今日9月末現在、先日の千葉豪雨,台風25号両豪雨、

そのため内水氾濫,堤防決壊,土砂災害等の被災地である房総半島は、

台風26号の天候次第では、まだまだ一息つける状況ではないようです

 

人間の被害の甚大さを考えると、

いかに勝手に書いているばかりのこのブログとは言え、

千葉の魚のことはどうかとも思っていましたが、

今のところ検索しても出てこない、千葉の希少種のことを心配していて、

今回、少し触れさせていただきたいと思います

ミヤコタナゴ(コイ目コイ亜目タナゴ科タナゴ亜科タナゴ属)です

 

ミヤコタナゴは20世紀初頭に、小石川植物園や、

神田川に注ぎ近年も氾濫を繰返す善福寺川等、

東京都内で新種として発見され、

どうやら「日本魚類学の父」と称される、

某旧帝大教授により「帝都で発見されたから」、

『都』鱮(鰱, タナゴ)と命名されたとのこと

(この先生の命名センスは、私にはいつも…

だいたい、いくつもの町にも当てはまる「○○のみやこ」などは別として、

東京を「みやこ」と呼ぶ例が、どれだけあるのか…)

 

その東京都では野生絶滅し、神奈川産,埼玉産と共に、

研究機関等で飼育され、生延びている状況です

関東地方固有種である絶滅危惧種ということもあるでしょう

タナゴ類の中ではかなり詳細に研究が進んでいるようで、

現在生存が確認されている、

那賀川水系(絶滅寸前?),利根川水系,鶴見川水系(野生絶滅),夷隅川水系で、

さらに一部は同一水系内の小さな水域で、

比較的容易に区別付くほど体型に変異があることが知られています

 

ミヤコタナゴは同属のアブラボテ,ヤリタナゴに似ていますが、

「全長5cmほど。オスの婚姻色は体側にオレンジ色が出て、背びれの縁に白、腹びれと尻びれの縁に黒、そのすぐ内側に白の帯がある。」(ウィキペディア「タナゴ科」)と、

上記の通り地域変異がありつつも、

最も形態の似たアブラボテが西日本のみ生息ということと合わせ、

他種との見分けは付きやすい魚です

 

ミヤコタナゴは、日本の希少生物の中の魚類についての、

天然記念物(地域を定めず)4種、国内希少野生生物種11種、

環境省汽水・淡水魚類レッドデータリストIA類(CR=絶滅寸前)71種の、

いずれにも含まれています

湧水など水質の良い湖沼や小河川といった、環境保全の難しい場所に生息する上、

二枚貝に産卵する寄生の生態を持つタナゴ類の中でも、

イシガイ目イシガイ科の、特にマツカサガイやヨコハマシジラガイを中心とした、

少湖沼や小河川に生息する二枚貝を必要としています

 

ミヤコタナゴの生息地と重なるマツカサガイの生息環境は、

定期的な土揚げ・池干が必要な、水田等の流入出水路・小河川のため、

これらの水圏が河川改修だけでなく、耕作放棄等による環境変化で、

容易に貝が絶滅してしまう心配があります

これらの環境を2次自然というのですが、

それらの貝に寄生するミヤコタナゴは、広義の2次自然依存生物と言えるのです

単に生息地を秘密にして密漁を防ぐだけでは、

種の保存が難しい、大きな問題を抱えた生物なのです

 

イシガイ類は、生息環境の変化に加え、

幼生がグロキディウム幼生と呼ばれる、

今度は自分が淡水魚の鰓に寄生する生態の貝なので、

タナゴ類のいくつもの種が、貝の減少に伴い、絶滅の心配がありますが、

その中でも、特に心配される魚と言えるのです

そのミヤコタナゴの生息地の大部分が、

今回の2度の豪雨で深刻な被害の出た、千葉県内の2水系です

 

おそらく、これまでミヤコタナゴの保存のため力を尽くしてきた、

地域住民の方々の少なからずが、

今回、大きく被災したのでは、と心配しています

共存してきた人とそしてミヤコタナゴに代表される自然が、

これからどうなるのだろうかと、

次の豪雨、さらに言えば今後またモンスーンジャイアはじめ、

千葉の環境を激変させる気候変動が必至の中、

非常に難しい問題、と感じています(2026.9)