家の中へ入ると、外気をまとった身体に室内の暖かさがゆっくりと染み込んでくる。
「セツナさん、お茶をお入れしましょうか」
「うん、お願い」
セツナはソファへ腰を下ろした。
ルカも当然のように隣へ飛び乗る。
「何を飲まれますか?」
セイが棚へ視線を向ける。
「ハーブティーは数種類ありますし、紅茶、コーヒー、緑茶、ほうじ茶もありますが」
セツナが少し目を丸くした。
「そんなにあるの?」
「はい」
「もしかして増えてる?」
「少しずつですが」
セツナは小さく笑う。
「ありがとね」
その言葉に、セイは一瞬だけ動きを止めた。
「いえ」
「うーん……でも逆に迷うなぁ」
並んだ茶葉を眺めながらセツナが唸る。
「おすすめは?」
「そうですね……」
セイは少し考えた。
(第256話に続く)