世界史オタク・水原杏樹のブログ

世界史オタク・水原杏樹のブログ

世界の史跡めぐりの旅行記中心のブログです。…のはずだったんですが、最近は観劇、展覧会などいろいろ。時々語学ネタも…?
現在の所海外旅行記は
2014年9月 フランス・ロワールの古城
2015年3月 旅順・大連
2015年8月 台北(宝塚観劇)
を書いています。

さて、「レベッカ」は13時公演ばかりで、午前の時間が空きます。なのでパナソニック汐留美術館に行くことにしました。
パナソニック汐留美術館はルオーのコレクションを持っているのですが、今回は最近の収蔵作品を中心にコレクションを紹介する展示です。さらに、パリのルオー財団と協力して、ルオーの最後のアトリエを再現した展示が行われています。

ルオーはパリに生まれ、エコール・デ・ボザール(国立美術学校)に入学し、ギュスターヴ・モローに師事します。初期のころはモローの影響を受けた絵を描いていました。ルオーはモローを敬愛し、モローが亡くなった後、モローの家が美術館になった時に初代館長にもなっています。
その後マティスなどフォーヴィズムの画家たちと交流してビビッドな色や大胆な厚塗りなどに傾いていきますが、結局はルオーはルオーならではの表現を極めていきます。
そして曲馬師や娼婦など市井の中から見出した題材を描くようになります。

この展覧会では初期の絵から、だんだんルオーらしい絵になっていく過程をたどることができました。ルオーと言えば宗教画のイメージが強いですが、市井の人の描写もすばらしいです。また、「聖書の風景」というタイトルの絵も多いのですが、あくまでも「イメージ」らしく、具体的な聖書の箇所がわからない絵が多かったです。

そして展覧会のタイトルのもとになり、ポスターにも使われているのが「モデル、アトリエの記憶」です。これは1950年に描かれた絵ですが、学校時代にモデルのスケッチの練習をしていた時の絵を元に上から塗り重ねて新しい絵にしたものです。学校でどんな風にスケッチの練習をしていたのかがうかがえる貴重な絵です。

ルオーは晩年リヨン駅の近くのアパルトマンにアトリエを構えていました。ルオー財団がこのアトリエを管理していて、生前のままに残しています。今回は美術館の一角にこのアトリエを再現しました。窓の外の風景まで再現されています。たくさんの書きかけの絵が重なり(ルオーは何枚もの絵を並行して描いたり、何度も描き直したりしていたそうです)、たくさんの筆や大きなチューブの絵の具、パステル、日本の墨もありました。

ルオーの画業をまとめて見ることができる貴重な展覧会でした。