「セツナちゃん、だいすき」
そう、ルカのまっすぐな声が、にぎわう店内に響き渡った。
その一言に、セイの鼓動が、わずかに跳ねる。
理由はわからない。
ほんの一瞬だけ、呼吸がずれる。
「ふふ、ありがと」
セツナは自然に笑って、ルカの頭を撫でる。
その様子を見て、セイはほんのわずかに視線を外した。
(……今のは、なんだ)
答えは出ないまま、視線を戻す。
「ほかに、何か必要なものはありますか?」
と、セイは少しだけ、話題を切り替えるように言う。
セツナは何も気が付かないまま、
「うーん……あ、これとかどう?」
と、小さなボールを手に取った。
転がすと、かすかに音が鳴る。
ルカの耳がぴくっと動いた。
「これも気に入ったの?」
「うん!」
迷いのない返事。
「じゃあ、これも買おっか」
そうして、布のおもちゃと小さなボールを選ぶ。
「これくらいで、ちょうどいいよね」
「……そうですね」
セイも小さく頷く。
(第142話に続く)