■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第242話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
テーマに、気ままに想いのままに
書き綴るブログです。

夕方。

 

一通りの準備を終え、部屋を見渡す。

 

配置。

 

導線。

 

清掃状態。

 

不足はない。

 

そのはずなのに、視線は何度も室内を巡った。

 

椅子の位置を整える。

 

棚の上を軽く拭く。

 

使う予定の食器を確認する。

 

必要以上に整えている自覚はあった。

 

だが、止めはしなかった。

 

やがて日が落ちる。

 

窓の外は静かだった。

 

セイはキッチンへ視線を向ける。

 

下ごしらえを終えた食材。

 

冷蔵庫に並んだ材料。

 

焼き上がったクッキー。

 

明日の準備は、もう十分だった。

 

……問題ない)

 

そう判断する。

 

それでも、なぜかもう1度だけ確認した。

 

確認し終えても、まだ時間が残っている。

 

だから本を開く。

 

数ページ読む。

 

だが内容はほとんど頭に入らなかった。

 

気づけば、意識は別の場所へ向かっている。

 

明日。

 

セツナが来る。

 

ただ、それだけのこと。

 

それだけのはずだった。

 

けれど。

 

胸の奥が、わずかに落ち着かなかった。

 

(第243話に続く)