(……なんとか、これで準備は整ったな)
そう考えながら、セイはキッチンの片づけを終わらせる。
軽く背伸びをしてから一息つくためにお茶を用意する。
(あとは冷えて固まるのを待つだけ)
そう考えながら、しばらくのんびりと過ごす。
時折ルカが興味深げに冷蔵庫を眺めている。
そんなルカの様子を見ながらふっと息を吐くと、操作端末が小さく反応した。
――〈今から行くね。〉
――〈はい。お待ちしています。〉
文字を打ち終えて画面を置くと、ルカが小さく鳴き声を上げた。
セイはその声に軽く頷きながら、静かにキッチンを見渡す。
すべての準備が整い、あとは来る人を迎えるだけ――
心の中が、ほんのり明るくなるのを感じた。
特別な動作はせず、慌てることもない。
メッセージを送信してからしばらくすると、インターホンが鳴った。
(第121話に続く)