キッチンにはオーブンの小さな作動音と、鍋から立ちのぼる湯気が穏やかに流れている。
しばらくして、セイがふと思い出したように口を開いた。
「そうだ。ルカのごはんも用意しないといけませんね」
「あ、ほんとだ!」
セツナは冷蔵庫から野菜を取り出す。
「ルカ、今日はクリスマスだから、特別メニューだよ」
「わーい!」
嬉しそうな声が返ってくる。
セツナはレタスやにんじんを食べやすい大きさに切り、小さな器へ彩りよく盛り付けていく。
そして最後に、うさぎの形に飾り切りしたりんごをそっと添えた。
(第290話に続く)