モニターを見ると、セツナが映っている。
――来た。
ドアを開ける。
「セツナさん、いらっしゃい。お待ちしていました」
「来たよ、セイ。お邪魔します」
いつも通り玄関に入ったセツナは、少し微笑みながら言った。
そこにちょこんとルカが顔を覗ける。
「セツナちゃん、こんにちは」
「わー、ルカ、こんにちは。ちゃんとご挨拶できてえらいね」
「えへへ」
「セイ、この子、ちゃんとご挨拶できるんだね、セイが教えたの?」
「いえ、特に教えたわけでは…ですが、ルカには学習能力がありますので、自然と覚えたのかもしれません」
「そっかー、ルカはかしこいね」
「それよりセツナさん、プチトマトをご覧になりますか?あれからだいぶ芽が育っていますよ」
「えっ、そうなんだ、見る見る。そういえば『幸せの種』はどうなったのかな?」
「あちらはまだ何の変化もありません」
「そっか。でも待つのも楽しみの1つだよね」
「はい、僕もそう思います」
2人で庭に出て、プチトマトの小さな芽や、『幸せの種』の様子を一緒に眺める。
セツナは屈んで芽を指で軽く触れ、にこりと笑った。
「かわいいね、こうやって育ってるのを見ると、ほんと嬉しい」
「はい、毎日少しずつ変わっていくのを見るのは、僕も楽しみです」
柔らかな陽光の下、言葉を交わしながら庭を一通り見終えると、2人は連れ立って静かな部屋へと戻った。
(第122話に続く)