2004年、「桜の季節」でメジャーデビューしたフジファブリックは今年2024年でメジャーデビューから20周年を迎えた
2014年は日本武道館、2019年は大阪城ホールと大きな会場でメモリアルライブをしてきたが、今回のアニバーサリーイヤーは大きなライブが3本
そのうち1本目はLINE CUBE SHIBUYAこと、渋谷公会堂
近年稀に見るチケット争奪戦となり、「会場が狭すぎる」とフジ界隈でも賛否両論になっていたがなんとかチケットを入手して参加できることに

原宿駅から会場に向かうと、代々木第一では誰かがイベントをやっているのか、やたらうちわが多い
その中をかき分けて、LINE CUBEにたどり着くと、FC会員用の列は1階席がある3階まで並ぶ凄まじい状況に
今回のチケット、近年では過去1番にチケットが取りにくかったがこの列を見たらそれも合点が行く

ステージには幕がされており、定刻の17時30分を少し過ぎた辺りでゆっくり暗転
するとすぐに山内(Vo. & Gt.)のシルエットが浮かび上がり、「ショウ・タイム」が始まる
リリース直後に行われたFC限定ライブとほぼ同じ始まり方
それもそのはず
今回のライブタイトルは「NOW IS」
今のフジを見せるのだから、必然的に「PORTRAIT」を中心にしたライブとなる

山内が一定の所まで歌い上げると、幕が上がってシンプルな設計となっているステージの全貌が明らかになるが、今回のサポートドラムは個人的には一昨年の野音ワンマン以来となる玉田豊夢
アルバムの一部の曲の手数が非常に多く、伊藤大地か玉田だと思っていたので、予感は的中した形になったが、山内がインタビューで

「ミュージカルみたいな曲を作りたかった」

と話していたように、急にファンクになって加藤(Ba.)のベースが太くなったり、金澤(Key.)の鍵盤が目立つニューウェーブな感じになったりと、変態度数は過去最上級
でもフジのファンは大半が変態ロックを望んでいる
「PORTRAIT」でコアな部分がフューチャーされたように、こうした変態ロックも含めてフジの肖像画
アルバムを最後まで聞いて「ショウ・タイム」まで聞き進めた際、「こんなフジを持っていた!!」とガッツポーズした方も多そうである

「プラネタリア」からは金澤の鍵盤が際立つ曲が続き、少し聞こえづらかった加藤のベースもすぐ軌道修正がなされているが、

「ほら、あなたの言葉も 笑顔の魔法も
僕には失くせない宝物さ
見えるものはポケットに 見えないものは心に
また優しく響いた 泣きそうになった
ああ 未来は滲ませながら 新しくなるよ 新しくなるよ」

というフレーズにも出ているように、フジと我々の関係は大阪城ホール以降、より近くなった
大阪城ホールからこのLINE CUBEに至るまで絶対避けられないのがコロナ禍
フジもツアーが中止となり、開催予定だった加藤の生誕祭に至ってはまだ開催されてもいない
その影響はフジの中でも特にダンサブルな「I LOVE YOU」にもろに出ることになったが、ライブが出来ない空白が生まれてしまったから、ただでさえ結びつきが強いフジと我々の関係はより縮まった
あなたがいることでフジは今日も歩むことが出来てる
山内達はその事を決して忘れてないだろうから

何故なら今なおライブの定番にして代表曲である「虹」
もしあそこでバンドが終わってしまっていたら、今日も大勢の人の前で演奏されていない
ボーカルが変わることは当時のシーンでは前代未聞だったし、「バンド名を変えろ」なんて声もあった
でもファンは変化を受け入れ、山内も呼応するように歌唱力を上達、今の伸びのある声を取得し
志村が残した

「週末雨上がって 街が生まれ変わっていく」

の名フレーズは引き継がれ、

「もう空が 持ち上がる…!!」

に合わせて両手を広げたあと、

「渋谷!!」

と叫んだ山内の後に続くように

「遠く彼方へ 鳴らしてみたい
響け!世界が揺れる!」

の大合唱が起こる

金澤による「TOKIO〜!!」の合唱も、ソロ回しもこの日は行われなかったが、以前フジともPerfume主催のイベントで共演した空想委員会はボーカルが去年のこの時期に亡くなり、年末にラストライブを行って解散してしまった
ボーカルが交代してバンドを続けるのは簡単ではない
こうして「虹」を今日も聞けるのは当たり前ではないことだ

ライブ用のイントロが追加された「Particle Dreams」は金澤の鍵盤がジャズテイストだったり、エレクトロチックだったりと伸縮自在に姿を変え、加藤がなぞる重心低めなベースラインも、一打一打が大きい玉田のビートと合わさる事で力強いグルーヴに変化するが、金澤の鍵盤ソロがアウトロに加わることで尺はどんどん伸びる
一時期、「ギターソロ飛ばす問題」が話題になり、恐らく金澤の鍵盤ソロも音源に入っていたらスキップされてしまうだろう
でもそうして飛ばす人は恐らくライブ会場に足を運んでない方々だろう
なにせライブでギターソロや鍵盤ソロは歓声が起こり、起こらなくとも内心、そのプレイの数々に魅了されている
サブスクの普及で以前よりも音楽は身近になったが、その結果「ギターソロ飛ばす問題」やら「利益問題」などが表に出るようになった
ただライブ会場は変わらない
爆音や歌声を聞きに来ているのだから

山内の口から、04/14に「桜の季節」のリリースを持ってメジャーデビューしたこと、この日でデビュー20周年を向かたことを告げると、大きな拍手
バンドが20年続くのはめでたいし、フジの20年はあまりに激動
故になおめでたいのだが、山内に話を振られた金澤は案の定マイクを持ってフロントへ飛び出すが、

金澤「今44だけど、20年も続くなんて思ってなかったからね(笑)」

は本当にその通りだろう
こんなに人間関係が良好なバンドもいないから尚更
その際、金澤は今も志村正彦の家族と連絡を取り合っているようだが、

「志村はデビューする際、「今度デビューするから」と家に電話したんだって。すぐに切ったみたいですけど(笑)」

と志村のデビュー前の言動を掘り起こす金澤
志村正彦存命のフジを見たことある人ほど、このMCに懐かしさを覚えたはずだ

客席にいた24歳の人を金澤は探し、

「20年後こんなふうになるから(笑)」

と忠告し、「こっちも30になってしまったわ!!」とツッコミたくなる自分
金澤に見つけられてしまった方が20年後、どうなるかはともかく、

「志村くんに感謝を届けるようにやります」

と宣言する山内
志村へ今のフジを見せるライブでもあるようだ

そんなめでたい日だから、歌謡曲とブルースが上手く合わさった「桜の季節」もやる
先日の嵐が原因でもう桜は散った
つまり桜の季節が終わってしまったのだけれど、場内には物販で売られていただろうペンライトで客席はピンクに染まっていた
風で桜が舞いちろうとも、会場内は桜の季節が続いている

「桜の季節」で今日初めてギタリストらしい山内を見せたあと、「東京」から山内はまたカッティングを中心に弾いていくのだが、15周年の際に行っていたフジの歴史を総括するようなラップは流石に無し
大阪城ホールワンマンではそれもハイライトの1つだったので、ガーデンシアターでは何かサプライズがあることを期待してたりするが、ソロ回しはこの日も健在
中でも玉田はシンプルなドラムソロだったものの、ビートが強いとフィルインの印象もだいぶ変わってくる
ジャズをルーツに持つ伊藤と、強めなビートを刻む玉田
スタイルは微妙に異なるけど、フジのドラムはこの2人が最も適している
ガーデンシアターもどちらかにドラムを叩いて欲しい所存だ

そのまま金澤が鍵盤をゆっくり弾いて、「変態ロックのフジ、ここに有り」とスカパー野球中継視聴者に見せつせた「ミラクルレボリューションNo.9」はイントロが始まった瞬間から振り付けしまくり
ワンマンは一発本番で始まるので、振付練習は無く、フォークな握りを用いた振付が至るところで見られるが、ハンドマイクとなった山内は途中で詰め寄り、加藤だけでなく自身も笑い出す「何がしたいの?」状態(笑)
それでも加藤はブレてなかったし、玉田の強めなビートによって、普段よりもパンクに寄った感じに

並びに大阪城ホール前後から山内はハンドマイクが増え、ギターを弾く姿は減った
今や知る人ぞ知るライブとなった、山内のソロライブの方がギターを弾いていた気がするのだが、ステージも客席も青く染まった「ブルー」では山内が丁寧に歌い上げることにとどまらず、アウトロで爆音ギターソロを形成
応じるように、玉田のビートも更に激しくなる
この数年でフジのドラムを請け負ったドラマーで、スプラッシュシンバルを使用したのは玉田くらいだと思う
なのでパンキッシュなビートが尚更目立っていた

山内が「ブルー」でペンライトも青だったことに触れつつ、

「20周年を迎えた実感はあまりしないけど、これまでの経験がグラデーションになって、ハプニングとかも20周辺経てばいい思い出に」

とこれまでを振り返りだし、ありもしない楽曲を突然生み出した「東京事件(ユニコーンとツーマンした2018年のフジフレンドパークで、「手紙」をやるはずが、何故か「東京」をコール。金澤は「志村の悪戯か!?」なんて言い出し、山内はくるりの「東京」を弾いて誤魔化そうとしたが、失敗に終わった事件。なお一部始終を目撃していた奥田民生に山内はアンコールで怒涛の口撃を浴びせられた(笑))」を思い出し、金澤は今なおファンにトラウマを残した金澤の生誕祭や渋谷公会堂時代に、「愛のメモリー」を客席に降りて怒られた事件を振り返り、「あなたは近隣のNHKホールのパイプオルガンを弾いたことも触れなさい(笑)」と思いつつ、

「折角椅子があるんだし、LINE CUBE SHIBUYAの椅子の座り心地を確かめてください(笑)」

と意味不明な誘導をする山内(笑)
なお椅子の座り心地にそんなプレミアム感は無い

この時金澤は鍵盤ハーモニカ、加藤はウッドベース、山内はアコギとほぼアコースティックセットの状態になっていたのだが、

「フジファブリックは20年で12枚アルバムを作ってきましたが、アルバムには特に拘ってまして。長く聞けるものを作ろうとしていて、「FAB FOX」を作っていた時のことを思い出したこともありましたが、同じ頃に活躍していたバンドやトレンドに流されず、埋没しないようなアルバムを作りました。」

とフジの制作スタンスを話す山内

フジは基本的に同じアルバムは作らない
志村と話し合って決めていたらしいし、「CUT」のインタビューでもアルバムの制作を終えたら、リセットする趣旨を語っていた
 
なおかつ、フジの核は「ポップであること」、「チャレンジすること」
特に高速4つ打ちギターロックがトレンドになっていた2013年に「FAB STEP」をリリースした際、シーンの真逆をゆくダンスミュージックを提示したのは今でも覚えている
トレンドを気にせず、我が道を行く
それは後続のネクライトーキーやCody・Lee(李)に影響を与えているはず

そうして制作ベースを話したあと、

「でも生きるってわびしいよね?楽しいときもあれば悲しいときも苦しい時もある。そんな時に僕たちの音楽が背中を押せれば良いんですけど、「生きる」ことについて考えた曲をやります」

と歌謡曲がベースであろう「月見草」ではかの口トロンボーンも堪能させるのだが、

「人生は 嗚呼どうして
こんなに こんなに
淋しさを連れる 淋しさを連れる」

といったフレーズがあるように、山内の人生観はここに入ってたりする
フジの曲で死生観が出た曲はそんなに多くない
アンセム寄りの歌詞が多いから、そうなっていくんだろうけど、こうした歌詞を生み出したのはコロナ感染も影響してる可能性もある(山内はある媒体のインタビューで今日の「コロナ明け」に、「コロナ禍の終わりってどういうものか分からない。感染されている方は今もいるし」と疑問を呈していた)
あの病は1度体験したら、もう再疾患したくないから

そのコロナに感染した頃、メンタル的に苦しめられ金澤の数多な歌謡曲の名フレーズを連想させる「音楽」の歌詞を書いたことをFC限定ライブにいて話していたが、

「音楽聴けるだけまだマシなのかな 今日がダメでも明日はどうだ
そんな思いにさせてくれて 僕を救済する」

の如く、自分もコロナ感染や数年前に胃腸炎で出勤停止にされた際、音楽を聞ける喜びを痛いほど分からされた
この5年、当たり前は全然当たり前ではないと悪いアプローチから気付かされた
大阪城ホールワンマンからこの渋谷公会堂ワンマンの間、気付かされることがあまりに多すぎたと思っている

「みんなのうた」のテーマソングに起用されながら、アイリッシュにカントリーなど色んな要素が混在している「音の庭」で山内が鮮やかにアコギを鳴らすと、今日も金澤と共に会場入りしたりしている加藤は、

①志村と同い年かつ、お互いにコンビニでバイトしていて、週刊誌をお互いに貸し借りしていたこと
②昔「Surfer King」をやっている際に加藤のベースネックが山内の身体を直撃し、脇腹を骨折させた事を

などを思い出すが、大きな変化はトークライブを始めたことだろう
しかも単独で3回もライブやってるのが凄いことだが、久々にカトークをやらされる流れになり、この日のなぞかけは、

加藤「「お茶」とかけて「勇者」ととく。」山内「その心は?」
加藤「どちらも立つ」」

と久々ながら流石
一時は毎回カトークをやっていたこともあり、難易度は低いながらも見事な頭の回転の速さ

こうしたアコースティックセットの終わり際、

「椅子の居心地は体感したから、盛り上がる準備は出来たでしょ?」

と「どこからかツッコミ入れたらいいんですか?」なフリをする山内

そのカオスなMCは、

「自由について歌った曲を」

と確かに、

「ただ僕は祈ってる解放の時は来ると言ってくれ
出してくれ籠から食い破れば鳥のように飛びたって」

と自由をイメージさせるフレーズはあるも、ベースラインを金澤が鍵盤で弾いたり、玉田がとてつもなく手数の多いリズムを刻む「KARAKURI」を導く
しかも加藤は急にラップをしたりと、混沌ぶりはライブで更に増しているのだが、もうフェスは「ショウ・タイム」→「KARAKURI」の流れでいい気もする
とことん変態ぶりを見せて、強引に世界観に引き込んだ方がいい気がするし

そこに前述した高速4つ打ちギターロックがトレンドになっているシーンに、アンチローゼのように発表された「バタアシParty Night」で山内は高速カッティングをしながら華麗に歌い、加藤はピッキングでスラップベースのような音を出したりするが、CDJ13/14でまだフジがEARTHにいた頃、山内が貫禄を見せるようにステージをゆっくり歩きながらギターを弾いていたのは今も覚えている
金澤が装飾されたショルダーキーを間奏で使用していたことも
近年、コロナ禍前に活躍していたアーティストがサブステージに回されるケースを多く目にしているが、やっぱりフジはメインステージに立つべきバンド
あまりにも独自路線を進みながら、キャッチーな世界を構築しているバンドはいないから

更に祭りの日はより存在感を増す、「FEVERMAN」で加藤と玉田がパワフルな和のビートを刻み、山内がギターソロを弾くとやっぱり大歓声が起こるが、

「両の手を振って返し押して返し
空になっていいもんね
両の手を振って返し押して返し
空になっていいもんね」

の振り付けは簡単なようで、たくさんの人が一斉にやると知らぬ間に不気味な光景が生まれる
野音ワンマンでやって以降、特にそう感じたりしているが、和のビートと言えばくるりにソウル・フラワー・ユニオン
またフジフレンドパークはやるだろう
その際、ソウル・フラワー・ユニオンも可能なら呼んで欲しい
「ソウルサバイバーの逆襲」とかセッションしたら面白いだろうから

そうして近年の曲がずらりと並ぶ中、

「星を見に行こうぜ〜!!」

と山内が叫ぶ「星降る夜になったら」は3人になってから、ほぼずっと演奏されている曲
玉田の手によって、普段以上にビートに緩急を感じたが、「銀河」や「虹」は恐らくフジファン以外にも認知されている
でも「星降る夜になったら」はどうなのだろう
2009年以前のフジは、変態ロックのイメージが強いが、「星降る〜」のように美しい情景描写をみせる曲もあったりするのだ
2020年には、同名のライトノベルが刊行(サブカルブログでも書いたが、あれほどトラウマを植え付ける作品は無かった)され、そちらも話題になったがいつも夢の続きも、言葉の先も期待する
それがフジファブリックというバンド

ライブの終わり際、

「20周年を迎えることが出来たけど、ここで終わりじゃない!色んな人に支えられてここまで来た。ここで終わりじゃないからね!!」

と話す山内

当然この先も見据えているだろう
アニバーサリーイヤーの翌年にあたる2015年も、2020年もすぐにツアーが始まっていた
今年はリリースツアーが無い
時間が十分あるから、次のアルバムも早くにリリースされそうな予感がするのだ

そして最後、

「20年かけて、みんなの背中を押せる曲が出来ました!!」

と山内が叫んだのは、ソロアルバム用にストックされた曲が加藤が作詞することで完成した「PORTRAIT」
「手紙」で故郷に、「白」で志村に向けて山内は想いを歌った
この「PORTRAIT」の送り先は全てのファン

「自分のためだよと 思ったことが
いつしか誰かの ためになりたいと
何かと比べたり 迷ってたなら
大丈夫だよと 背中を押すよ」
「空っぽな僕が 何者かになれたのは
同じ景色を 見てきたからさ
映るものが 全てじゃないけど
清濁携えて 刻まれていくよ」

のように、自分のためやっていたことが誰かのために、空っぽだった山内達はファンのお陰で何者かになれた
つまりリスナーである我々もそうなれるということである
「お互い頑張って行こう」とでも言うような声明
去り際には客席にお辞儀するも、玉田は去り際を完全にミス(笑)
慌てて加藤や山内がステージに戻ってくることになった

暗転している中、手拍子をして山内達が戻ってくることを待ち望んでいると、しれっと山内達はステージに戻り、「若者のすべて」をプレイ
もうすっかりフジの代表曲になったが、気になるのは8月のガーデンシアターワンマン
この日のセットリストと一切被り無しでやるのか、あるいは
まさか志村も「桜の季節」と「若者のすべて」が音楽の教科書に載るなんて思いもしなかっただろうが、志村の魂はずっとステージにある
同じ空をこの日も見つめてる

「アンコールでようやく20周年の実感が湧いてきた(笑)」

と今更すぎる実感に誰もがツッコミを入れただろうが、メンバー紹介は大歓声
特に志村の名前がコールされた瞬間
フジが続いてなかったら、この瞬間も白昼夢
バンドが続いていて本当に良かったし、

「みんなもフジファブリックの一員!」

なんて山内は言うが、紆余曲折あって結局、

「みんなとは持たず持たれずの関係で(笑)」

ととんでもない所に着地(笑)
会場はズコーッとなったし、金澤もツッコミを入れまくっていた
やっぱり山内の天然は変わりそうもない

それでも、

「志村くんの曲に導いてもらってここまで来た」

の通り、山内達は志村が残した曲たちに連れてきてもらっている
それは自分もそう

自分は生で志村正彦がいた頃のフジのライブが見たことがない
なにせ出会ったのがライブに通ってない2009年
「Sugar!!」で知ったのに、その年の暮れのクリスマスにいきなり訃報が走ったのは昨日のように覚えている
フォロワーさんと比較したら、自分がフジのファンになったのは遥かに遅いのだ

でも自分が初めてお金を払ってライブハウスで見たバンドはフジ、それも今となっては信じられない程キャパが小さかった徒然流線TOURのBASIS公演だった

そこからほとんどのツアーに足を運んだ(2015年のツアーはあまり参加できてない)し、ロッキンのトリで山内が喉を飛ばしながら「ECHO」を歌ったのも、窓枠まで遠征したことも
大阪城ホールでライブを見たのも
コロナ禍で村八分覚悟でKT Zeppに乗り込んだのも覚えてる
自分も導いてもらった人間
それは今後も変わらない

そして最後、「LIFE」で山内は、

「こんな未来想像してなかったよ。最高じゃん!!」

と叫んだ
それはまるで、

「戻らない日々に手を振って行くのさ
今日も続いてく」

のよう
これを持って、今年3本の大型ライブの1つは終了

記念撮影はあまりにシュールだったけど(笑)

アニバーサリーライブという名目ではあるが、実質これは「PORTRAIT」のレコ発ライブ
並びに志村への現状報告だろう
武道館や大阪城ホールのような映像演出も無い
演奏だけで見せた2時間半だった

恐らくファンが待ち望んでいるフジファブリックのベストアルバムのようなライブは8月のガーデンシアター、すなわち「THE BEST MOMENT」だ
名曲「銀河」や「徒然モノクローム」、「STAR」などは8月に回されたのだろう
「パッション・フルーツ」に「蒼い鳥」、「ゴールデンタイム」のような近年見かけてない曲も聞きたい所存だが

1番の注目は、「茜色の夕日」の封印は解かれるか
武道館では周囲にいた方がボロボロ泣いていたのを覚えている
ここで封印を解かなかったら、いつ解放するのだろう

当日は蘇我から梯子する強行スケジュールになるが
もう3時間半コースも覚悟しているが、何が何でも見届ける

セトリ
ショウ・タイム
プラネタリア

Particle Dreams
桜の季節
東京
ミラクルレボリューションNo.9
ブルー
月見草
音楽
音の庭
KARAKURI
バタアシParty Night
FEVERMAN
星降る夜になったら
PORTRAIT
(Encore)
若者のすべて

LIFE



※前回見たワンマンのレポ