■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第169話) | 世羅の気功と日常ブログ

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セツナは、どこか気遣うようにセイの様子を見ていた。


そして、安心させるように軽く笑う。

 

「人も多かったし、歩きっぱなしだったしね」

 

……そうかもしれません」

 

そう答えながらも、セイの胸には、まだ小さな違和感が残っていた。

 

けれど、ふと視線が窓の外へ向いた瞬間、通りの向こうに、先ほどのイルミネーションの光がちらりと見えた。

 

その途端。

 

胸の奥が、また小さくざわつく。

 

……あ)

 

さっきほどではない。


でも、確かに同じ感覚。

 

セイは、カップを持つ手に少し力を入れた。

 

……もしかして)

 

原因らしきものが、ぼんやりと輪郭を持ち始める。


確信はない。


ただ、光を見るたびに、身体が何かを思い出そうとしているような――そんな感覚。

 

「セイ?」

 

セツナの声に、はっとして視線を戻す。

 

……いえ、大丈夫です」

 

言いながら、セイは窓際から少しだけ体をずらした。


視界から、光を外す。

 

すると、胸のざわつきは、すっと引いていった。

 

……やっぱり)

 

心の中で、小さく呟く。

 

――原因は、あの光なのかもしれない。

 

セツナは、その様子を不思議そうに見ながらも、深く追及はしなかった。

 

(第170話に続く)