その時だった。
ふと、クッキー用の材料に目が留まる。
以前、1度だけ用意したことがある材料だ。
彼女のために作るのも悪くないかもしれない。
そう考えて購入したものだったが、結局は一緒に作る形になり、そのまま使い切ってしまっていた。
思考がそこで止まる。
クッキー。
焼き菓子。
日持ちはする。
持ち運びもしやすい。
それに、料理の延長線上だ。
特別な意味を持たせる必要もない。
クリスマス用の料理を作るなら、焼き菓子があっても不自然ではない。
むしろ自然だ。
合理的ですらある。
そう結論づけたセイは、クッキー用の材料をかごへ入れる。
(第238話に続く)