今、大きな社会不安となっている、

東北•北海道を中心としたアーバンベアの被害について、

素人の私が、知ったか振りの話を垂流して、

誰かの判断を誤らせる愚は、

差控えるべきと思っています

その上での、話です

 

私の住む兵庫県は、西日本有数の、

ツキノワグマ(ローラシア獣上目食肉目クマ科クマ属)の生息地です

昨年度(2024)は被害が心配される状況でしたが、

被害は平年以下でした

 

現在の状況をどう把握するかについては、

「『個体数管理が大きな要因』東日本で相次ぐクマ被害 研究者の横山さん講話/兵庫・丹波市」(25.11.7付丹波新聞,https://tanba.jp/#google_vignette)

の記事を参考にするのが良いと思っています

 

ヒグマやツキノワグマの被害が多発する今年、

多くのニュースの中で、

今夏以来、人里へのクマ大量出現の主な要因の1つが、

ドングリ(堅果類)の大凶作と報道されています

そのドングリを実らせる樹木は、多くバラ類ブナ目ブナ科の落葉広葉樹です

 

ブナ科には、ヒト食用になるシイ類(ブナ亜科シイ属)クリ類(同クリ属)や、

良質の木炭となるクヌギ(同コナラ属)、

あるいは同ナラ属始め良質の木材が採れる、

広くカシとかオークと呼ばれる樹木類が含まれます

その内、特にコナラ(緩やかな切れ込みの鋸歯の少し細長い葉,黒っぽく縦に深い切れ目の入る樹肌)ミズナラ(コナラより細かな鋸歯,葉柄がない)(共に同コナラ属)、

そしてブナ(灰白色の樹肌,緩やかな切れ込みの鋸歯の丸めの葉,同ブナ属)が、

森林地域で大量のドングリを実らせ、

雑食動物であるクマ類の主食となっているのです

いずれも小さく、特にブナのドングリなどは細い三角の形で、

一見あまり栄養あるように見えないながらも、

特に付ける量の多さが、体の大きなクマ類の生命を支えるのに、

不可欠になっています

 

また、同じブナ科でもシイ類等は常緑樹ですが、

ブナ,コナラ,ミズナラは落葉広葉樹で、

寒冷地でもある日本の山地に、広く分布しています

それがクマ類の生息地となっているのですが、

これらのドングリは、年によってかなり極端に、豊作,凶作の差があるのです

 

例えば今年(2025)は、コナラ,ミズナラは豊作ですが、

ブナは凶作の2023年を上回る大凶作なのです

そのため、比較的西日本にはコナラ,ミズナラが多いため、

クマ類の餌は一応、足りていると考えられるのですが、

東北以北では大部分を占めているブナが凶作で、

山にドングリがほとんどないことにより、

クマ類がずっと人里に降り続ける状況が、

寒くなって来ても続いているようなのです

 

ブナが寒冷地、特に北部日本海側の多雪地域に優占的で、

しばしば針葉樹の生育を阻んで、

単純林に近い自然林を形成しているのは、

世界自然遺産である白神山地始め、かなり世界的にも珍しいことです

しかし、なぜブナが広葉樹として例外的なほど、

雪に強いかについては、

根が倒木を防ぐ支持の働きを持つ等、

いくつか説が唱えられていながら、

未だはっきり原因が突止められていないようです

 

これらブナ,コナラ,ミズナラのドングリの豊凶については、

林野庁および各地の自治体が、毎年調査していて、

HP等で公表しています

その発表時期は、各機関により様々ですが、

おおむね、実際にドングリが結実となる9-10月までに、

その年の山のドングリの豊凶を報告しています

またいくつかの地域では、

来年の予測をHPで公表しています

 

例えば秋田県は、県内6地域に分け、

ブナの豊凶予測および結果報告をしていますが、

2022,24はほぼ豊作、23,25は凶作でした

因みに来年(2026)は豊作-平作です

少し安心です

 

東北以北の山は、大量のブナの生える生態で、

シカ類始め多くの陸上動物を養う、恵みの地でありながら、

年により、ドングリの量に激しく差があり、

動物たちがいつも飢えと隣り合わせに生きねばならない、

宿命を持った土地でもあるのです

 

兵庫県では、自治体と研究機関が連携し、

長年対策を続け、

例えば2024年のドングリ凶作年にも、例年と同じ、

クマ被害が増えない状態を保っています

今年、特に東-北日本は、

感染症大流行時と同じとも言うべき緊急事態ですが、

本当は昨年から分っていたようです(2025.11)