16世紀に台湾にやってきたポルトガル人は、この島を「美しい島」という意味の「イラ・フォルモサ」と呼びました。
やがてオランダが現在の台南を中心としたところに要塞や行政府を築いて統治をするようになりました。しかし鄭成功がオランダを破り、鄭成功とその息子たちが台湾の支配者になります。そもそも明朝の王族がこの地に来て統治をしていたのが、明が滅んで清が台湾の支配に乗り出そうとしたところ、鄭成功と明の王族がそれに抵抗して現地政権を打ち立てたのです。
結局台湾は清朝の支配に下ります。
台南は「台湾発祥の地」と言われています。もともと原住民の言葉でここを「ダイオワン」と言っていたものに漢字を当てはめて台湾になり、それがこの島全体を表すようになったということです。
それは台南がオランダ~明朝~鄭成功、と台湾統治の中心地であったことを表しています。
台南にはオランダの要塞の跡が残っており、行政府は鄭成功によって中国の楼閣に建て替えられましたが、一部赤煉瓦の遺構が残っています。また、台南の媽祖廟は、もとは明朝の王族の屋敷だった所を媽祖廟に改築したものと言われています。清朝になって媽祖廟には「天后宮」という称号が与えられました。それから台湾にある媽祖廟はいずれも「天后宮」と呼ばれるようになりました。
歴オタ的には台南はものすごく楽しい所でした。上記の史跡のほか、鄭成功廟である延平郡王祠や台湾最古の孔子廟があります。
また、日本統治時代の洋風建築がたくさんあります。
で、「台湾誌」なんて本がある…なんてことは知りませんでした。
しかし、それは実際の台湾のことを書いた本ではなく、西洋人が捏造した架空の「台湾(フォルモサ)」のことを書いた本だとか。
時々ありますね。モンテスキューは「ペルシア人の手紙」を捏造して本にしました。西洋を訪問したペルシア人の目から見た西洋文明、みたいな文明批判を盛り込んでいるとか。
西洋文明批判で同類のものに「パパラギ」があります。サモアの酋長ツイアビがヨーロッパに来た時のことを書いたもの…という触れ込みで書かれたフィクション。これは著者は実際にサモアに行ったことがあるそうですが。
「パパラギ」は宝塚でも上演されました。まさか「パパラギ」をショーにしてしまうなんて、さすが草野旦先生。
(見た人、いますー?)
さて、今度は「台湾誌」という捏造本つまり偽書を取り上げるとか。
しかも「台湾」「台湾人」という言葉を使わず「フォルモサ」「フォルモサ人」と言うらしい。実際原書が「フォルモサ」ですし、「フォルモサ人」とか言う方が架空の国っぽくていいかもしれません。確かに「台湾誌」と訳したのは日本人の勝手ですね。
ただ、問題は、別箱はこのところ全くチケットが取れない(大劇場も取りにくいけど)。果たして見られるのか?
(ジャンルは歴史にするか、舞台にするか悩みましたが、結局宝塚の話なのでこっちに…)