食事を終えた後、セイは気分転換も兼ねて買い出しへ向かった。
必要な物を補充するだけの外出だ。
特別な目的はない。
ルカを連れて街を歩いていると、ふと店先の装飾が目に入った。
赤と緑。
リースとベル。
見慣れたはずの色彩に、なぜか視線が止まる。
少し考えてから、その理由に気づいた。
クリスマス。
この世界に来てから何度も目にしてきた光景だ。
そしてクリスマスとは、恋人や家族と過ごす日。
ケーキを食べたり、贈り物をしたりするイベント。
その程度の知識はある。
だが、それは常に他人事だった。
自分がその中にいる姿を想像したことはない。
少なくとも昨日までは。
(第225話に続く)