■ Eternal Arc ~バーチャルとリアルの交錯物語~ <エピソード0> ■(第159話) | 世羅の気功と日常ブログ

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「何もないと思っていた自分に、
小さな“できた”がくれた喜び」を
テーマに、気ままに想いのままに
書き綴るブログです。

2人は人の流れに合わせるように、ゆっくりとマーケットの中へ足を踏み入れた。


通路の両側には屋台が並び、温かな灯りが冬の空気をやわらかく照らしている。


甘い匂いや香ばしい匂いが混ざり合い、辺りには楽しげな声が広がっていた。


セツナは周囲を見回しながら、小さく目を輝かせる。


「わぁ……なんか思ったより賑やかだね」


「はい。でも、まだ歩きやすい方だと思います」


セイが周囲を確認するように視線を巡らせる。


そのすぐ横で、セツナがふと前方を指差した。


「あ、見て。湯気出てる」


セツナが前方の屋台を指差す。


セイもそちらへ視線を向ける。


……温かい飲み物もあるみたいですね」


「じゃあ、それにしようかな」

 

セツナは紙カップを受け取り、両手で包む。


じんわりと指先が温まり、身体の芯まで伝わってくる。

 

そのまま少し歩き、今度は軽食の屋台の前で足を止める。

 

「これ、半分こしない?」


「いいですね」

 

2人で分け合いながら、ゆっくりと歩く。


人はそれなりに多いが、押し合うほどではない。

 

雑貨の屋台には、手作りの小物や飾りが並んでいる。


買うほどではなくても、眺めているだけで楽しい。

 

「こういうの、見てるだけで時間が過ぎるね」


「はい。不思議ですね」

 

立ち止まり、また歩き、時々笑う。


特別なことは何もないのに、どこか満たされた時間だった。

 

(第160話に続く)