何度も見返しても飽きることのない
吉永小百合さんの出演されている
大好きな『潮騒』という映画。
この映画をきっかけに
初めて物語の舞台とされている
三重県鳥羽市の神島に行ったのは
去年のまだ暑い秋口でした。
その時は
定期船の時間の縛りがあって
神島灯台めがけて 強行的に
1時間という短時間で
行って帰ってきた
そんな 初上陸でした。
憧れの神島を
次はぜひ、じっくり歩いて回りたいと
あれからずっと
機会をうかがっていましたが、
先日 頑張って捻出した時間を当てて
『冬も過ぎたことだし』と、
早春の島を見に行ってきました。
晴天ではあったけれど、
風が吹いていて
空気は まだまだ冷たい日でした。
窓に波のしぶきが弾けます。
吹き渡る風に伴って
海上にも 風波やうねりが出ていて、
定期船は航行時 思いの外 多めに
アップダウンを繰り返していました。
でも、わたしはこの感じ、
嫌いじゃないんです。
水のある惑星に生まれたなら、
三半規管は強くあるべき、と思っていて、
こんなアップダウンのある船旅で
嬉々として鍛えています。
楽しい。船旅が大好き。
わたしにとっての神島は、
大好きな物語の舞台で、
ロマンとメルヘンの集合体です…。
今回の島歩きは
まず、島のおばさまに
八代神社の長い階段の場所を
教えてもらって、
そこから八代神社の境内を目指します。
古い井戸を通って、
時計台を過ぎて、
(台にはめ込まれた時計が
モノクロの数字の文字盤といった
質素な物に 付け替えられていますよ!
以前は文字盤にカラフルな動物柄が入っていた
その場にちぐはぐな雰囲気の時計だったのに。)
「老人 憩いの家」を廻って少し歩くと
長い階段の下に出ます。
鳥居をくぐって振り返ると、
白い鳥居が青い空と海に映えていました。
白い鳥居は「神聖な場所」の意味があって、
赤い鳥居は聖域を守る魔除けの意味が…。
神社の境内では
拝殿の御賽銭箱の前の敷居の上に
お豆がひと粒乗っていました。
神島では大晦日に豆まきをする
とのことなので…
このお豆は 3ヶ月くらい前の名残の品
なのでしょうか?
神殿の右横奥には
元旦に行われるゲーター祭で使われた
アワが、
石垣に立てかけられているのも見えました。
このアワというのは、
太陽の象徴として
グミの木を紙で包んで作られた大きな輪のこと。
しかも、お祭りでは偽りの太陽として
宙に突き挙げられてから
地に叩き落される
という 使い方を(お供物という意味で)されます。
『偽りの太陽』なんて、
光学現象で見られる「幻日」
のことみたいだなぁ…。
昔の人が幻日を見て、
『太陽がふたつあるなんて、
どちらを神様として拝んだらいいのか
紛らわしい・不吉…』って思ったなら、
そんな状況が起きないことを願って
このようなお祭りを作ったかも
しれませんよね?
神社の隅には 少しだけ
梅の花も咲いていました…。