key.：ダイスケ
Gu.：熊谷
DJ：コータ
というやや変則的な編成なのはSKY-HIこと、日高光啓が社長であるBMSG所属だからだろうか
ついでサングラスを着用した状態のNovel Coreが登場し「WAGAMAMA MONDAIJI」から始まると熊谷が弾くギターがとてつもなくカッコイイ
Novel Coreの歌唱力はもちろん素晴らしいが、ベースレスであってもバンドが編み出す音は爆音仕様
あまりラップを聞かない方でも引き付ける事が出来るような
それは佐藤のドラミングやコーターによるDJテクも活かしている「カミサマキドリ」もそうだし、なんといってもNovel Coreが、
「今日をもって応援するアーティストが増えたな！おめでとう!!」
と宣言してしまう自信満々ぶり
この一言で掴まれたのは自分だけじゃないだろうし、直後にヘドバンも行うのは全く予想打にしてなかったこと
しかし「RULERS」が始まると途中でマイクトラブルが発生
だがこのハプニングを利用してNovel Coreは自身が口パクではないことを証明する開き直りっぷり
「これも楽しいだろ？」
とトラブルに苛つく表情なんて一切出さずに、そのまま高速ラップをお見舞いする
なんてクレバーな人間なのだろう
ハードロックテイストなアンサンブルに
「右 左 も分からない」
というシンプルなフレーズだからこそインパクト抜群な「A GREAT FOOL」、独特な手拍子やキャッチーな作風に心が自然に躍る「独創ファンタジスタ」と続けると、Novel Coreは今年初めに武道館でワンマンしたこと、来年にはＫアリーナ横浜でワンマンするという話をして驚いてしまったが、参加を促すべく、なんと挙手ではなく口頭で回答させる手段に
「これで言質取った(笑)」
とのことだが、どれくらいの方がワンマンに足を運ぶことになるのだろう
「次の曲はバンドに休んでもらいます!!」
と話し「SHIKATO!!!」はDJとNovel Coreで行うオーソドックスなスタイルで行うが熊谷たちバンドメンバーは肩を組むなどしてライブを盛り上げている
Novel Coreとバンドの関係も良好なんだろうと思えるようなワンシーン
そして最後の「Green Light」では、
「曇り空どころか快晴ですけど!!」
と雨の降る気配を微塵も感じさせない空を喜ぶ
音楽フェスの醍醐味と言えば聞いたことのなかったアーティストに触れること
タイムテーブルの関係上、偶然見たことないアーティストを見ることだってある
そうやって自分は好きなアーティストを広げていったし、それは今もそう
Novel Coreの言う通り、応援するアーティストがまた増えてしまった
セトリ
WAGAMAMA MONDAIJI
カミサマキドリ
RULERS
A GREAT FOOL
独創ファンタジスタ
SHIKATO!!!
Green Light
・TETORA［PARK STAGE］(13:45〜)
ロッキンの出演者が発表される前、TETORAは8/12(月)に日本武道館でワンマンすることを発表
ロッキンには出ないと思っていたが、1週間前にも関わらずロッキン出演
一時期、上野(Vo. & Gt.)がライブ出来なかったのも関係しているのだろうか
リハで数曲披露した後、SEが流れてからゆっくり登場
上野たち3人がミユキ(Dr.)のドラムセット前に集まって拳を交わした後、
「TETORA始めます！ロッキンに向けて!!」
とこの時期を示すような「八月」で刺青を入れたドラマー、ミユキのパワフルなビートを感じさせながら始まるがご存じの方も多い通り、TETORAは基本的にサブスクで一切音源を今のところ解禁してない
それは上野がTETORAの音源をサブスクで配信することにメリットを感じていないのもあるが、「十三月」に収録されている楽曲たちはアルバムの歌詞カードを見ると、本当の副題が載ってたりする
わざわざCDを買ったこそにこそ、真意が伝わってほしいと
アルバムのリリース前から公開されていた、可愛らしい二匹の犬が夜の街を駆け抜けるPVのように、いのり(Ba.)の太いベースが掛けていく「七月」を疾走させると、早くも「ずるい人」が演奏され歓声が沸くPARK STAGE
と同時に近くにいた方は、
「この人、歌声ヤバ!!」
と驚いていたが、TETORAの所属するOrange Owl Recordsと言えばammoやJAPAN JAMにも出演したアルステイクが所属するインディーズレコード
サブスク配信をせず活動してきたアーティストだらけ
そうなると魅力を発信する手段はライブ
ライブハウスで生き抜いて来たからこそ、迫力のある歌い方は培われた
「最後の夏になれませんように」
上野がそう告げるのは世界観に沿ってか、それとも二度と会えなくならないように願ってか
アンサンブルが控えめだからこそ、聞き入ってしまうが、
「五感を活用して自分が選ぶ感性を磨いてください!!」
と本質を見抜くように鍛えることを促し、「四月」でその主張は更に強まる
事の本質をしっかりかき分けて欲しいと願うかのように
いのりとミユキによる性急なリズムがかっとばしていくかのような「バカ」、パンキッシュな「嘘っばかり」と畳み掛けるような流れには圧倒されるばかりだし、上野はどんどんこちらにかけてくるので迫力も凄いが、
「本気が1番かっこいい！本物はいつだって本気!!」
と叫んで「言葉のレントゲン」をラストにぶっ込むのは本物の証
青空の下で鳴らされる厚化粧もないスリーピース
全身をさらけ出すようなスリーピースに嘘偽りもないだろう
身震いさせられような圧巻のライブアクト
セトリ
SC.本音
SC.日常
八月
七月
ずるい人
今日くらいは
四月
バカ
嘘ばっかり
言葉のレントゲン
・Tele［HILLSIDE STAGE］(14:20〜)
Novel Core、TETORAと今年武道館に立つアーティストが続いているサブステージ
次のTeleも6月に武道館のステージに立ったアーティスト
武道館クラスですらワンマンのチケットが取れないので、見れるときにしっかり見なければならないアーティスト
お馴染みのバンドメンバー、
ギター︰馬場庫太郎(from NENGU)
ベース︰森夏彦(from THE 2)
ドラム︰森瑞希(RADWIMPSのサポート)※不確定情報
鍵盤︰奥野大樹(BRADIOのサポート
と共にリハからアンサンブルを撒き散らし、本番では夏彦がグルーヴィなベースラインで踊らせる「ことほぎ」が始まるが、フェスと言えども常にハッピーな訳ではない
急に現実を思い出すように、憂鬱になりかけることもある
そこにそっと寄り添うのが谷口喜多郎が生む音楽
「さよならだけを抱き寄せないで。
愛される権利は君にある！」
の通り、あなたは愛される権利があるものと気づかせる救いの音楽
だがTeleは音源とライブでサウンドスケープがかけ離れており、リズム隊がモータウンのリズムに沿って踊らせる「ロックスター」が後半、馬場のギターによって轟音化すると、タイトルから既におぞましさを放っている「カルト」はサスペンチックな様相
Teleはフィジカルでは音源を出さず、配信でコンスタントに新曲を発表するのがルーティン
ちょっと目を離すと、「またすごい曲をリリースしてる!?」となりがちなのがTeleの恐ろしさ
真っ昼間とはいえ、本当に金星が出現してるかに錯覚するくらいに凶暴なオルタナサウンドを振り落とす「金星」から、BRADIOのライブにおいても大きな役割を担っている奥野の鍵盤を中心に添えた「私小説」で踊らせたあと、「バースデー」では豪華すぎるバックバンドによるソロ回しが行われ、馬場に対しては
「もっと！もっと!!」
と要求が大きい(笑)
くるりとのツーマンの時のように、「うるさい!!」と拒絶する理不尽ぶりを発揮しなくて良かったが、
「このフェスに出るのが目標じゃなくてあなたがステージに立ちたいと思える日にする！今日はそんな記念日!!」
と谷川はあくまでこの日を参加者が変わる記念日にすることを宣言
「○○を見て人生観が変わった」なんて話はよく聞くが、谷口はまだアラサーにもなってない
20代前半の彼がこのように宣言する
同世代だとVaundyに注目が集まりがちだが、谷口もとんでもないカリスマであり化物だ
そして最後、大合唱が起こる「花瓶」で谷口は、
「これは君たちの曲だ!!」
と叫ぶ
革命前夜とも呼べるようなライブ
ロッキン初出演でとんでもない傷跡を残していった
去年の暮れ、Zeppで初めてワンマンを見た際の衝撃は今も忘れない
「東京宣言」や「Veranda」で只者ではないポップセンスを示していたが、徐々に新世代のロックスターとして頭角を現すようになっていった
谷口喜多郎はとんでもない才能の持ち主である
だからこそ来年の横アリワンマンで、と書きたかったがTeleのライブが終わったあとに、当落通知を見たら落選
愛される権利はどこにあるんだ
セトリ
SC①バースデイ
SC②鯨の子
ことほぎ
ロックスター
カルト
金星
私小説
バースデー
花瓶
・ヤングスキニー［PARK STAGE］(15:05〜)
Teleのライブを終えると、今度は隣のPARK STAGEからパンキッシュなサウンドが
昨年はかやゆーが終盤にパンツ一丁というとんでもない格好になっていたらしいヤングスキニー
JAPAN JAMではメインにいたものの、ロッキンはサブステージへの出演
SEもなくかやゆー(Vo. & Gt.)が自己紹介して始めると「ヒモと愛」に「ゴミ人間、俺」とかやゆーが自身のことを自虐するような曲、もとい「歌にすれば〜」の曲順通りの序盤
歌詞を見たら色んな意味で好きキライがはっきりするけど、ゴンザレス(Gt.)がエモーショナルなギターを鳴らし、ゴリッゴリなベースを弾くりょうととパンクさながらなビートを刻むしおんからなるリズムが浄化
外見から見ればどう見てもカッコイイバンドである
「去年は初めてパンツ一丁でライブをしてしまいました(笑)今年はそうしないようにしないと」
と昨年のライブを見てない方のために状況説明し、かやゆーのメロディセンスの良さが発揮される「ベランダ」はハンドマイクで
いつかはゲストボーカルの○○が参加する日も見てみたいと思っているが、心地よいメロディは夏の暑さも緩和してくれる
代表曲である「本当はね」で身体を横に揺らさせながら、ゴンザレスが奏でる美メロやかやゆーの甘い声を堪能させたあと、「らしく」でかやゆーは上半身裸になりつつ、
「今年もロッキンに出れている!!」
と嬉しそうに叫び、りょうととしおんが築くリズムの元で身体を弾ませたあと、
「俺フェス好きなんですよ。俺たちと俺たちのファンで見られない景色が見れますし」
とフェスを好んでいることを明かした上で、
「フェスの楽しみ方は自由。芯を貫くことが大事」
と芯を貫くことの大切さを話しているからの「精神ロック」はエモい
ヤングスキニーに対して、見方は賛否は別れてしまうけど、「精神ロック」に出た音楽への愛を見せたからヤングスキニーをより好きになった
誰になんと言われようが、やりたいことを貫く
その姿勢はパンクそのもの
「精神ロック」をリリースしたことはヤングスキニーにとっての分岐点だろう
しかしここら辺で、次のアーティストを見るために後ろに下がり始めたらかやゆーがまたパンツ一丁(？)になり始めたのだろうか
凄い格好になっており、時間いっぱい使い切るかのように「死ぬまでに俺がやりたいこと」、「不純愛ラブストーリー」とショートパンクを連発
まさか2年連続であの格好になるとは…
パンクにも程がある
セトリ
SC①愛の乾燥機
SC②君の街まで
ヒモと愛
ゴミ人間、俺
ベランダ
本当はね
らしく
精神ロック
死ぬまでに俺がやりたいこと
不純愛ラブストーリー
・DISH//［LOTUS STAGE］(15:30〜)
ヤングスキニーをギリギリまで見ていたので、着いた頃には既に「沈丁花」の後半だったDISH//
2年連続出演だが、出演日直前に矢部が休養することが発表され、手負いの中での出演となった(なのでサポートギター2人とサポートベースを入れた6人編成)
先日まで開催していたツアーを振り返るインタビューで特にピックアップされていた「This Wonderful World」で最高の1日にすることを確認し合うと、遂に完結したヒロアカこと「僕のヒーローアカデミア」の主題歌にもなっていた「No.1」では矢部が楽しそうにコーラスする姿がモニターに映ることが多いのでそれが見れないのが残念
けど客席からはNo.1のポーズを取る人がやはり多いし、ソロシンガーとしても活動する泉は手数がかなり増えていた印象
泉のドラムはここに来て進化が止まらない
匠海が今回3人編成での出演になることに告げたあと、匠海がアコギを背負ってスケール大きく鳴らすのは「揺れていく」
春のJAPAN JAMでもこれで合唱を促していたが、今や「揺れていく」はフェスに置ける鉄板として定着した
それは大きな会場であるほど、「揺れていく」が映える曲だと匠海達が自信を持っているからだと思う
昔ならロッキンオンのフェスとは縁がなかったが、「猫」のヒットがDISH// の音楽をたくさんの人に届け、色んなな場所でライブが出来るようになった
それが「揺れていく」のポテンシャルを存分に発揮することに繋がっているから匠海もきっと嬉しいはずだ
そのうえで既に話題沸騰の新曲「プランA」がお披露目されるが、アニメ「逃げ上手の若君」の世界観を意識するように和のビートやシャッフルビートが盛り込まれ、随所に組まれる合いの手はつい手を上げてしまいたくなる
DISH//を今後大きく牽引すること間違い無しの楽曲だろう
もう全ての楽曲を匠海達が自信で手掛けるようになったが、「プランA」はDISH//をさらなる舞台へ誘うのは間違いない
一方ライブ定番の「JUMPer」で矢部のパートは匠海や橘の2人で補っていたが橘は強烈なシャウトも入れた
出れなかった矢部の部分も担うかのように
こんな強烈な「JUMPer」は初めて見たような気がする
「HAPPY」で匠海がギターを背負い、泉が感情的にドラミングする場面も見せながら、
「生きろ」
と強大にアンセムを鳴らしていくと、
「結成当時に出たいねって話してたロッキンに出れるようになって。まだまだだけど少しずつ馴染めてきたかな」
と変化を感じるように話す匠海
楽器を背負えど、演奏せずにただ踊っていた初期を知っているほど「あのDISH//がロッキンオンのフェスに…!?」となった人は必ずいる
匠海もエアーバンド形態からロックバンド形態に移行し始めた際、スラッシャーとの間で開きがあったことをインタビューで話していたけど、「猫」のヒットでどんどんライブする機会が増え、ロッキンオンのフェスには今やほぼ全て出演している
今やDISH//はロッキンオンのフェスに欠かせないバンドだ
自分もDISH//はロックバンドとして認識している
そして「めざましテレビ」のテーマソングにもなっている「朝、月面が笑ってる」を最後に届けていったが、あるバンドの件もあるから、矢部には必ず戻ってきて欲しい
矢部も含めた4人でステージに立ってこそDISH//のライブと思うから
セトリ
沈丁花
This Wonderful World
No.1
揺れていく
プランA
JUMPer
HAPPY
朝、月面も笑ってる
・reGretGirl ［PARK STAGE］(16:25〜)
春のJAPAN JAMでは5日間のアンカーとしてフェスを締めくくったreGretGirl
ロッキンには2年ぶりの出演となる
リハの段階から「こんなに金髪だったかな？」と派手な前田(Dr.)の髪色を見ながらふと思ってしまったが、本番では上手のモニターにバンドロゴが出現 サポートを入れた5人で登場し、平部(Vo. & Gt.)が軽く挨拶してから「ピアス」から始まるが、あまりにセンチメンタルなメロディは悲しみだけでなく、このロッキンの出来事も忘れさせないようにする
そんな秀才なメロディー
最近のライブでは恒例となっている平部の客席べた褒めから始まるのは無論「KAWAII」
「俺はヒラベだけど気にすんな！」
と自虐ネタを入れながら、十九川(Ba.)の歌うようなベースラインで踊らせるが、reGretGirlは世界観に対し、十九川たちが楽しそうに演奏するのがお約束
鍵盤が笑顔を見せながら身体を揺らすように奏でたり、ギターは足を上げながら演奏したりと悲壮感を感じさせないのがreGretGirlのライブの特色
だから新曲の「純ラブ」もほろ苦い夏を感じさせるような世界観ではあるが、爽やかなメロディがとても涼しいし、手数の多さや力強さも兼ね揃えた前田のビートはそれをアシストしている
自分は失恋ソングなどにそこまでひかれる人間ではないが、reGretGirlの世界観はロックが好きなら純粋に惚れる
そんなポップロックを鳴らしている
今回のロッキンは出演者が事あるごとに水分補給を推奨し、平部もまた水分補給を促すのだが、
「「塩の飴はなめても、夏の汗はあめるな!!」。これ夏の教訓として伝えてください(笑)」
と妙な教訓を伝達(笑)
昔はマンガで「汗でおにぎりがおいしくなる」みたいな描写があったけど、今はどんな感じなんだろうか
「みんな辛いことを発散するために音楽を聞いているんでしょ？流石にフェスで怒りを爆発させる人はおらんと思うし。今の時代、簡単に人を傷つけること出来るから。俺たちはみんなの隣にいたい。目の前のあなたを抱き締めるから。」
と参加者の背景を読み解きつつ、平部はあなたの側にいたいこと、抱きしめる存在になることを願うが、
「俺たちの曲の中で最も優しい曲」
と話した「tear」は参加者に優しく寄りそう曲
サポートメンバーもコーラスに入るくらい、reGretGirlの中で特に重要な曲だし、reGretGirlのコンセプトはあなたの背中を押すことにもある
失恋ソングのイメージが強いけど、本質はそこにもあるし、
「そばにいるからずっとそばにいてね
いなくならないで忘れないで
気を使わないで怒ったっていいぜ
散々だってオレがいるって
ひとりだと思わないためのうた」
と孤独にさせないこともreGretGirlのテーマ
孤立させないように寄り添う優しいバンドだ
そのうえでこの辺になると、My Hair is Badのライブが始まるからか、
「マイヘア行く人多いなー。仕方ない、俺も好きなバンドだもん(笑)」
と拗ねることなく、良さを認めるがreGretGirlだっていつかメインに昇格してもおかしくないバンド
ブレイクのきっかけとなった「ホワイトアウト」で
「どうにかなってしまいそうで
もうどうにでもなれとも思えてきて
繰り返されることはもうない」
の合唱が起こるくらいだからだ
この合唱がもっと大勢で起こるのを自分は見たい
サブステージに割り振られるには勿体ないポテンシャルだから
そして最後は儚さが夏風と共に疾走していく「after」
シーンには失恋ソングを歌うアーティストがどの時代にもいるが、reGretGirlは今そうした類いのアーティストで1番追いかけている
そもそも恋愛に縁がないから、歌詞に共感している訳ではない(恋愛が出来ないから失恋にも縁がない)
ただただreGretGirlのアンサンブルに魅了されているのだ
8/29には昭和女子大学人見記念講堂でワンマンとのことだが、いよいよワンマンに足を運ぶのもありかもしれない
「ページワン」を聞きたいし
セトリ
SC①shunrei
SC②soak
ピアス
KAWAII
純ラブ
tear
ホワイトアウト
after
・BREIMEN［HILLSIDE STAGE］(17:05〜)
一見初出演のように見えるが、2年前にLenny Code Fictionのピンチヒッターとして参加しているため、実は2回目の出演となるBREIMEN
タイムテーブルの兼ね合いもあって初めて見ることに
しっかしこの裏は遂にロッキンオンの表紙を飾ったり、クレヨンしんちゃんの映画主題歌を担当するようになったMy Hair is Bad
そのため1000人いるかいないかと思うほどにステージは閑散
この日の出演者では1番集客が苦しいと思われる
そんなモチベーションを維持するのが困難な状況であるが、リハでサンボマスターの「できっこないを やらなくきゃ」をファンキーにカバーして踊らせたあと、本番で「乱痴気」を始めるとボーカルの高木はキレッキレのスラップを入れながら華麗に歌唱している
サトウもきめ細やかなカッティングを入れたり、Kannoのリズミカルなビート、陽気なジョージのホーンやキャッチーな音色を織りなすいけだの鍵盤とソウルフルなダンスミュージックであるがJ-POPも合わせることで全年齢対象に昇華している
なのでBRADIOやFIVE NEW OLDが好きな自分にはたまらないのだが、終わり際になると急に「ultra soul!!」と叫びだす高木(笑)
LiSAじゃないんだから(笑)
続く「ODORANAI」はグルーヴがより重心低目となり、「これで踊れないわけ無いだろ」といった感じ
しかも高木が途中で変な姿勢で歌い出す「あなたが1番踊ってませんか？」状態
やっぱりこれで踊らないなんて無理難題
そこに新曲として「スプモーニ」が披露されるが、Kannoのアイリッシュ風なビートいけだが弾くやオリエンタルな鍵盤はあまりに野外と合いすぎる
「これを野外で聞かなかった人は損するのでは？」なレベル
近年の気候を考慮に入れると、夏に聞けるのは今年限りかもしれないが、野外で「スプモーニ」を聞けたことは大きな自慢にしたい
癖になってしまういけだのシンセリフに、軽快なリズムがこちらの心を解放する「ブレイクスルー」で踊らせたあと、最後はここが極上のユートピアだと思い出させてくれる「MUSICA」
集客的には来年出れるかどうかはかなり厳しい
客層の良し悪しはあるとはいえ、これは来年出演するのは厳しいレベルだから
しかしダンスミュージックは野外と相性が良い
BREIMENのライブを見るとそう感じた
個人的にはホールでライブするのが当たり前になって欲しい
ホールで客を自由に踊らせる姿がとても似合いそうだから
SC.できっこないを やらなくきゃ
(サンボマスターのカバー)
乱痴気
ODORANAI
スプモーニ
ブレイクスルー
MUSICA
・Saucy Dog［GRASS STAGE］(17:45〜)
初日の出演者が全て明らかになった際、集客がずば抜けているアーティストが2組おり、「多分この2組がトリ」と予想できた
その1組がSaucy Dog
JAPAN JAMに続いてのトリ担当であり、この日は早い時間のトリだが、出演者が一部共通しているひたちなかの初日は1日を締めるトリで出演となる
いつものようにバンドの世界観にそっと導くようなSEが流れ、メンバーが1人ずつ登場すると、石原(Vo. & Gt.)の声がそっと浸透していくかのように「煙」で始まるが、今やサウシーはアリーナクラスでワンマンするのが当然のバンド
石原の声も遠方まで行き渡り、アンサンブルも強大なものとなっているが、HILLSIDEからGRASSに移動してくる最中、とてつもない数で簡単にGRASSに入れなかった
今から5年前の春のJAPAN JAM、並びにロッキンで見ていたことが遠い日のように感じる
サウシーの状況を一変させた「シンデレラボーイ」は早くも序盤に投下され、石原とせと(Dr.)による美しいハーモニーが重なっていくが、ステージ後方のLEDには「シンデレラボーイ」のイメージPVが映っていた
Kアリーナでワンマンを見た際もこの演出が為されており、あると無いで「シンデレラボーイ」の印象も相当変わる
「死んで」
の演出は用いられなくなるが、この儚さを最大限に発揮するに辺り、この演出はなくてはならないもの
次々に変化していくリズムが愉快で面白い「雀ノ欠伸」で踊らせていくと、いつものようにせとは軽く自己紹介していくが、
「ここにいるってことは俺たちに興味があるってことだろ!?」
と何故か威圧的に話す石原
「また何かあったのか？」と少し心配になりつつも、石原がスーパーマンのようなポーズを始める「夢見るスーパーマン」は一気にパンキッシュに
アリーナツアーみたいにサポートギターがいるわけではないけど、刺青を普通に出している秋澤(Ba.)のベースラインはイメージにも沿うような力強い音色
インタビューでも話していたが、THE BLUE HEARTSを意識しただけに、これは紛れもないパンクロック
その秋澤が前に出てベースソロを鳴らし、石原はその間に花道を走る
これはアリーナツアーの経験が反映されたものだろうが、「雷に打たれて」のソリッドなギターロックを聞くと、「時代を掴みに行くにはこの厚みを超えないと鳴らないんだな」とも思う
Tik Tolkの普及で以前よりはヒットソングは飛ばしやすいだろう
でもアーティストの真髄はライブ
サウシーは積極的なライブやフェス出演が今の強固なアンサンブルに繋がっている
この壁をそう簡単ではない
その一方で「ゴーストバスター」で石原は例によって、歌詞を飛ばしたりしてしまったが、サウシーが初めて蘇我でライブした際に最初に鳴らしたのが「ゴーストバスター」だった
あの時は大抜擢で、最後の方に負けん気も出していたが、今のサウシーはその時よりきっと多くの方を救えるようになっているだろう
トリを任せられるくらいに頼もしい存在となったのだから
「あなたに会うために来た!!」
と石原が話し、シーンに出てきた時の頃を思い出させる「バンドワゴンに乗って」を終えると、ここで新曲「馬鹿みたい」
喪失がテーマであれど儚さは感じ図に聞き取れることが出来るロック
喪失系の曲は多くても聞いてナイーブにさせることはない
それがサウシーのロックの強みだろう
すると石原は急によく分からない話し方を始めるので、場内は反応に苦しみ、石原も自分の話し方が通じてないことを感じ取って、元の喋り方に戻すのだが、
「ここにいる人たちは好きを追求する人たち。他人の好きを否定しない方々だと言いな。」
と参加者が優しい方々である事を願う石原
蘇我に移転して以降、会場が狭い関係でロッキンの出演枠は大きく狭まった
その少ない枠に「なんで自分の好きなアーティストは出れなくて、○○が出るの!?」という意見を度々見る(自分も近年の出演アーティストについては思うことが多い)
でも興味がなければ見なければいい
ライブを見ている最中、別のアーティストのことばかり考える人はそういないだろう
参加当日だけでも、「○○なんて」とか「○○とか」みたいな発言をしない
それだけでも優しい世界に少しは近づけるはずだ
そうして石原が願いを口にしたあと「怪物たち」は強烈なフレーズが背後のLEDが映されるが、
「言葉はピストル引き金を引けば
当たり前に人は死ぬぞ分かってて言ってんの？」
はいつ何時も忘れてはならないだろう
reGretGirlの平部も話していたが、簡単に言葉で人を殺せる時代
加害者も被害者を増やしてはならない
サウシーのライブを通じてどちらも減ることを強く願いたい
そして最後は世界平和を願うサウシーの祈りが強く出た「優しさに溢れた世界で」
近年は国民を守るはずの政府をやりたがっている由々しき事態だし、オリンピックに戦争をしている某国が参加したりと、とんでもないことになっている
戦争が始まったら、ただでさえ分断されている国内は更に分断される
緊急事態条項なんて成立したら、フェスも出来ないかもしれない
当たり前は当たり前じゃない
それはフェスの中止が相次いだ時に嫌というほど体感した
だから、石原たち3人が背後のLEDに映ったあと、
「積み上げた一瞬はきっと
報われない事もさ、多分あるんだろうけど
踏み出した一歩は今日も
大切な誰かを思い浮かべていた」
の合唱が起こる、この優しさに溢れた世界が続くことをいつも以上に願っていた
セトリ
煙
シンデレラボーイ
雀ノ欠伸
夢見るスーパーマン
雷に打たれて
ゴーストバスター
バンドワゴンに乗って
馬鹿みたい
怪物たちよ
優しさに溢れた世界で
・クリープハイプ［LOTUS STAGE］(18:45〜)
遅い方の時間のトリを任されるのは、先日UNISON SQUARE GARDENとのツーマンで見たばかりのクリープハイプ
ロッキンオンのフェスで徐々にトリを任される存在にはなったが、ロッキンは12回目の出演で遂にトリを任された
時間になって、SEもなく4人が姿を現し、
「クリープハイプです。12年分の想いを込めてやります」
と尾崎(Vo. & )が自己紹介し、「キケンナアソビ」から始めるがユニゾンとのツーマンの際は、お馴染みのあの場面で何も告げることはなく、静寂な時間が流れていた
それが今回は、
「ようやく掴んだトリだから、危険日だろうがなんだってやってやる」
に変更
ユニゾンとのツーマンでは、ユニゾンをたてるために自重していたが、この日遠慮することは無い
2012年に初出演して、ようやく掴んだトリだから思い切りやることを宣言しているかのよう
「長谷川カオナシです。ミュート、ブロック、通報。どんなにやってもこの世界は良くなりません。」
と長谷川(Ba.)が愚痴るように告げ、「火まつり」では小泉(Dr.)と共に重心低めなグルーヴで見せるが、ユニゾンとのツーマンではあったノスタルジックな雰囲気はこの日ほとんどない
逆に抱くのは終始ヒリついているのような感じ
やっとトリを任せられたのだから、全力で出し切ると言わんばかりに音に思いを込めてぶつけている
再び尾崎が軽く自己紹介したあとには、尾崎が怒りをぶつけるかの如くサウンドスケープもハードロックにアプローチする「身も蓋もない水槽」とここ数年のフェスセトリとは異なるコンセプトが見受けられるが、クリープが「さよなら歌姫〜」をリリースしてシーンに衝撃を与えたあと、小川(Gt.)が放つギターリフに、
「オリコン初登場7位その瞬間にあのバンドは終わった」
の歌詞がリスナーやシーンに強烈なパンチを与えた「社会の窓」とクリープがロッキンに出演するようになってからの日々を総復習しているかのようなセットリスト
「余計なお世話だよ バーカ〜!!」
と挑発するように叫ぶし、
「社会の窓の中でイク 夜は窮屈過ぎて」
「最高です!!」
といった客席の掛け合いも成立するが、より小川が荒々しいリフを鳴らす「社会の窓と同じ構成」と久々にリレーで繋ぎつつ、尾崎は何度も煽る
「トリってこんなもんなの？」
といった類いの言い回しはありふれたものだけど、クリープはトリを託されるようになるまでに要した年数があまりに違いすぎる
「ようやく掴んだトリがこの程度？」
なんて尾崎は思いたくないのだ
だから「HE IS MINE」でも更に煽りまくり、
「12年分の思い出します」
と宣言し、例のセックスコールを成立
まさにためにためた思いの大放出
過去最大のセックスコール
「ムカつくやつを見つけてそいつのせいにして、歩んできた。」
と話す尾崎
つまりは妬みや嫉妬をはじめ、負の感情を色んなムカつく人物を見つけ、発散してきたということであるが、
「でもこのステージに立てているのはなたのおかげです。」
とあなたへの敬意を忘れることはない
聞いてくれるリスナーがいなければ、トリどころかロッキンを始めとする色んなフェスに立てていないのだから
その一方、「ラブホテル」の間奏で例のごとくブレイクを挟み、
「エゴサして見てたら「FRUITS ZIPPER見るからごめん」というツイートを見つけて…」
とエゴサネタを始めるのだが、この裏がまさにFRUITS ZIPPERであり、LOTUSの後方から爆音で流れてくるシュールな状況に笑わざるを得ないシチュエーション
考えたあげく、
「「ワタシの1番カワイイところ」を見に来てくれてありがとう(笑)」
と絶妙に返す(笑)
この機転はあまりに秀逸で「ラブホテル」の過去の下りの中でも1番だと思った
メジャー初期の代表曲「オレンジ」で小川が夕暮れを漂わせるメロを鳴らしつつ、小泉が刻む4つ打ちビートで踊らせたあとは、長谷川が鍵盤にスイッチ
尾崎は「ナイトオンプラネット」のリリックを次々に読み上げるが、直前に出ていたMy Hair is Badの「真赤」を歌い出すのはCDJに同じ
マイヘアが出る日はやっているのだろうか
「夜にしがみついて」
よろしく、最高の場面ではあるが
長谷川によるベースソロを筆頭に「イト」では小川がやはりステップを踏むように踊り明かしたあと、
「綺麗なイメージになれないのは分かっているので、最後は華々しく散っていきます」
と最後は小泉のビートが強く刻まれつつ、小川が爆音でギターを鳴らしまくる「栞」
「桜散る 桜散る お別れの時が来て」
のように、最後を飾る曲ではあるし、華々しく散るとはまさにこのこと
オルタナサウンドを派手にぶっ放し、さり際にはでかいハートを投げていった
ユニゾンとのツーマンでもみていたので2週連続
中身も全く異なっていた
ユニゾンとのツーマンはユニゾンと出会った時期を思い出させるように
ロッキンはクリープハイプの歩みを振り替えせるような感じ
クリープハイプのメジャーな部分もコアな部分も両方見せてもらい、クリープをますます好きになることが出来た
こんな濃密な二週間あるだろうか
Kアリーナワンマンに参加するかは未定だけど、2週間で最高な場面を2度も見れたのは僥倖
それでもまたその先へ
セトリ
キケンナアソビ
火遊び
身も蓋もない水槽
社会の窓
社会の窓と同じ構成
HE IS MINE
ラブホテル
オレンジ
ナイトオンザプラネット〜真赤(My Hair is Badのカバー)
イト
栞
・SHE'S［HILLSIDE STAGE］(19:45〜)
蘇我で開催されるロッキンオンのフェスでは恒例であるクロージングアクト
今回から持ち時間が、40分とメインステージと同じ時間になったが初日に担うのはロッキンオンのフェスで見るのは久々なSHE'S
こんな長い持ち時間を託されるのは久々だと思う
クリープハイプが終わってから移動してきたので、ちょうどSHE'Sが始まろうとしているタイミングで、ヒップホップテイスト強めな「Grow Old With Me」で踊らそうとしているところ
ところどころで手拍子や合唱が起こり、サビになるとバンドにスイッチし、広瀬(Ba.)と木村(Dr.)からなるリズムで踊らせるがこの日、鍵盤をメインに添えているバンドはSHE'Sくらい
なので鍵盤しながらボーカルを行う井上が普段よりも際立って見える
続く「追い風」がイントロから大歓声となったのは、読売ジャイアンツの菅野人志が登場曲に起用しているからだろうか？
登場曲になっていたのを知ったのは最近だが、
「もう一度だけ立ち上がってよ
哀しみも糧になるから
積み重ねたもの失くしても
僕らは傍にいるから
踏み違えて 終わりじゃない
何処でだって待っている未来
君は変われてる 笑えてる
生きていく者だけに吹く 追い風」
はまるで菅野の心境を歌っているかのよう
かつて程のピッチングはないけど、あの菅野がSHE'Sを使うなんて…
巨人の選手だと丸がLiSAを登場曲に使用したことがあるが、SHE'Sと菅野が結びつくのは予想外である
アラビアンなテイストを井上の鍵盤が漂わせる「Masquerade」で怪しく踊らせたあとは、
「せっかく夜に出演しているので、普段はやらない曲を」
と話したように、広瀬がシンセベースを駆使し、木村のドラムを合図に生へ切り替わる「Clock」、服部(Gt.)がアコギを用いたりとアートロックの要素が強い「If」と夜に出演することを活かすようなセットリスト
野外フェスで夜に出演できるアーティストは一握り
次にいつ担えるかも分からない
だからこうして夜景との相乗効果を狙えるような曲を選択したのだろう
並びに夜の出演となると、
「僕らは大切な人から順番に
傷つけてしまっては
後悔を重ねていく
それでも愛したり
愛されたいと願っている
あなたを守れるほどの
優しさを探している」
と人間の不器用さが綴られた「Letter」もより深みを増す
人間は簡単に傷つくが、同時に愛されたいとも願う
それが人間という不器用な生物
そのうえで井上が願ったのは、
「日本のロックが誰かを傷つけるロックじゃありませんように」
ということ
ヒップホップシーンでラッパー同士がdディスりあう風景はあるが、あれはお互いを高め合うためのもの
ロックで他人を傷つけるのは単なる暴力
だから井上はロックが凶器にならないことを願ったのである
自分ロックについて、社会に警笛を鳴らす役割もあると考えている
社会に警告するならともかく、他人を傷つけるロックはロックと呼びがたい
弱者の盾となる、そんな優しいロックであることを願い続ける
井上がエレキギターを背負い、新しい何かが始まっていくことを予期させる「Kick Out」を経て、最後はSHE'Sの知名度が知れ渡るきっかけになったであろう「Dance with Me」で踊らせて終了
集客はとても埋まっているとは言いにくいけど、持ち時間や時間帯によってユニークな仕掛けを入れてくれるのが分かった
また夜か、長い時間にDance With Me
セトリ
Grow Old With Me
追い風
Masquerade
Clock
If
Letter
Kick Out
3日目と4日目は自宅待機を余儀なくされていたロッキン
その経験を踏まえて、参加前日にハードワークをこなすことはやめて、まずは無事に初日に参加することになった
開催数日前には、これまで使用が大いに制限されていた日傘の使用が大幅に緩和
緩和せざるを得ないほど酷暑になっているということでもあり、8月に蘇我でロッキンが行われるのは今年最後の予感もしてならない
今年もステージはGRASSとLOTUS、PARKとHILLSIDEと良くも悪くもコンパクトな4ステージ制
開演前になるとGRASSとHILLSIDEで前説が始まるが、GRASS側の前説はスリムな方が出てきて「ここのところやたらインタビューが多い古河晋か？」と思いきや、総合プロデューサーの海津亮だった
3ヶ月の間に何があった
・SHISHAMO［GRASS STAGE］(11:45〜)
今年のロッキンは、かつての開催地である国営ひたち海浜公園も含めると10日間という壮大なスケール
そんな10日間の先陣を切るSHISHAMOは、海津によると結成当初に「TEENS ROCK IN Hitachina」というロッキンへの出場をかけたオーディションに参加し、優秀賞やボーカル賞を取っていたことが判明
いつかはロッキンのステージに立つことを口にし、昨年遂にロッキン出演を果たしたが、今年はトップバッター
ひたちなかへの出演も決まっている
いつものSEが流れる中、吉川(Dr.)がロッキンのタオルを掲げて登場し、ついで松岡(Ba,)、宮崎(Vo. & Gt.)も登場するが、宮崎の衣装はリゼロのナツキ・スバルを連想させるもの
リゼロが好きなのか？
「ロッキン！ロッキン!!」
と開口一番口にし、早速「君と夏フェス」を始めるが去年見たときもそうだったけど、まさかこの曲がロッキンで鳴り響く日が来るとは思わなかった
どういうわけか、SHISHAMOはCDJ13/14に出演して以降、長らくの間ロッキンオンのフェスに出てなかった
原因は今も分かってないけど、去年のラインナップでSHISHAMOが発表された時の衝撃は大きく、「あのSHISHAMOが!?」となったが、「君と夏フェス」で始まる今年のロッキンも忘れられない夏になる
そんな予感
SHISHAMOについて海津は、
「女性からの支持が凄い!!」
と語っており、昨年の出演時は新曲だった「夏恋注意報」も恐らく女性からの支持が強いのだろうが、SHISHAMOは松岡と吉川が築くリズムがとても強いバンドでもある
女性からの支持が高いからと言って、簡単に生き残れる世の中ではない
アンサンブルがスリーピース離れしているからサバイブしてこれた
「TEENS ROCK IN Hitachinaka、優秀賞、ボーカリスト賞!!」
と宮崎は前説での海津の呼び込みをそっくりそのまま口にするのだが、吉川も当時のコンテストのことはよく覚えている模様
もしかしたらSHISHAMOがこれまでロッキンに出なかったのは思い入れが強く、簡単に出たくない思いがあったのかもしれない
すると新曲「いっそこの心臓の音が君に聞こえたら」を投入
イントロとアウトロはエレクトロの要素が強いものの、実際は吉川のビートがとても強く正攻法のロックサウンド
それにしてもSHISHAMOのリリースペースは早い
ついこの間アルバムが出ていたが、来年にはまたアルバムリリースされるのでは？と思ってしまうような速さ
ただ「ハッピーエンド」では夏の思い出のような美しい映像を流しながら、巧みに情景描写された歌詞が宮崎の伸びのある歌声と共に再現されていく
宮崎の声は青空の下で聞きたいと思わせる声だ
SHISHAMOは昔から地元川崎にある等々力競技場でワンマンしようとするも、天候に泣かされ度々中止になっている
でもそこに宮崎が立った際、響く声は格別なものだろうなと思っている
既に2回中止となっているが、三度目の正直で是非実現させてもらいたい
宮崎は再び、
「ロッキン！ロッキン!!」
と口に出していくが、
「好きになったから今年も出演しました!!」
と連続出演した理由も口に
てっきり自分は去年だけの特別出演と思っていただが、CDJやJAPAN JAMも出演しロッキンオンのフェスをあっという間に制覇した
1年で示したロッキンオンのフェスへの愛
いずれはロッキンオンのフェスでトリを担う可能性もある
ボートレースのCMソングとして大量OAされ、松岡のバッキバキなベースを含めてSHISHAMOのオルタナティブな一面が強く出た「最高速度」、宮崎がブルージーなメロを奏でる「恋じゃなかったら」と続け、ラストはやはり「明日も」
時間の都合上、「明日もない」に繋がることはなかったが、
「月火水木金 働いた
ダメでも 毎日頑張るしかなくて
だけど金曜日が終われば大丈夫
週末は僕のヒーローに会いに行く」
「痛いけど走った 苦しいけど走った
報われるかなんて 分からないけど
とりあえずまだ 僕は折れない
ヒーローに自分重ねて
明日も」
と「明日も」は実は音楽フェスと相性がとても良い
最高の夏になることを約束してくれるロケットスタートになった
セトリ
君と夏フェス
夏恋注意報
いっそこの心臓の音が君に聞こえたら
ハッピーエンド
最高速度
恋じゃなかったら
明日も
・シャイトープ［PARK STAGE］(12:25〜)
メインステージからサブステージはひたちなか時代のGRASS→LAKEほどではないが時間を要する
そのためPARK STAGEに移動してくるとシャイトープがまさに「マーガリン」を始めようとしているところ
JAPAN JAMにも出演していたが、ロッキンに出演するのは初めて
バターもマーガリンも今すぐ溶け出しそうな暑さながら、雨が降りそうな気配があまり感じられない
「Good morning 始まりの朝」
に佐々木(Vo. & Gt.)の声は今日もよく伸びており、シンプルなギターロック故、他のバントよりも特に重要となるグルーヴはふくなが(Ba.)が上手に出てきてうねるように弾き、タカトマン(Dr.)は要所要所で緩急を
この2人が築き上げるグルーヴは鉄壁
シャイトープのロックンロールを信じられる根拠はこれ
一見ヒヤッとするタイトルではあるが、もちろん犯罪的危険な世界観ではなくスピーディなに駆け抜ける「誘拐」を経て、「curry & rice」は春のJJ同様コールアンドレスポンスを何度も促すが時刻は12時ごろ
お昼時である
いくら開演前に軽く腹ごしらえをしたとはいえ、「curry & rice」の合唱を聞かされたら、お腹が空いてくる
もしや運営はフードコートへ誘導させるべく、シャイトープをこの時間に当てたのだろうか
佐々木が軽く挨拶したあとは、夏をテーマにした「Summer Conte」で夏の情景を浮かび上がらせるが、シャイトープの1番の肝はこうしたバラードだろう
今日次々に現れるニューカマーとの違いはバラードでも勝負できること
佐々木のハイトーンボイスも彼が生み出すメロディーも全て美麗なアート作品のよう
若手でバラードで勝負できるバンドはほんの一握り
それは「ランデヴー」が爆発的ヒットを遂げたのが大きい
佐々木たちは「ランデヴー」がヒットした際、簡単に状況を飲み込むことが出来てなかったが、派手な装飾もせずただ達筆に仕上げたのがこの「ランデヴー」
佐々木の歌声やバンドが織りなすアンサンブルが映すのは彩り
芸術作品を鑑賞しているかのようで、じっとステージを凝視してしまう
「今最悪な時かもしもれないけどいつかは光と巡り会えるから!」
という佐々木の言葉が導くように、最後はメジャーデビューシングルとして世に放たれたばかりの「ヒカリアウ」へ
思えばシャイトープは佐々木が「そこれで駄目だったら音楽を諦める」といった経緯で結成されたバンド
諦めたくても諦めきれず、バンドを結成したらこのように光が舞い込んだ
いつか光と巡り会えるのはシャイトープが証人となっている
秋のツアーは参加したかったものの、年に数回あるライブ参加NGな日だったので参加は不可能
ただいつかはシャイトープが作るtengokuに長時間滞在したいと思っている
セトリ
マーガリン
誘拐
curry & rice
Summer Conte
ランデヴー
ヒカリアウ
・Novel Core［HILLSIDE STAGE］(13:05〜)
基本的に自分はフェスに参加する際、初見重視でタイムテーブルを組む傾向がある
しかし「予習しようにも何聞いてくればいいの？」状態になっていたのがNovel Core
つまりはほぼ何にも聞いてないような状態
ちょうどこの時、GRASSには優里が降臨している状況
なので満員とは客観的に見ても言いづらい状況だったのだが先にバックバンドとして
Dr.：佐藤
Key.：ダイスケ
Gu.：熊谷
DJ：コータ
というやや変則的な編成なのはSKY-HIこと、日高光啓が社長であるBMSG所属だからだろうか
ついでサングラスを着用した状態のNovel Coreが登場し「WAGAMAMA MONDAIJI」から始まると熊谷が弾くギターがとてつもなくカッコイイ
Novel Coreの歌唱力はもちろん素晴らしいが、ベースレスであってもバンドが編み出す音は爆音仕様
あまりラップを聞かない方でも引き付ける事が出来るような
それは佐藤のドラミングやコーターによるDJテクも活かしている「カミサマキドリ」もそうだし、なんといってもNovel Coreが、
「今日をもって応援するアーティストが増えたな！おめでとう!!」
と宣言してしまう自信満々ぶり
この一言で掴まれたのは自分だけじゃないだろうし、直後にヘドバンも行うのは全く予想打にしてなかったこと
しかし「RULERS」が始まると途中でマイクトラブルが発生
だがこのハプニングを利用してNovel Coreは自身が口パクではないことを証明する開き直りっぷり
「これも楽しいだろ？」
とトラブルに苛つく表情なんて一切出さずに、そのまま高速ラップをお見舞いする
なんてクレバーな人間なのだろう
ハードロックテイストなアンサンブルに
「右 左 も分からない」
というシンプルなフレーズだからこそインパクト抜群な「A GREAT FOOL」、独特な手拍子やキャッチーな作風に心が自然に躍る「独創ファンタジスタ」と続けると、Novel Coreは今年初めに武道館でワンマンしたこと、来年にはＫアリーナ横浜でワンマンするという話をして驚いてしまったが、参加を促すべく、なんと挙手ではなく口頭で回答させる手段に
「これで言質取った(笑)」
とのことだが、どれくらいの方がワンマンに足を運ぶことになるのだろう
「次の曲はバンドに休んでもらいます!!」
と話し「SHIKATO!!!」はDJとNovel Coreで行うオーソドックスなスタイルで行うが熊谷たちバンドメンバーは肩を組むなどしてライブを盛り上げている
Novel Coreとバンドの関係も良好なんだろうと思えるようなワンシーン
そして最後の「Green Light」では、
「曇り空どころか快晴ですけど!!」
と雨の降る気配を微塵も感じさせない空を喜ぶ
音楽フェスの醍醐味と言えば聞いたことのなかったアーティストに触れること
タイムテーブルの関係上、偶然見たことないアーティストを見ることだってある
そうやって自分は好きなアーティストを広げていったし、それは今もそう
Novel Coreの言う通り、応援するアーティストがまた増えてしまった
セトリ
WAGAMAMA MONDAIJI
カミサマキドリ
RULERS
A GREAT FOOL
独創ファンタジスタ
SHIKATO!!!
Green Light
・TETORA［PARK STAGE］(13:45〜)
ロッキンの出演者が発表される前、TETORAは8/12(月)に日本武道館でワンマンすることを発表
ロッキンには出ないと思っていたが、1週間前にも関わらずロッキン出演
一時期、上野(Vo. & Gt.)がライブ出来なかったのも関係しているのだろうか
リハで数曲披露した後、SEが流れてからゆっくり登場
上野たち3人がミユキ(Dr.)のドラムセット前に集まって拳を交わした後、
「TETORA始めます！ロッキンに向けて!!」
とこの時期を示すような「八月」で刺青を入れたドラマー、ミユキのパワフルなビートを感じさせながら始まるがご存じの方も多い通り、TETORAは基本的にサブスクで一切音源を今のところ解禁してない
それは上野がTETORAの音源をサブスクで配信することにメリットを感じていないのもあるが、「十三月」に収録されている楽曲たちはアルバムの歌詞カードを見ると、本当の副題が載ってたりする
わざわざCDを買ったこそにこそ、真意が伝わってほしいと
アルバムのリリース前から公開されていた、可愛らしい二匹の犬が夜の街を駆け抜けるPVのように、いのり(Ba.)の太いベースが掛けていく「七月」を疾走させると、早くも「ずるい人」が演奏され歓声が沸くPARK STAGE
と同時に近くにいた方は、
「この人、歌声ヤバ!!」
と驚いていたが、TETORAの所属するOrange Owl Recordsと言えばammoやJAPAN JAMにも出演したアルステイクが所属するインディーズレコード
サブスク配信をせず活動してきたアーティストだらけ
そうなると魅力を発信する手段はライブ
ライブハウスで生き抜いて来たからこそ、迫力のある歌い方は培われた
「最後の夏になれませんように」
上野がそう告げるのは世界観に沿ってか、それとも二度と会えなくならないように願ってか
アンサンブルが控えめだからこそ、聞き入ってしまうが、
「五感を活用して自分が選ぶ感性を磨いてください!!」
と本質を見抜くように鍛えることを促し、「四月」でその主張は更に強まる
事の本質をしっかりかき分けて欲しいと願うかのように
いのりとミユキによる性急なリズムがかっとばしていくかのような「バカ」、パンキッシュな「嘘っばかり」と畳み掛けるような流れには圧倒されるばかりだし、上野はどんどんこちらにかけてくるので迫力も凄いが、
「本気が1番かっこいい！本物はいつだって本気!!」
と叫んで「言葉のレントゲン」をラストにぶっ込むのは本物の証
青空の下で鳴らされる厚化粧もないスリーピース
全身をさらけ出すようなスリーピースに嘘偽りもないだろう
身震いさせられような圧巻のライブアクト
セトリ
SC.本音
SC.日常
八月
七月
ずるい人
今日くらいは
四月
バカ
嘘ばっかり
言葉のレントゲン
・Tele［HILLSIDE STAGE］(14:20〜)
Novel Core、TETORAと今年武道館に立つアーティストが続いているサブステージ
次のTeleも6月に武道館のステージに立ったアーティスト
武道館クラスですらワンマンのチケットが取れないので、見れるときにしっかり見なければならないアーティスト
お馴染みのバンドメンバー、
ギター︰馬場庫太郎(from NENGU)
ベース︰森夏彦(from THE 2)
ドラム︰森瑞希(RADWIMPSのサポート)※不確定情報
鍵盤︰奥野大樹(BRADIOのサポート
と共にリハからアンサンブルを撒き散らし、本番では夏彦がグルーヴィなベースラインで踊らせる「ことほぎ」が始まるが、フェスと言えども常にハッピーな訳ではない
急に現実を思い出すように、憂鬱になりかけることもある
そこにそっと寄り添うのが谷口喜多郎が生む音楽
「さよならだけを抱き寄せないで。
愛される権利は君にある！」
の通り、あなたは愛される権利があるものと気づかせる救いの音楽
だがTeleは音源とライブでサウンドスケープがかけ離れており、リズム隊がモータウンのリズムに沿って踊らせる「ロックスター」が後半、馬場のギターによって轟音化すると、タイトルから既におぞましさを放っている「カルト」はサスペンチックな様相
Teleはフィジカルでは音源を出さず、配信でコンスタントに新曲を発表するのがルーティン
ちょっと目を離すと、「またすごい曲をリリースしてる!?」となりがちなのがTeleの恐ろしさ
真っ昼間とはいえ、本当に金星が出現してるかに錯覚するくらいに凶暴なオルタナサウンドを振り落とす「金星」から、BRADIOのライブにおいても大きな役割を担っている奥野の鍵盤を中心に添えた「私小説」で踊らせたあと、「バースデー」では豪華すぎるバックバンドによるソロ回しが行われ、馬場に対しては
「もっと！もっと!!」
と要求が大きい(笑)
くるりとのツーマンの時のように、「うるさい!!」と拒絶する理不尽ぶりを発揮しなくて良かったが、
「このフェスに出るのが目標じゃなくてあなたがステージに立ちたいと思える日にする！今日はそんな記念日!!」
と谷川はあくまでこの日を参加者が変わる記念日にすることを宣言
「○○を見て人生観が変わった」なんて話はよく聞くが、谷口はまだアラサーにもなってない
20代前半の彼がこのように宣言する
同世代だとVaundyに注目が集まりがちだが、谷口もとんでもないカリスマであり化物だ
そして最後、大合唱が起こる「花瓶」で谷口は、
「これは君たちの曲だ!!」
と叫ぶ
革命前夜とも呼べるようなライブ
ロッキン初出演でとんでもない傷跡を残していった
去年の暮れ、Zeppで初めてワンマンを見た際の衝撃は今も忘れない
「東京宣言」や「Veranda」で只者ではないポップセンスを示していたが、徐々に新世代のロックスターとして頭角を現すようになっていった
谷口喜多郎はとんでもない才能の持ち主である
だからこそ来年の横アリワンマンで、と書きたかったがTeleのライブが終わったあとに、当落通知を見たら落選
愛される権利はどこにあるんだ
セトリ
SC①バースデイ
SC②鯨の子
ことほぎ
ロックスター
カルト
金星
私小説
バースデー
花瓶
・ヤングスキニー［PARK STAGE］(15:05〜)
Teleのライブを終えると、今度は隣のPARK STAGEからパンキッシュなサウンドが
昨年はかやゆーが終盤にパンツ一丁というとんでもない格好になっていたらしいヤングスキニー
JAPAN JAMではメインにいたものの、ロッキンはサブステージへの出演
SEもなくかやゆー(Vo. & Gt.)が自己紹介して始めると「ヒモと愛」に「ゴミ人間、俺」とかやゆーが自身のことを自虐するような曲、もとい「歌にすれば〜」の曲順通りの序盤
歌詞を見たら色んな意味で好きキライがはっきりするけど、ゴンザレス(Gt.)がエモーショナルなギターを鳴らし、ゴリッゴリなベースを弾くりょうととパンクさながらなビートを刻むしおんからなるリズムが浄化
外見から見ればどう見てもカッコイイバンドである
「去年は初めてパンツ一丁でライブをしてしまいました(笑)今年はそうしないようにしないと」
と昨年のライブを見てない方のために状況説明し、かやゆーのメロディセンスの良さが発揮される「ベランダ」はハンドマイクで
いつかはゲストボーカルの○○が参加する日も見てみたいと思っているが、心地よいメロディは夏の暑さも緩和してくれる
代表曲である「本当はね」で身体を横に揺らさせながら、ゴンザレスが奏でる美メロやかやゆーの甘い声を堪能させたあと、「らしく」でかやゆーは上半身裸になりつつ、
「今年もロッキンに出れている!!」
と嬉しそうに叫び、りょうととしおんが築くリズムの元で身体を弾ませたあと、
「俺フェス好きなんですよ。俺たちと俺たちのファンで見られない景色が見れますし」
とフェスを好んでいることを明かした上で、
「フェスの楽しみ方は自由。芯を貫くことが大事」
と芯を貫くことの大切さを話しているからの「精神ロック」はエモい
ヤングスキニーに対して、見方は賛否は別れてしまうけど、「精神ロック」に出た音楽への愛を見せたからヤングスキニーをより好きになった
誰になんと言われようが、やりたいことを貫く
その姿勢はパンクそのもの
「精神ロック」をリリースしたことはヤングスキニーにとっての分岐点だろう
しかしここら辺で、次のアーティストを見るために後ろに下がり始めたらかやゆーがまたパンツ一丁(？)になり始めたのだろうか
凄い格好になっており、時間いっぱい使い切るかのように「死ぬまでに俺がやりたいこと」、「不純愛ラブストーリー」とショートパンクを連発
まさか2年連続であの格好になるとは…
パンクにも程がある
セトリ
SC①愛の乾燥機
SC②君の街まで
ヒモと愛
ゴミ人間、俺
ベランダ
本当はね
らしく
精神ロック
死ぬまでに俺がやりたいこと
不純愛ラブストーリー
・DISH//［LOTUS STAGE］(15:30〜)
ヤングスキニーをギリギリまで見ていたので、着いた頃には既に「沈丁花」の後半だったDISH//
2年連続出演だが、出演日直前に矢部が休養することが発表され、手負いの中での出演となった(なのでサポートギター2人とサポートベースを入れた6人編成)
先日まで開催していたツアーを振り返るインタビューで特にピックアップされていた「This Wonderful World」で最高の1日にすることを確認し合うと、遂に完結したヒロアカこと「僕のヒーローアカデミア」の主題歌にもなっていた「No.1」では矢部が楽しそうにコーラスする姿がモニターに映ることが多いのでそれが見れないのが残念
けど客席からはNo.1のポーズを取る人がやはり多いし、ソロシンガーとしても活動する泉は手数がかなり増えていた印象
泉のドラムはここに来て進化が止まらない
匠海が今回3人編成での出演になることに告げたあと、匠海がアコギを背負ってスケール大きく鳴らすのは「揺れていく」
春のJAPAN JAMでもこれで合唱を促していたが、今や「揺れていく」はフェスに置ける鉄板として定着した
それは大きな会場であるほど、「揺れていく」が映える曲だと匠海達が自信を持っているからだと思う
昔ならロッキンオンのフェスとは縁がなかったが、「猫」のヒットがDISH// の音楽をたくさんの人に届け、色んなな場所でライブが出来るようになった
それが「揺れていく」のポテンシャルを存分に発揮することに繋がっているから匠海もきっと嬉しいはずだ
そのうえで既に話題沸騰の新曲「プランA」がお披露目されるが、アニメ「逃げ上手の若君」の世界観を意識するように和のビートやシャッフルビートが盛り込まれ、随所に組まれる合いの手はつい手を上げてしまいたくなる
DISH//を今後大きく牽引すること間違い無しの楽曲だろう
もう全ての楽曲を匠海達が自信で手掛けるようになったが、「プランA」はDISH//をさらなる舞台へ誘うのは間違いない
一方ライブ定番の「JUMPer」で矢部のパートは匠海や橘の2人で補っていたが橘は強烈なシャウトも入れた
出れなかった矢部の部分も担うかのように
こんな強烈な「JUMPer」は初めて見たような気がする
「HAPPY」で匠海がギターを背負い、泉が感情的にドラミングする場面も見せながら、
「生きろ」
と強大にアンセムを鳴らしていくと、
「結成当時に出たいねって話してたロッキンに出れるようになって。まだまだだけど少しずつ馴染めてきたかな」
と変化を感じるように話す匠海
楽器を背負えど、演奏せずにただ踊っていた初期を知っているほど「あのDISH//がロッキンオンのフェスに…!?」となった人は必ずいる
匠海もエアーバンド形態からロックバンド形態に移行し始めた際、スラッシャーとの間で開きがあったことをインタビューで話していたけど、「猫」のヒットでどんどんライブする機会が増え、ロッキンオンのフェスには今やほぼ全て出演している
今やDISH//はロッキンオンのフェスに欠かせないバンドだ
自分もDISH//はロックバンドとして認識している
そして「めざましテレビ」のテーマソングにもなっている「朝、月面が笑ってる」を最後に届けていったが、あるバンドの件もあるから、矢部には必ず戻ってきて欲しい
矢部も含めた4人でステージに立ってこそDISH//のライブと思うから
セトリ
沈丁花
This Wonderful World
No.1
揺れていく
プランA
JUMPer
HAPPY
朝、月面も笑ってる
・reGretGirl ［PARK STAGE］(16:25〜)
春のJAPAN JAMでは5日間のアンカーとしてフェスを締めくくったreGretGirl
ロッキンには2年ぶりの出演となる
リハの段階から「こんなに金髪だったかな？」と派手な前田(Dr.)の髪色を見ながらふと思ってしまったが、本番では上手のモニターにバンドロゴが出現 サポートを入れた5人で登場し、平部(Vo. & Gt.)が軽く挨拶してから「ピアス」から始まるが、あまりにセンチメンタルなメロディは悲しみだけでなく、このロッキンの出来事も忘れさせないようにする
そんな秀才なメロディー
最近のライブでは恒例となっている平部の客席べた褒めから始まるのは無論「KAWAII」
「俺はヒラベだけど気にすんな！」
と自虐ネタを入れながら、十九川(Ba.)の歌うようなベースラインで踊らせるが、reGretGirlは世界観に対し、十九川たちが楽しそうに演奏するのがお約束
鍵盤が笑顔を見せながら身体を揺らすように奏でたり、ギターは足を上げながら演奏したりと悲壮感を感じさせないのがreGretGirlのライブの特色
だから新曲の「純ラブ」もほろ苦い夏を感じさせるような世界観ではあるが、爽やかなメロディがとても涼しいし、手数の多さや力強さも兼ね揃えた前田のビートはそれをアシストしている
自分は失恋ソングなどにそこまでひかれる人間ではないが、reGretGirlの世界観はロックが好きなら純粋に惚れる
そんなポップロックを鳴らしている
今回のロッキンは出演者が事あるごとに水分補給を推奨し、平部もまた水分補給を促すのだが、
「「塩の飴はなめても、夏の汗はあめるな!!」。これ夏の教訓として伝えてください(笑)」
と妙な教訓を伝達(笑)
昔はマンガで「汗でおにぎりがおいしくなる」みたいな描写があったけど、今はどんな感じなんだろうか
「みんな辛いことを発散するために音楽を聞いているんでしょ？流石にフェスで怒りを爆発させる人はおらんと思うし。今の時代、簡単に人を傷つけること出来るから。俺たちはみんなの隣にいたい。目の前のあなたを抱き締めるから。」
と参加者の背景を読み解きつつ、平部はあなたの側にいたいこと、抱きしめる存在になることを願うが、
「俺たちの曲の中で最も優しい曲」
と話した「tear」は参加者に優しく寄りそう曲
サポートメンバーもコーラスに入るくらい、reGretGirlの中で特に重要な曲だし、reGretGirlのコンセプトはあなたの背中を押すことにもある
失恋ソングのイメージが強いけど、本質はそこにもあるし、
「そばにいるからずっとそばにいてね
いなくならないで忘れないで
気を使わないで怒ったっていいぜ
散々だってオレがいるって
ひとりだと思わないためのうた」
と孤独にさせないこともreGretGirlのテーマ
孤立させないように寄り添う優しいバンドだ
そのうえでこの辺になると、My Hair is Badのライブが始まるからか、
「マイヘア行く人多いなー。仕方ない、俺も好きなバンドだもん(笑)」
と拗ねることなく、良さを認めるがreGretGirlだっていつかメインに昇格してもおかしくないバンド
ブレイクのきっかけとなった「ホワイトアウト」で
「どうにかなってしまいそうで
もうどうにでもなれとも思えてきて
繰り返されることはもうない」
の合唱が起こるくらいだからだ
この合唱がもっと大勢で起こるのを自分は見たい
サブステージに割り振られるには勿体ないポテンシャルだから
そして最後は儚さが夏風と共に疾走していく「after」
シーンには失恋ソングを歌うアーティストがどの時代にもいるが、reGretGirlは今そうした類いのアーティストで1番追いかけている
そもそも恋愛に縁がないから、歌詞に共感している訳ではない(恋愛が出来ないから失恋にも縁がない)
ただただreGretGirlのアンサンブルに魅了されているのだ
8/29には昭和女子大学人見記念講堂でワンマンとのことだが、いよいよワンマンに足を運ぶのもありかもしれない
「ページワン」を聞きたいし
セトリ
SC①shunrei
SC②soak
ピアス
KAWAII
純ラブ
tear
ホワイトアウト
after
・BREIMEN［HILLSIDE STAGE］(17:05〜)
一見初出演のように見えるが、2年前にLenny Code Fictionのピンチヒッターとして参加しているため、実は2回目の出演となるBREIMEN
タイムテーブルの兼ね合いもあって初めて見ることに
しっかしこの裏は遂にロッキンオンの表紙を飾ったり、クレヨンしんちゃんの映画主題歌を担当するようになったMy Hair is Bad
そのため1000人いるかいないかと思うほどにステージは閑散
この日の出演者では1番集客が苦しいと思われる
そんなモチベーションを維持するのが困難な状況であるが、リハでサンボマスターの「できっこないを やらなくきゃ」をファンキーにカバーして踊らせたあと、本番で「乱痴気」を始めるとボーカルの高木はキレッキレのスラップを入れながら華麗に歌唱している
サトウもきめ細やかなカッティングを入れたり、Kannoのリズミカルなビート、陽気なジョージのホーンやキャッチーな音色を織りなすいけだの鍵盤とソウルフルなダンスミュージックであるがJ-POPも合わせることで全年齢対象に昇華している
なのでBRADIOやFIVE NEW OLDが好きな自分にはたまらないのだが、終わり際になると急に「ultra soul!!」と叫びだす高木(笑)
LiSAじゃないんだから(笑)
続く「ODORANAI」はグルーヴがより重心低目となり、「これで踊れないわけ無いだろ」といった感じ
しかも高木が途中で変な姿勢で歌い出す「あなたが1番踊ってませんか？」状態
やっぱりこれで踊らないなんて無理難題
そこに新曲として「スプモーニ」が披露されるが、Kannoのアイリッシュ風なビートいけだが弾くやオリエンタルな鍵盤はあまりに野外と合いすぎる
「これを野外で聞かなかった人は損するのでは？」なレベル
近年の気候を考慮に入れると、夏に聞けるのは今年限りかもしれないが、野外で「スプモーニ」を聞けたことは大きな自慢にしたい
癖になってしまういけだのシンセリフに、軽快なリズムがこちらの心を解放する「ブレイクスルー」で踊らせたあと、最後はここが極上のユートピアだと思い出させてくれる「MUSICA」
集客的には来年出れるかどうかはかなり厳しい
客層の良し悪しはあるとはいえ、これは来年出演するのは厳しいレベルだから
しかしダンスミュージックは野外と相性が良い
BREIMENのライブを見るとそう感じた
個人的にはホールでライブするのが当たり前になって欲しい
ホールで客を自由に踊らせる姿がとても似合いそうだから
SC.できっこないを やらなくきゃ
(サンボマスターのカバー)
乱痴気
ODORANAI
スプモーニ
ブレイクスルー
MUSICA
・Saucy Dog［GRASS STAGE］(17:45〜)
初日の出演者が全て明らかになった際、集客がずば抜けているアーティストが2組おり、「多分この2組がトリ」と予想できた
その1組がSaucy Dog
JAPAN JAMに続いてのトリ担当であり、この日は早い時間のトリだが、出演者が一部共通しているひたちなかの初日は1日を締めるトリで出演となる
いつものようにバンドの世界観にそっと導くようなSEが流れ、メンバーが1人ずつ登場すると、石原(Vo. & Gt.)の声がそっと浸透していくかのように「煙」で始まるが、今やサウシーはアリーナクラスでワンマンするのが当然のバンド
石原の声も遠方まで行き渡り、アンサンブルも強大なものとなっているが、HILLSIDEからGRASSに移動してくる最中、とてつもない数で簡単にGRASSに入れなかった
今から5年前の春のJAPAN JAM、並びにロッキンで見ていたことが遠い日のように感じる
サウシーの状況を一変させた「シンデレラボーイ」は早くも序盤に投下され、石原とせと(Dr.)による美しいハーモニーが重なっていくが、ステージ後方のLEDには「シンデレラボーイ」のイメージPVが映っていた
Kアリーナでワンマンを見た際もこの演出が為されており、あると無いで「シンデレラボーイ」の印象も相当変わる
「死んで」
の演出は用いられなくなるが、この儚さを最大限に発揮するに辺り、この演出はなくてはならないもの
次々に変化していくリズムが愉快で面白い「雀ノ欠伸」で踊らせていくと、いつものようにせとは軽く自己紹介していくが、
「ここにいるってことは俺たちに興味があるってことだろ!?」
と何故か威圧的に話す石原
「また何かあったのか？」と少し心配になりつつも、石原がスーパーマンのようなポーズを始める「夢見るスーパーマン」は一気にパンキッシュに
アリーナツアーみたいにサポートギターがいるわけではないけど、刺青を普通に出している秋澤(Ba.)のベースラインはイメージにも沿うような力強い音色
インタビューでも話していたが、THE BLUE HEARTSを意識しただけに、これは紛れもないパンクロック
その秋澤が前に出てベースソロを鳴らし、石原はその間に花道を走る
これはアリーナツアーの経験が反映されたものだろうが、「雷に打たれて」のソリッドなギターロックを聞くと、「時代を掴みに行くにはこの厚みを超えないと鳴らないんだな」とも思う
Tik Tolkの普及で以前よりはヒットソングは飛ばしやすいだろう
でもアーティストの真髄はライブ
サウシーは積極的なライブやフェス出演が今の強固なアンサンブルに繋がっている
この壁をそう簡単ではない
その一方で「ゴーストバスター」で石原は例によって、歌詞を飛ばしたりしてしまったが、サウシーが初めて蘇我でライブした際に最初に鳴らしたのが「ゴーストバスター」だった
あの時は大抜擢で、最後の方に負けん気も出していたが、今のサウシーはその時よりきっと多くの方を救えるようになっているだろう
トリを任せられるくらいに頼もしい存在となったのだから
「あなたに会うために来た!!」
と石原が話し、シーンに出てきた時の頃を思い出させる「バンドワゴンに乗って」を終えると、ここで新曲「馬鹿みたい」
喪失がテーマであれど儚さは感じ図に聞き取れることが出来るロック
喪失系の曲は多くても聞いてナイーブにさせることはない
それがサウシーのロックの強みだろう
すると石原は急によく分からない話し方を始めるので、場内は反応に苦しみ、石原も自分の話し方が通じてないことを感じ取って、元の喋り方に戻すのだが、
「ここにいる人たちは好きを追求する人たち。他人の好きを否定しない方々だと言いな。」
と参加者が優しい方々である事を願う石原
蘇我に移転して以降、会場が狭い関係でロッキンの出演枠は大きく狭まった
その少ない枠に「なんで自分の好きなアーティストは出れなくて、○○が出るの!?」という意見を度々見る(自分も近年の出演アーティストについては思うことが多い)
でも興味がなければ見なければいい
ライブを見ている最中、別のアーティストのことばかり考える人はそういないだろう
参加当日だけでも、「○○なんて」とか「○○とか」みたいな発言をしない
それだけでも優しい世界に少しは近づけるはずだ
そうして石原が願いを口にしたあと「怪物たち」は強烈なフレーズが背後のLEDが映されるが、
「言葉はピストル引き金を引けば
当たり前に人は死ぬぞ分かってて言ってんの？」
はいつ何時も忘れてはならないだろう
reGretGirlの平部も話していたが、簡単に言葉で人を殺せる時代
加害者も被害者を増やしてはならない
サウシーのライブを通じてどちらも減ることを強く願いたい
そして最後は世界平和を願うサウシーの祈りが強く出た「優しさに溢れた世界で」
近年は国民を守るはずの政府をやりたがっている由々しき事態だし、オリンピックに戦争をしている某国が参加したりと、とんでもないことになっている
戦争が始まったら、ただでさえ分断されている国内は更に分断される
緊急事態条項なんて成立したら、フェスも出来ないかもしれない
当たり前は当たり前じゃない
それはフェスの中止が相次いだ時に嫌というほど体感した
だから、石原たち3人が背後のLEDに映ったあと、
「積み上げた一瞬はきっと
報われない事もさ、多分あるんだろうけど
踏み出した一歩は今日も
大切な誰かを思い浮かべていた」
の合唱が起こる、この優しさに溢れた世界が続くことをいつも以上に願っていた
セトリ
煙
シンデレラボーイ
雀ノ欠伸
夢見るスーパーマン
雷に打たれて
ゴーストバスター
バンドワゴンに乗って
馬鹿みたい
怪物たちよ
優しさに溢れた世界で
・クリープハイプ［LOTUS STAGE］(18:45〜)
遅い方の時間のトリを任されるのは、先日UNISON SQUARE GARDENとのツーマンで見たばかりのクリープハイプ
ロッキンオンのフェスで徐々にトリを任される存在にはなったが、ロッキンは12回目の出演で遂にトリを任された
時間になって、SEもなく4人が姿を現し、
「クリープハイプです。12年分の想いを込めてやります」
と尾崎(Vo. & )が自己紹介し、「キケンナアソビ」から始めるがユニゾンとのツーマンの際は、お馴染みのあの場面で何も告げることはなく、静寂な時間が流れていた
それが今回は、
「ようやく掴んだトリだから、危険日だろうがなんだってやってやる」
に変更
ユニゾンとのツーマンでは、ユニゾンをたてるために自重していたが、この日遠慮することは無い
2012年に初出演して、ようやく掴んだトリだから思い切りやることを宣言しているかのよう
「長谷川カオナシです。ミュート、ブロック、通報。どんなにやってもこの世界は良くなりません。」
と長谷川(Ba.)が愚痴るように告げ、「火まつり」では小泉(Dr.)と共に重心低めなグルーヴで見せるが、ユニゾンとのツーマンではあったノスタルジックな雰囲気はこの日ほとんどない
逆に抱くのは終始ヒリついているのような感じ
やっとトリを任せられたのだから、全力で出し切ると言わんばかりに音に思いを込めてぶつけている
再び尾崎が軽く自己紹介したあとには、尾崎が怒りをぶつけるかの如くサウンドスケープもハードロックにアプローチする「身も蓋もない水槽」とここ数年のフェスセトリとは異なるコンセプトが見受けられるが、クリープが「さよなら歌姫〜」をリリースしてシーンに衝撃を与えたあと、小川(Gt.)が放つギターリフに、
「オリコン初登場7位その瞬間にあのバンドは終わった」
の歌詞がリスナーやシーンに強烈なパンチを与えた「社会の窓」とクリープがロッキンに出演するようになってからの日々を総復習しているかのようなセットリスト
「余計なお世話だよ バーカ〜!!」
と挑発するように叫ぶし、
「社会の窓の中でイク 夜は窮屈過ぎて」
「最高です!!」
といった客席の掛け合いも成立するが、より小川が荒々しいリフを鳴らす「社会の窓と同じ構成」と久々にリレーで繋ぎつつ、尾崎は何度も煽る
「トリってこんなもんなの？」
といった類いの言い回しはありふれたものだけど、クリープはトリを託されるようになるまでに要した年数があまりに違いすぎる
「ようやく掴んだトリがこの程度？」
なんて尾崎は思いたくないのだ
だから「HE IS MINE」でも更に煽りまくり、
「12年分の思い出します」
と宣言し、例のセックスコールを成立
まさにためにためた思いの大放出
過去最大のセックスコール
「ムカつくやつを見つけてそいつのせいにして、歩んできた。」
と話す尾崎
つまりは妬みや嫉妬をはじめ、負の感情を色んなムカつく人物を見つけ、発散してきたということであるが、
「でもこのステージに立てているのはなたのおかげです。」
とあなたへの敬意を忘れることはない
聞いてくれるリスナーがいなければ、トリどころかロッキンを始めとする色んなフェスに立てていないのだから
その一方、「ラブホテル」の間奏で例のごとくブレイクを挟み、
「エゴサして見てたら「FRUITS ZIPPER見るからごめん」というツイートを見つけて…」
とエゴサネタを始めるのだが、この裏がまさにFRUITS ZIPPERであり、LOTUSの後方から爆音で流れてくるシュールな状況に笑わざるを得ないシチュエーション
考えたあげく、
「「ワタシの1番カワイイところ」を見に来てくれてありがとう(笑)」
と絶妙に返す(笑)
この機転はあまりに秀逸で「ラブホテル」の過去の下りの中でも1番だと思った
メジャー初期の代表曲「オレンジ」で小川が夕暮れを漂わせるメロを鳴らしつつ、小泉が刻む4つ打ちビートで踊らせたあとは、長谷川が鍵盤にスイッチ
尾崎は「ナイトオンプラネット」のリリックを次々に読み上げるが、直前に出ていたMy Hair is Badの「真赤」を歌い出すのはCDJに同じ
マイヘアが出る日はやっているのだろうか
「夜にしがみついて」
よろしく、最高の場面ではあるが
長谷川によるベースソロを筆頭に「イト」では小川がやはりステップを踏むように踊り明かしたあと、
「綺麗なイメージになれないのは分かっているので、最後は華々しく散っていきます」
と最後は小泉のビートが強く刻まれつつ、小川が爆音でギターを鳴らしまくる「栞」
「桜散る 桜散る お別れの時が来て」
のように、最後を飾る曲ではあるし、華々しく散るとはまさにこのこと
オルタナサウンドを派手にぶっ放し、さり際にはでかいハートを投げていった
ユニゾンとのツーマンでもみていたので2週連続
中身も全く異なっていた
ユニゾンとのツーマンはユニゾンと出会った時期を思い出させるように
ロッキンはクリープハイプの歩みを振り替えせるような感じ
クリープハイプのメジャーな部分もコアな部分も両方見せてもらい、クリープをますます好きになることが出来た
こんな濃密な二週間あるだろうか
Kアリーナワンマンに参加するかは未定だけど、2週間で最高な場面を2度も見れたのは僥倖
それでもまたその先へ
セトリ
キケンナアソビ
火遊び
身も蓋もない水槽
社会の窓
社会の窓と同じ構成
HE IS MINE
ラブホテル
オレンジ
ナイトオンザプラネット〜真赤(My Hair is Badのカバー)
イト
栞
・SHE'S［HILLSIDE STAGE］(19:45〜)
蘇我で開催されるロッキンオンのフェスでは恒例であるクロージングアクト
今回から持ち時間が、40分とメインステージと同じ時間になったが初日に担うのはロッキンオンのフェスで見るのは久々なSHE'S
こんな長い持ち時間を託されるのは久々だと思う
クリープハイプが終わってから移動してきたので、ちょうどSHE'Sが始まろうとしているタイミングで、ヒップホップテイスト強めな「Grow Old With Me」で踊らそうとしているところ
ところどころで手拍子や合唱が起こり、サビになるとバンドにスイッチし、広瀬(Ba.)と木村(Dr.)からなるリズムで踊らせるがこの日、鍵盤をメインに添えているバンドはSHE'Sくらい
なので鍵盤しながらボーカルを行う井上が普段よりも際立って見える
続く「追い風」がイントロから大歓声となったのは、読売ジャイアンツの菅野人志が登場曲に起用しているからだろうか？
登場曲になっていたのを知ったのは最近だが、
「もう一度だけ立ち上がってよ
哀しみも糧になるから
積み重ねたもの失くしても
僕らは傍にいるから
踏み違えて 終わりじゃない
何処でだって待っている未来
君は変われてる 笑えてる
生きていく者だけに吹く 追い風」
はまるで菅野の心境を歌っているかのよう
かつて程のピッチングはないけど、あの菅野がSHE'Sを使うなんて…
巨人の選手だと丸がLiSAを登場曲に使用したことがあるが、SHE'Sと菅野が結びつくのは予想外である
アラビアンなテイストを井上の鍵盤が漂わせる「Masquerade」で怪しく踊らせたあとは、
「せっかく夜に出演しているので、普段はやらない曲を」
と話したように、広瀬がシンセベースを駆使し、木村のドラムを合図に生へ切り替わる「Clock」、服部(Gt.)がアコギを用いたりとアートロックの要素が強い「If」と夜に出演することを活かすようなセットリスト
野外フェスで夜に出演できるアーティストは一握り
次にいつ担えるかも分からない
だからこうして夜景との相乗効果を狙えるような曲を選択したのだろう
並びに夜の出演となると、
「僕らは大切な人から順番に
傷つけてしまっては
後悔を重ねていく
それでも愛したり
愛されたいと願っている
あなたを守れるほどの
優しさを探している」
と人間の不器用さが綴られた「Letter」もより深みを増す
人間は簡単に傷つくが、同時に愛されたいとも願う
それが人間という不器用な生物
そのうえで井上が願ったのは、
「日本のロックが誰かを傷つけるロックじゃありませんように」
ということ
ヒップホップシーンでラッパー同士がdディスりあう風景はあるが、あれはお互いを高め合うためのもの
ロックで他人を傷つけるのは単なる暴力
だから井上はロックが凶器にならないことを願ったのである
自分ロックについて、社会に警笛を鳴らす役割もあると考えている
社会に警告するならともかく、他人を傷つけるロックはロックと呼びがたい
弱者の盾となる、そんな優しいロックであることを願い続ける
井上がエレキギターを背負い、新しい何かが始まっていくことを予期させる「Kick Out」を経て、最後はSHE'Sの知名度が知れ渡るきっかけになったであろう「Dance with Me」で踊らせて終了
集客はとても埋まっているとは言いにくいけど、持ち時間や時間帯によってユニークな仕掛けを入れてくれるのが分かった
また夜か、長い時間にDance With Me
セトリ
Grow Old With Me
追い風
Masquerade
Clock
If
Letter
Kick Out
Dance with Me
