チケットが取れなくて見るのはもうあきらめていた星組。まわりまわってチケットが回ってきて、奇跡的に見ることができました。
インド映画は見たことがありません。「オーム・シャンティ・オーム」も見てません。
1920年代、イギリス統治下のインド。
ゴーンド族の少女、マッリはインド総督の夫人に気に入られ、連れ去られてしまいます。
ゴーンド族のみんなはマッリ救出の作戦を立て、奪回を計画します。
総督はゴーンド族を警戒し、警察官ラーマ(暁千星)にゴーンド族とその「守護者」と言われるビームを探し出して捕らえるよう命令します。
ゴーンド族の「守護者」と呼ばれるビームは礼真琴。カッコいい登場の仕方です。
ビームは名前を変えてデリーの修理屋に雇われます。腕がよくて親方にも気に入られます。
ある時デリーの街で火事が起きます。偶然居合わせたビームとラーマは協力して子供を救います。これをきっかけに、二人は互いの素性を知らないまま友情を結びます。
ビームは総督の姪、ジェニー(舞空瞳)に目を付け、彼女に近寄れば総督邸に忍び込むことができるかも…などと考えていました。そうしたらジェニーがデリーの街へやってきます。ビームがジェニーを探るように見つめているのを、ラーマは誤解して二人が仲良くなれるようにきっかけを作ってあげます。それがうまくいき、ジェニーはビームとラーマを総督邸のパーティに誘います。
音楽の入り方、使い方が普段の公演と違うなと思いました。これがインド映画というものでしょうか。
さて、パーティーでダンスに誘われてもうまく踊れないビーム。周りのイギリス人に笑われているのを見て、ラーマは「ナートゥをご存じか?」と言ってナートゥダンスを踊り始めます。ビームはラーマとナートゥを踊り始めます。そうして周りの人たちもどんどん踊り出す…。
まこっちゃん、ありちゃんを中心に大ダンス大会です。
その後互いの素性を知った二人が葛藤することになります。しかしラーマにはなぜイギリス人の手先となったのか、理由があったのです。
最後はうまくいきすぎじゃないかと思わなくもないですが、スピード感のある展開ににぎやかな音楽、ダンス、と見ごたえがありました。
まこっちゃん。ありちゃんはビームとラーマが友人であり敵同士でもある対等な関係がよく出ていました。今までの星組はまこっちゃん一人が飛びぬけてうまくてまわりがついてきていていないような感じがありました。でも対等な関係を結べる2番手ができて、生き生きしているように見えましたし、舞台にも厚みが出ました。
で、ラーマの恋人がシータ。「ラーマーヤナ」ですね…。
「VIOLETOPIA」は不思議な妖しげなショーでした。「劇場」がテーマということで、最初は廃墟になった劇場から。迷い込んだ青年がセットの一部に触れると劇場が蘇り、華やかなレビューが始まります。
ありちゃんがバックステージをテーマにしたダンスで一場面もらっていました。
そして妖しげなサーカスが登場する場面。
1930年代のドイツのキャバレー。
通しのテーマがなんとなくあって、一貫したまとまりのある内容でした。
「万華鏡百景色」とか、今までにない感覚のショーを作る先生が相次いで登場するのを見ると、「ロマンチック・レビュー」などはもう時代遅れなんじゃないかという気がしてきました。特にこの間の花組の「Grand Mirage」なんか見ると、岡田先生は新しい作品を作る、場面を作る力が衰えてきたのかと思います。
20世紀のロマンチック・レビューがどんなに特別感を感じるショーでわくわくしたかを体感してきた身には何とも寂しいことですが…。
退団する天華えまに、はなむけになる場面があるのは当然として、エトワールまでやっててびっくりしました。
一方極美慎が「3番手確定?」みたいに扱いがぐっと上がっていました。