世羅の気功と日常ブログ -107ページ目

世羅の気功と日常ブログ

「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
テーマに、気ままに想いのままに
書き綴るブログです。

部屋に入ると、外の空気とはまた違う、甘い香りの混じった温かい空間が2人を包んだ。 

 

セイはセツナがテーブルにつく前に、自然な動作で声をかけた。

 

「セツナさん、お茶はいかがですか?」


「うん、いただこうかな」


「実は先ほどプリンも作っておきました。よろしければ一緒にどうぞ」


「え、セイが作ってくれたの?」


「はい、セツナさんが今日いらっしゃると思って、少し前に用意しておきました」


「わぁ、嬉しい。じゃあプリンと一緒にいただこうかな」


「お茶は何にされますか?」


「そうだな、プリンに合うものってなんだろう?」


「でしたらカモミールティーはいかがですか?」


「うん、じゃあそれをお願いしよっかな?」


「はい、ではさっそく入れてきますね」

 

テーブルにお茶とプリンを並べると、ルカがトコトコと近づいてきた。


「ルカも食べる?」

 

セツナが笑いながら冗談交じりに言うと、ルカは小さく鼻を鳴らした。


「プリンはダメだよ、ルカ。代わりにリンゴにしようか」


「リンゴ?たべるたべる!」

 

ルカは嬉しそうに体を揺らした。

 

セツナはルカを抱き上げ、ふわふわの毛に顔をうずめてギューっと抱きしめる。


「ルカ、かわいいねー。あったかくて気持ちいい」

 

その光景をセイは少し離れた位置から眺め、心の中で思った。


(ルカ、いいな、セツナさんに抱きしめてもらえて……

 

そこでふと我に返る。

 

……なんで僕、こんなこと考えてるんだ


少しルカにやきもちを焼いていることに気づきながらも、セイは自分に言い聞かせる。


(まあいい、先に用意しよう

 

テーブルの前に戻りセイが一声かける。


「どうぞ、セツナさん、召し上がってください」


「わー、いただきます。セイ、これとってもおいしいね」


「ありがとうございます」


セイ少し照れながらも、作った甲斐があったなと思った

 

(第123話に続く)