手紙 | 上田 真一郎 犬のためのヒーリングデバイス CS60

上田 真一郎 犬のためのヒーリングデバイス CS60

   大切なことは全部犬が教えてくれた
ペットと飼い主さんを「言葉」でつなぐコミュニケーションを。

 

ビッグコミックという青年漫画雑誌の名作短

編集を買って置いてあったのをようやく読み

始める事が出来ました。

 

名作のセレクションを謳っているだけあって

錚々たるメンバーが揃っています。

 

水木しげるさんとか上村一夫さん、谷口ジロ

ーさんなどなど。

 

トイレで読みながら、どうしてこの本を買っ

たんだろうと目次を見返していたのですが、

多分。近藤ようこさんの単行本未収録作品の

「御用の尼」が目当てだったのかな、と割と

いい加減です。

 

その中に、四大作家競作「手紙」という企画

モノもありました。

 

石ノ森章太郎さん、藤子不二雄Aさん、

さいとう・たかをさん、手塚治虫さん、

 

とまぁもの凄い四大ですが、石ノ森章太郎さ

んの「手紙」にとても心震えました。

 

「手紙」と聞けば、僕の世代だと由紀さおり

さんの「手紙」を思い浮かべます。

 

若い方はきっと「拝啓 十五の君へ」やザ・

ブームの「手紙」を思い浮かべるのかな。

 

「手紙~拝啓 十五の君へ」なんてとても素

晴らしい曲なんだけど、流石にちょっと世代

が違いすぎて気恥ずかしさが勝ってしまうの

です。

 

そんなことを思いながら競作の「手紙」のデ

ータを見ると、由紀さおりさんの「手紙」が

リリースされた翌年に掲載されているので、

そもそもの企画のモチーフが由紀さんの「手

紙」だったのかも知れません。

 

 

石ノ森章太郎さんの「孤独な手紙」はたった

の四頁なのです。

 

表題と手紙を読む青年。

間借りしている四畳半の屋根裏部屋で手紙を

認める青年。

ポストに手紙を投函する青年の姿を俯瞰で。

届いた手紙を読む青年。

 

この四頁だけ。

 

手紙に認められた文字はとても綺麗な女文字

の恋文なのです。

 

ラストで青年に届いた手紙も同じ手紙。

 

手紙だけが唯一の通信手段だった頃。

もちろん電話も普及していますが、まだまだ

固定電話の権利を持つ事が、まず都会に出て

きてクリアすべき壁だった時代はまだそんな

昔ではないのです。

 

雑誌の巻末の下段にはペンパル募集が幾つか

印刷され、その横には北国の父親の危篤を伝

え、すぐに帰れと呼びかける文が並び、もう

怒っていないから連絡をよこせと促す母の言

葉が寂寥感を誘う、そんな時代でした。

 

それだけ、手紙や文字の持つチカラが強かっ

たのかとも思います。

 

直筆の手紙というものは、なかなか記憶の中

からもデリート(削除)出来ないどころか、

言葉のひとつひとつがいろんな場所に刻み込

まれてしまって情念すら感じることもありま

す。

 

そんな感情を中島みゆきさん「ひとり上手」

を聴いていると身に染みるようになったのも

ようやく二十歳を過ぎた頃からだったかも。

 

♪手紙なんてよしてね

♪何度も繰り返し泣くから

♪電話だけで捨ててね

♪僕もひとりだよとだましてね

 

電話は電話で、ダイヤルの最後の番号を廻し

た指をなかなか抜けない問題も残すのですが

、長くなってしまったので。

 

   

   ベル インスタはじめました ベル

   わんわん ワンコがいっぱいです わんわん