次に、副菜の準備へ移る。
保存の利くものから順に仕上げていく。
包丁の音が規則正しく響く。
切り揃えられた野菜が並び、少しずつ作業台が埋まっていく。
工程をひとつ終えるたびに、頭の中の予定表が静かに更新されていった。
そして、デザート。
材料を並べ、手を動かす。
計量。
混合。
成形。
焼き上がりを想像しながら作業していることに気づき、ふと手が止まる。
淡々とした作業のはずだった。
それなのに、わずかに感覚が違う。
ほんの少しだけ、楽しい。
その感覚に気づいた瞬間、手が止まりかける。
だが、すぐに思考を戻した。
必要な作業だ。
それ以上でも、それ以下でもない。
そう定義する。
クッキーも同様に仕上げていく。
焼き上がったものを確認し、状態を整える。
問題ない。
すべてが、想定通りに進んでいた。
(第242話に続く)