食品売り場へ足を踏み入れたセイは、並んだ食材へ視線を向けた。
肉。
野菜。
調味料。
その中で、ふと足が止まった。
丸ごとの鶏肉。
そこで自然と連想が繋がる。
クリスマス。
チキン。
ディナー。
そして――セツナ。
思考が止まる。
なぜそこで彼女が出てくるのか。
少し考えて、すぐに答えに辿り着いた。
今年のクリスマスは、一緒に過ごす予定だからだ。
それだけのこと。
そう結論づけながらも、胸の奥が少しだけ落ち着かない。
視線は再び鶏肉へ向く。
せっかくなら、それらしい料理を作るのも悪くないかもしれない。
料理は好きだ。
作ること自体は苦ではない。
むしろ楽しめる。
なら問題はない。
そう判断したセイは端末を取り出した。
(第234話に続く)